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2007年7月19日 (木)

それは、ずるいよ。

って思うもの。『カントリーロード』試聴という歌。原曲ではなくて、ジブリ映画の『耳をすませば』の主題歌に使われた日本語訳のバージョンです。原曲の題名は『Take me home Country Road』というものだそうです。日本語訳は鈴木麻美子さんです。

あの曲を聴くと、条件反射のように鼻の奥がツーンとしてきて、例えば、仕事の打ち合わせを得意先としているとしても、目がうるうると潤んできて、相手の目が見られなくなってしまって「どうしたんですか?」と言われてもお構いなしに、なんかやぶれかぶれな感じになってきて。あの凛とした美しい声で、こんな歌詞を歌うんですよね。

カントリー・ロード
この道 故郷へ続いても
僕は 行かないさ
行けない カントリー・ロード

カントリー・ロード
明日は いつもの僕さ
帰りたい 帰れない
さよなら カントリー・ロード

それは、ずるいよ。泣きそうになるじゃないですか。それと、『椰子の実』という島崎藤村作詞、大中寅二作曲の歌がありますよね。あれも、だめです。「故郷の岸を離れて汝はそも波に幾月」の変拍子のメロディがありますよね。もう、あの部分のメロディを頭の中で想像するだけで、やばいです。

名も知らぬ 遠き島より
流れ寄る 椰子の実一つ

故郷の岸を 離れて
汝はそも 波に幾月

旧の木は 生いや茂れる
枝はなお 影をやなせる

われもまた 渚を枕
孤身の 浮寝の旅ぞ

実をとりて 胸にあつれば
新なり 流離の憂

海の日の 沈むを見れば
激り落つ 異郷の涙

思いやる 八重の汐々
いずれの日にか 国に帰らん

こうしてあらためて詞を読んでみると、いい詞ですね。あとね、宮沢和史の『中央線』。私は、矢野顕子がカバーしているバージョンに弱いです。みなさんご存知だと思いますので、多くは語りませんが、三鷹を過ぎたあたりから、街がちょっと寂しくなっていくじゃないですか。夜に、家の灯がポツポツと光ってる、夜のあの風景が頭の中に浮かんで。ずるい曲ですよねえ。あとアッコちゃんでは『ごはんができたよ』。2番の「寂しかったんだ今日も、悲しかったんだ今日も、ちょっぴり笑ったけど、それがなんになるのさ」っていうのがね、駄目です。我慢できません。

あとは、ちょっとベタだけど、太田裕美の『木綿のハンカチーフ』。悲しいですよね。漫画では少女漫画の『綿の国星』です。もうね、設定がずるいです。ずるすぎます。だって、自分のことを人間だと思って猫が、飼い主に恋をするんですよ。それと『うる星やつら』。ラムちゃんが、電信柱の先にすわって、寂しそうにあたるを見つめてるシーン。私は『うる星やつら』はあまり読んだことがないのですが、あの絵は、前後のストーリーを知らないにもかかわらず、見ているだけで泣きそうになります。

なんでしょうね、こういう感じ。自分のことだけに分析はしないですが、なんか法則性がありそうですね。あと大林宣彦の『さびしんぼう』。参照富田靖子扮するさびしんぼうが、雨に打たれながら尾美としのりを待っているシーン。なんか書いているだけで泣きそうになってきた。

あの映画は、高校時代に、男友達に試写会の券を2枚持ってるけど、恥ずかしいからついてきてくれと言われて、いやいやついていったんですよね。どうせ、アイドル映画だろ、なんて言いながら。で上映が終わったら、泣いているのは私だけで。それにしても、富田靖子、かわいかったなあ。なんか調子に乗って「やってみるけん 富田靖子コンサート」見にいきましたもん。トミヤッコっていうニックネームだったんですよね。『アイコ16歳』参照もよかったですね。でも、あの映画を撮った今関監督は、あんなことなっちゃてねえ。そのままじゃないですか、今関さん。あれは、よくないですよ。

私の場合、「それは、ずるいよ。」は、こんな感じですが、きっと人それぞれなんでしょうね。

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