« こんな時代の広告。 | トップページ | コンピュータ・アソシエイツ(1) »

2007年6月 4日 (月)

コロナビール

Coronahotel_3Coronalime_3Coronawirer_4 コロナビールの「ライムがなければ、コロナは飲むな。」キャンペーンです。これは2000年頃の仕事で、コピーライターとしての参加です。コロナといえば、ライムをさして飲むビールとして有名ですが、そういうしきたりがだんだん若い人の間ですたれてきたんですね。いいかげんなバーでは、ライムのかわりにレモンをさしたりして、しかも、スピリット系の瓶入りライトアルコール飲料に押されて、人気にかげりも出てきたところでした。

そこで、若い人たちにもそのしきたりをもう一度知ってもらおうとつくったのがこの広告です。ラブホテルのやつは、ちょっと見えにくいかもしれませんが、ビンの隣にあるライム色の四角いやつは、コンドームなんですね。

CDの影響でもあるのですが、意識的に欧米の作法でつくっています。プロポジション(広告メッセージみたいなもの)を「ライム無しでコロナを飲むことは禁止されています」として、禁忌を破るサディスティックな快感じゃなくて、無根拠な規則を守らされるマゾヒスティックな快感をエンターテイメントしてみました。そこが新しかったんじゃないでしょうか。

ちょっとエッチな表現でもあるので、掲載関係に苦労しましたが、私としては、この表現はタブーでも、社会に反することでもなんでもなく、きちんと避妊をしようというメッセージであるので、なんの問題もないと思っているのですが、まあ、実際は、やっぱりいろいろ反発が多かったです。でも、事後の調査では、このポスターを見て嫌悪感を抱いた人は、嘘偽りなく皆無で、むしろ、ファッショナブルな広告だと思ったという意見が多く、社会も成熟したなあ、と思いました。私なんかにすれば、週刊誌の中刷り広告の見出しのほうがよっぽど、どうなんあれ、とか思うんですよね。古い話ですが、某野球選手が薬物をやっていて、その見出しに「○○○で全身快感セックス」という見出しが堂々と車内を飾ってるのを見て、さすがにあれはあかんやろ、と思いましたです。

※作品写真の掲載等に問題がございましたら、プロフィール欄のメールアドレスまでご一報ください。

|

« こんな時代の広告。 | トップページ | コンピュータ・アソシエイツ(1) »

自作の紹介」カテゴリの記事

コメント

これは!私が学生の時、コピーライター養成講座で教わって、大阪の街で実物を見て、「コピーライターになりたい!」と強く思ったポスターです。じーん。それから6年かけてCWになりました。わあわあわあ、その頃、NIKEとともに、一番好きな広告でした。

投稿: | 2009年4月25日 (土) 14:45

それはそれは。
宣伝会議の養成講座ということなので、狐塚さんの教室かな。東京教室では、ピンチヒッターで何度か壇上に立ったこともあり当時のことを思い出しました。
これをつくってからから、もうずいぶん時間が経ちました。
同じ広告人どうし、がんばって広告を盛り上げていきましょう。

投稿: mb101bold | 2009年4月25日 (土) 16:18

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: コロナビール:

» コロナビール・ライム・とうころこし・チキンカツカレー [庄内グルメモリアル♪]
最近、ビールシリーズになるつつあるが、コロナビール(Corona Extra)は、教科書どおり、ライムを差してラッパ飲み~記憶は定かではないが、「ライムがなければ、コロナは飲むな。」というキャッチコピーで、宣伝されていた時期が、2000年頃だそうな…。メキシコのライト... [続きを読む]

受信: 2012年7月 2日 (月) 20:59

« こんな時代の広告。 | トップページ | コンピュータ・アソシエイツ(1) »