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2007年7月 1日 (日)

どうする、どうなる、FMラジオ。

TOKYO FMの『松本人志の放送室』をいま聞いているんですが、まるでAMですね。以前に書いた『ぬかるみの世界』の雰囲気は、この番組に近いです。パーソナリティも芸人と放送作家ですし。違うのは、放送作家が芸人と同じ年であるというところです。だから、『放送室』は『ぬかるみ』に比べると緊張感とかが少しないかな。松本人志は、笑福亭鶴瓶とは違う才能の持ち主なので、こういう組み合わせがいいのでしょうね。

松本人志という人は、私はすごい才能の持ち主だと思いますが、彼も鶴瓶世代なので、鶴瓶のエピゴーネン的な番組をところどころでやっています。たぶん、あの世代の関西の芸人は、反発であれ賛同であれ、なんらかのカタチで鶴瓶に影響はされると思います。私の業界なら、仲畑貴志、糸井重里、秋山晶の影響を何らかのカタチで受けているように。

『ぬかるみ』に対して『放送室』とか、『パペポ』に対して『ガキの使い』のオープニングトークとか『松本紳助』とか、鶴瓶の影響が感じます。本人は否定しそうですが。でも松本人志らしいな、と思うのは『すべらない話』とか『ガキの使い』の企画の部分とか、ああいう企画性のあるものだと、私は思います。もう一度、『ごっつ』の頃みたいな作り込まれたコント見てみたいです。でも、それをテレビが受け入れなくなった、と松本が言ってましたね。それが松本人志が今回映画を撮った動機だろうと思います。

私の世代(昭和42年生まれ)にとってのFMは、音楽のエアチェックの素材でした。エアチェックという言葉、もう若い人は知らないかも。いまのCDはアナログレコードだった時代、みんなFMで流れてくる新曲をカセットテープに録音していたんですね。どの番組でどういう曲が流れるかは、『FM FAN』とかいくつか雑誌があって、それで知るんです。付録でわざわざアーチスト名とアルバムの入ったカセットケースの中の紙を着けてくれたりしてました。

その頃は、レンタルCDなんてなかったし、お金のない中高生は、エアチェックでお気に入りのアーチストの最新曲を手に入れてたんです。そのカセットを聴き込んで、本当に気に入ったものだけレコード屋さんでレコードを買う。そんな感じです。

AMのようなFMの番組は多いみたいですね。バナナマンの番組もタクシーの中で聞いたことがあります。ネットでかなり音質の高い曲をダウンロードできるようになって、FMの持っている音質でのアドバンテージが薄くなってきて、FMの本質である「高音質」がそれほど世の中で価値のあるものでなくなってきたのが、FMのAM化の原因だと思います。

広告的には、FMラジオというのは、今や完全に、クルマを利用する人にセグメントされたメディアという感じになっています。それと、FMを流しっぱにする、おしゃれな職場で働く人とか。でも、これもあやういですね。クルマは、今、カーオーディオとか、iPodとかに浸食されてるし。音楽をひたすら放送するネットのストリーム放送とかもありますし。

FMラジオ的な番組で思い出すのは、『ジェットストリーム』とか『渡辺貞夫のマイディアライフ』とか、ああいう音楽を中心としながらも、番組自体がひとつの作品としてあるようなものです。たぶん、これからFMラジオがそのメディア特性を活かせるとすれば、原点回帰ですが、その方向しかないと思います。FMは、リッチメディアなんです。お金ではなく、企画という意味で。

あとは、東京ではむずかしいかもしれませんが、AMと同じく地域密着です。ただ違うところは、そのキーコンテンツが音楽である点です。在阪FM局のヘビーローテーションから、当時無名だったaikoや押尾コータローが全国区になりましたよね。無名の曲をヘビーローテーションにした編成やプロデューサーのような、音楽愛のある人たちの努力が、日本の音楽シーンを静かに支えているのです。私は、大阪の名物野外コンサート『春一番』に毎年行くんですが、そのことは本当に思います。マーケティングだけじゃ、だめだと思います。広告屋が言うなって、感じですが。

NHKラジオの『ラジオ深夜便』が人気を回復しているそうですね。タクシーは、ほとんどこの番組が流れています。レーティングと関係がないゆえに、こういう番組が成り立つんでしょうが、すごくFMラジオ的(AMでも流れてますが)だと思います。

私は、ネットと放送の融合とか、テレビ、ラジオなんて旧メディアだとか、なんか威勢がよくていいですが、どちらかというと、そんな時代だからこそ、それぞれのメディアがそれぞれの特性を生かし切るために何かができるチャンスだと考えるんですね。私みたいな普通の人間がブログでこういうことを気軽に書ける時代だからこそ、テレビ、ラジオ、それに、出版や新聞という従来のメディアが、それに、私がやっている広告も、もう一度、浮き足経たずに、地に足つけて考える必要があるんじゃないだろうか、そんなふうに考えるのです。

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