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2007年9月15日 (土)

25時間目の言葉。

 少し前に書いた『ブログのさみしさ。』(参照)は、私のしがないブログの中ではたくさんの人に読んでいただけたようで、本当に感謝です。ありがとうござます。さみしいブログを書いている本人としては、すこしばかりさみしさが癒されるみたいな気持ちになりました。

 ちょっとどうでもいい話になりますが、ここ数日、なんの変化があったのか、急激にアクセスが増えてきまして、びっくりしています。こういうアクセスの話、管理人にしかわからない話なので、別に言わなくてもいいのでしょうが、だからといって、アクセスが増えてうれしいのにそれがなかったかのように、その変化を隠して平常心で書くのもなんだと思うし、そうなったら本当の意味での平常心ではないしね。

 日本人って謙遜が好きですが、私は謙遜というのは、その瞬間のコミュニケーションを円滑にする以外は何の意味もないと思う人間なので、アクセスが増えた、うれしいなあ、というのは素直に書いていこうと思いました。こういうこと書けるのは、ブログ初心者の特権だしね。まあ、読んでいる方には関係ない話かもしれないですが。

 でも、いろいろなブログを読んでいると、一時的にこういうことはよくあるとのことで、なるほどなあと思ったりしました。実際、徐々にアクセスは下がって、普段通りに下がって来つつあります。それはそれで、なんだかなあ。まあ、アクセスに関わらず、ときにははしゃいだり、落ち込んだりしながら、こつこつ書いていきたいと思っています。

 仕事柄、ネットとかのデータはよく目にする立場にあるのですが、こうして実際やってみると、それが身を持ってリアルにわかるというか、一般に広告屋たちが言うネットの概要とはまったく違うこともあって、やっぱり机上の理論というのは弱いなあと実感しています。

 吉本隆明さんの言葉に「25時間目」というのがあります。なんでも一人前になりたいと思ったら、10年間はやり続けたら、才能があろうがなかろうが、それなりのものになるんだよ、日常のいろいろが終わった自分だけの時間を1時間だけ持って10年間やり続けなさいよ、という話で、その日常以外の自分の時間を、吉本さんは「25時間目」と呼んでいました。よく考えると早稲田予備校と同じような感じですね。どっちが先なんでしょうね。吉本さんが先なんでしょうが、逆だったら、なんか微笑ましいんだけど、やっぱり初出を考えると吉本さんが先なんだろうなあ。

 私は、この言葉、ブログだけじゃなく仕事でも何でも、なるほどそうだなあと思います。ただ、あの『ブログのさみしさ。』を書いてから、この「25時間目」という言葉が、自分の中で別の意味を持ち始めてきています。「25時間目」というのは、仕事やら学校やら遊びやら子育てやらデートやら、そんな日常の時間にはまりきらない自分というのが人にはどうしてもあって、その自分だけの孤独な時間を彼は「25時間目」と言ってるんじゃないかな、なんて思ってきています。無理矢理作るだぐいのものではなくて。

 その「25時間目」の受け皿は、人によってはブログだったりするんでしょうね。あのあと、そんなブログの言葉を探していて、素晴らしい文章とも出会ったりもしました。『真性引き篭もり』hankakueisuuさんの「足跡依存症から抜け出した僕は、一生mixiなんてしないと堅く心に誓ったのでした。」(参照)でした。正直、同じ書き手として、ちょっと嫉妬心が先に出てしまうくらいです。なんとか否定していまい、といった邪悪な心が出るくらいいい文章です。

 「真性引き篭もり」というブログタイトルも、ブログというツールの本質をつかみきっているような気がします。要するに、ブログの本質は「25時間目」なのだなあと思わされました。それは、リアルとバーチャルの二項対立のバーチャル優位とか、リア充とかいうこととはまた別の、「25時間目の言葉」の本質なのだなあ、と思います。私は「25時間目の言葉」を書いていく、という強い決意なんじゃないのかなあ、なんて。(hankakueisuuさん、想像で勝手なこと言ってすみませんです。)

 誤解はされたくないので言いますが、私は、mixiとの比較でブログの優位論を書こうとしてるわけじゃなく、mixiのような空間の中にも、気心がある程度しれた限られた人に向けられた素晴らしい言葉があって、それはブログにはない価値であると思います。それを実証するのは可能なのですが、mixiは、本質的に、無制限のネット空間への公開を意図していないと思いますので、紹介とリンクはやめておきますが。

 それと、こういう紹介の仕方をするとhankakueisuuさんがmixi否定論者だと思われる可能性もあると思いますので、書いておきますが、あの前のエントリー、誰も僕をmixiに招待してくれない、なんてお茶目なことを書かれていて、その展開の物語ですので、そういう誤解はなされないようにお願いしますです。ブログがいいとか、mixiがいいとか、そういう話とは違いますので。ブロガーという言葉に意味を見いだす人にとっては、mixiのあったか感、本当にうらやましいですものねえ。

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