「じゃがポックル」と口コミ。
札幌のお土産に「じゃがポックル」というジャガイモのお菓子があるそうです。連日売り切れで、幻のお土産になっているらしい。食べたことないけど、ジャガイモ感がしっかりあって美味とのこと。カルビーが作ってて、最初の1年くらいはまったく売れなかったそうです。
それが口コミで広がって、いまでは超人気。広告費なんてほとんど使ってないでしょう。こういう商品はけっこうありますね。「ブログのことなど」でも触れましたが、ブログなんてのもそうなんでしょう。ニフティのココログが火付け役ということにはなってますが、まあ、それはそういうことにしとくとして、ブログの大キャンペーンをやったわけでもないでしょうし。googleもそうだし。セカンドライフも、mixiもそうですね。
その一方で、CM大量投下を必要とする商品もあって。私はなぜか今までガムを担当することが多くて、これまで3社、4ブランドを担当してきました。なぜCMが必要なのかというと、コンビニのPOSシステムなんですね。売上げ推移がタイムリーに出るわけです。コンビニはタイムリーな売上げで棚の入れ替えをしていく回転の速い商売なので、売上げの瞬間風速が必要なのです。それがないとすぐに「棚落ち」するんです。棚から商品がなくなるんですね。
ビールや発泡酒なんかもそう。口コミを待ってたら、商品の存在を維持できないんですね。だから、一気にノイズを増やす必要がある。ブランディングでさえ難しい感じが、現場にはあります。いま、口コミタイプの商品と、商品サイクルが時間単位のマスプロダクトの2極化しているような気がしますね。
広告業界もそのことを見逃すわけもなく、口コミマーケティングやらウェブやらBuzz(ミツバチのブーンという音のことで、噂のざわざわを英語ではそう言うとのこと)やらホリスティックコミュニケーションやらが叫ばれてて、いろいろ策を打ってますが。このところあまりなくなりましたが、アルファブロガーさんたちにエントリーを書いてもらってBuzzを起こすなんてこと、やったり。自民党や民主党がアルファブロガーを呼んで会合を持ったりしてましたね。なんだかねえ。
続きはウェブで、というCMも多いですよね。コミュニケーションを立体的にしようというわけです。でも、ちょっとしんどくないですか。口コミまでコントロールしようという奴らがいるっていう感覚、なんかやじゃないですか。私はなんかやな感じがします。
「じゃがポックル」が口コミで売れたのは、要は、そのおいしさを信じて、きっと受け入れられると思って、売れなくてもじっくり待った会社と人があったってことでしょ。そういう結論でいいじゃないですか。口コミって結果であって、目的じゃないよね。「信じる」という部分をかっ飛ばして、口コミやらBuzzやらを利用しようなんて、なんかうんざりですね。ましてや個人のブログまでコントロールしようだなんてね、ほんとにねえ、神じゃないんだからさ。
7月16日追記:
@niftyから来られたみなさまへ。なんか期待はずれですみません。
アクセス御礼とお詫びの記事(参照)を書きました。今後とも当ブログをよろしくです。
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コメント
期待はずれなんてこと、ないですよー
何気なく、いろいろな方のブログを拝見していると、自分の知らなかった世界を垣間見ることができて、とても興味深いし、勉強になります~!
コンビニのPOSシステムのお話とか、口コミと広告のお話など、「へぇー、そうなんだー」と思いましたもの。
ありがとうございました☆
投稿: 気持ちはいつも青春! | 2007年7月17日 (火) 17:29
ありがとうございます。恐縮です。励みになりました。これからも、よろしくです。
投稿: mb101bold | 2007年7月19日 (木) 01:36
マイドです。
今ここの古い記事を読んでるのでこんな古い記事にコメントですいません。
近頃本屋で初心者向け広告の本とか読むんですけど、だいたいどれにも「口コミ」に関して1ページ・1テーマ取り扱ってるんです。
どうもインターネット広告の躍進→ブログ・SNS→口コミって流れが多いように感じます。
テレビ好きな僕としてはネット広告万歳ってだけでなんだかなぁなのに今口コミが熱いなんて言われてもさらになんだかなぁって感じです。
今はブログやSNSでの口コミ(buzz)市場も大きくなってきている、確かに事実ですしそれを利用したキャンペーンもよく聞きます。
でもマスが効かない、これからは口コミだ。人から直接良い情報を得る、本来の情報伝達手法だなんだってのはどうも疑問です。
ブログやSNSで書かれていたことを信用する?企業がうつ広告よりも個人が書いた記事のほうがウソもない?
これは情報過多化社会を生きている現代人の天然な反発現象ではないでしょうか?
そんなことを書いた本か記事、管理人さん知りませんか?
投稿: jim | 2009年8月26日 (水) 09:52
ま、観測範囲を広げればあるかもですね。最近では「ウェブは馬鹿と暇人のもの」という新書がそれにあたるかな。著者の方は口悪く書いているけど、まあ、ある意味では真理であるとも言えそうです。
そういう環境の中で、どう行動するかは人による、という感じもします。
投稿: mb101bold | 2009年8月26日 (水) 23:32