ストリート生まれのシューズです。
写真は雑誌広告ですが、これは30秒CMもつくりました。勘のいい人は、どんなCMかおわかりでしょう。カメラは定点で、アスファルトの表面を写し続ける。そこに如雨露(ジョーロってこんな漢字書くんだ)かなにかで水をかける。すると、アルファルトが盛り上がり、ひび割れ、シューズが生えてくる。そして、画面がブラックアウトして、センターに白いタイポで「Born from Street.」。それだけです。
シューズのコンセプトは、ストリート生まれのシューズ。kissmarkはX系ブランドなので、当たり前といえば当たり前ですよね。じゃあ、それをメッセージしようぜ、ということでこうなりました。ストリート生まれだったらさあ、ストリートから生まれりゃいいじゃん!シューズが生えてきたら、よくねえ?かっこよくねえ?いけてねえ?いけてるっしょ。むしろ、いけるっしょ。オレたち、天才じゃねえ、ジーニアスじゃねえ、みたいな。もちろん、そんなミーティングもプレゼンもしてませんけれどね。実際は、いたって真面目につくりました。
撮影は、CMはセットをつくりました。ベニヤ板の真ん中に丸い穴をあけて、アスファルトをそこに薄くひいて、その下にはシューズがセットしてあって、それがピアノ線で遠隔操作できるようにしてあって。で、演出が「イチッ!」というと、1番の釣り用のリールをアシスタントが巻いて、「ニッ!」というと、2番のリールを巻くといった人力方法。人力だから、間違えるアシスタントもいるし、シューズがコテッてこけたりね。その約20秒のカットを撮るために、セットの設営にかかる時間が約2時間。それを結局10カット撮ったのかな。朝から深夜までかかりました。
ちなみに、Born from Street.というナレーションは、日本語英語っぽく、しかも体温が低めにしたかったのですが、kissmarkの部分は英語っぽく発音するので、英語がネイティブで話せるナレーターさんをに頼んでたんですが、どうしても「ボーンフロムストリート」みたいな感じにいかなかったので、後で私がやりました。あのときのナレーターさん、ごめんなさい。
という私、他にも公共の電波でナレーターをやってまして。ダイキンさんのラジオCMで、涼しげな音とか、じめじめした音とかを、音効でつくってみる企画だったんですが、落ちが、「では、心地のいい空気の音は?」というもので、その音が「いびき」なんですね。その録音は、別のラジオCMも録っていてナレーターさんがたくさんいたのですが、そのひとりひとりに「いびき」をやってもらったんですね。すると、私のイメージする気持ちのいい「いびき」とどうも違うのです。
どうしても「グーグー」っていう声なんですね。「いびき」はじつは鼻や口から声として音が出ているのではなく、鼻から吸い込んだ空気が鼻腔で響く音なんです。だから、鼻腔が振動している音を出さないといけないんです。で、私が、違うんですよね、こうなんです、もうちょっと鼻の奥の空間をふるわせるように、とやっていると、ナレーターさんに、それ、録音してみません、ということで。
ちょっと話が別の方向に行ってしまいましたが、グラフィックは、アートディレクターが知り合いのアスファルト屋さんからアスファルトの破片をたくさんもらってきて、お台場のはずれで屋外の自然光で撮影しました。早朝に、ドリフトやってるとこですね。これがまた大変でしたね。晴れ待ちというのはよくありますが、この場合は、曇り待ちなんですよね。炎天下で、太陽が雲に隠れるのを、2時間3時間と待ちました。
映像が用意できたらアップしますが、このシューズのCMの他にも、Tシャツ篇もつくりました。このTシャツ篇のキャッチは「Born from Sky.」です。今度は、Tシャツが空から降ってくるんですね。
Tシャツを5枚くらい丸めて、空高く投げるんです。そうすると、パラシュートみたいに、Tシャツが開くんですね。それを下からカメラで撮影する。で、前の部分をカットすると、Tシャツが空から降っているようになるんですな。これは、私、カメラを回しました。あえて家庭用ハンディカムで撮って、チープな空気感を出したかったんですよね。まあ、普通のCMではお奨めしませんが、ハンディカムで撮影すると、なかなかいい味が出るもんですよ。
これは、朝の4時に渋谷に集合して、渋谷、裏原宿、代々木公園、江ノ島、羽田とまわりました。寝転がって撮影するから、体中砂だらけになりました。海外ロケや大がかりなスタジオセットの特撮もいいけど、こういう手作りな感じもいいもんですよ。まあ、普通のCMではお奨めしませんがね。
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