掃除機の新しい考え方。ルンバ
久しぶりの自作の紹介の更新です。 ご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、いわゆるロボット掃除機ですね。Roomba(ルンバ)っていいます。で、左の写真、これ、製品の説明のための写真ではなく、パンフレットの表紙です。ヨドバシとかビッグカメラに行くかたは、もしかしたら手にした人もいるかも。正方形のパンフです。
このルンバっていう掃除機、アメリカでは結構売れているのですが、日本ではあまりよくありませんでした。まあ、いかにもアメリカ人が好きそうな感じがしますよね。で、日本でどういう受け止められ方をしていたかというと、要するに 「ロボット」なんです。「おっ、見て、見て!動く、動く!」みたいな感じです。自動で動くことがいちばんの価値で、お掃除性能はあまり期待しない、と。オモチャの流通ルートに乗せられてたこともありました。
このプロジェクトでは、まずは「ルンバ」を掃除機に戻してあげないといけないな、と思いました。そこで、「ルンバ」を定義するコピーをつくりました。新しいルンバのスローガンですね。それは、こういうコピーです。
「掃除機の新しい考え方。ルンバ」
要するに、掃除機であるんだということです。 ターゲットは、いままでのデジタル家電や面白グッズ好きの人たちではなく、お掃除にこだわりのある人です。左の写真は、パンフの裏表紙なのですが、こういう精密なメカニズムはすべてより完璧なお掃除のためにあるのだというメッセージにしていこうと考えました。そこで重要になってくるのが、考え方なんですね。
一般の掃除機の場合、より完璧なお掃除のために必要なものって、パワーなんですね。ほとんどの掃除機がパワーをうたっています。それに対して、ルンバが提示する新しい考え方は、掃除は時間と回数である、ということなんです。
その理想のお掃除の必要条件である時間と回数を実現するためのロボットテクノロジーである、というコンテクストに変えていきたい。そのためには、やはり広告は必要なのです。広告をやる必然があるのですね。
前述のパンフには、その考え方をたっぷり語りました。キャッチコピーをご紹介しますと、
唯一の欠点。それは、あなたからお掃除の楽しさを奪ってしまうことかもしれません。
時間をかけて丹念に。それは、お掃除のプロの方法にきわめて近い。
売れているのはロボットだからではありません。きれいになるからです。
などなど、一貫して「新しい考え方」をコミュニケーションしていきました。もちろん、テレビショッピングにおいても語り口は違いますが、そのコンテクストは同じです。ある事情があって、立ち上げ1年でこの仕事を去ることになりましたが、やはり、ここまで徹底してやれば結果は出るということが実証できた仕事になりました。
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