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2007年9月10日 (月)

ブログのさみしさ。

 2ちゃんねるのような掲示板とかmixiのようなSNSと比べると、圧倒的にブログはさみしい感じがするんですね。なんでだろうな、と考えると、やはりツールの機能から来るものがあるのでしょうね。基本的に、ブログはパーソナルなツールですよね。自前でやってる人なら持ち家、私みたいな@niftyのココログを借りている人は借家ですが、自宅には変わりがないわけで。その点、2ちゃんねるもmixiもコミュニティーですよね。パソコン通信の頃は、ニフティフォーラムなんかもありました。

 ココログでもフォーラムみたいなコミュニティ感を出すように、@niftyさん、一生懸命やっているようですが、ココログで書いている人は、ほとんどココログで書いているというこだわりはないんじゃないかな。gooであろうと、livedoorであろうと、あんまり関係ないというか。でも、なんとなく「はてな」はちょっと違うかもしれません。あそこは、個がつながる機能がいろいろあるし、「はてな」村という言葉も聞いたことがあります。まだ私は、「はてな」のことはよくわかっていないところがあるのですが。

 mixiなんかは、mixiに入るという感じで、2ちゃんねるに至っては「住人」という言葉もありますよね。みんなが住む場所、それは「寮」とか「下宿」みたいな感じでしょうか。だけど、基本、ブログは自宅の書斎という感じ。書くときも、私の場合なんかだと、PCはオフライン。仕事をしたり、飲みに行ったり、パチスロ打ったり、本を読んだり、音楽を聴いたり、そんな日常のあと、吉本隆明さんの言葉を借りれば「25時間目」に書く、みたいな感じでブログのエントリーを書いています。

 その「25時間目」に書く言葉を誰に伝えたいのか、というと、これは「不特定多数」としか言いようがない人たちに対してなんですね。実名匿名論争がらみのエントリーでも、何度か言ったことがありますが、この「不特定多数」というところがSNSにはないブログの魅力でもあって、だから、芸能人なんかもブログを始めるのですよね。

 この「個人」が「不特定多数」に言葉を伝える、というのがブログのさみしさの原因でもあって、そのさみしさが魅力であるんだろうなと思うんですよね。1日160万PVもある『しょこたんブログ』だって、そこに中川翔子さんとファンがつながりあうという感じではありませんよね。私のようなおっさんから見たら、あのブログに中川さんの孤独みたいなもの感じるし。あの人は、きっと頭のいい人でしょうから、ああいう「しょこたん語」とかブログのコスプレとか、そういう全部が、自分の孤独に打ち勝つための自己表現のような気がするんですね。なんかうまく言えないけど。

 顔も知らない人のブログでも、読んでると、優秀さ、未熟さを含めて、その人自身が見えてしまうのがブログなんですよね。そういう意味では、私もそう見えている可能性もあるけどね。で、そんな中で、継続的に読んでいるブログが突然更新がなくなったり、休止したりすると、読んでるこっちがなんか心配になったりして。だからといって、コメントとかしないですけど。PCの向こう側から、日常生活で楽しくやってくれているのを密かに祈るくらいしかしませんけど。

 毎日、何億もの言葉がブログを通してネットをただよって、これだけブログが普及してしまったいま、その消費スピードは強烈なものがあるし、その中には誰にも読まれない言葉もあるだろうし、届かない孤独もあるでしょうけど、とりあえずは、そんなさみしさと引き換えに、ひとつの孤独を不特定多数にとりあえず届けることができるかもしれない可能性を手に入れたんだろうな、と思うのですね。『ウェブ進化論』の梅田さんのように、それをポジティブな言葉だけでは語れない自分がいるけれども、私たちの孤独が手に入れた可能性は、そのさみしさも含めて、きっと、いいものであるのだろう、とは思うんですよね。

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コメント

はじめまして。
一昨日あたりからこちらのブログ拝見させていただいています。
ただの主婦でブログを書き始めたところなんですが、ふと最近ブログって何なんだろう?何のためにこんなにたくさんの人がかいてるんだろう?
ブログって、井戸の中に言葉を投げ込んでるようなもんなのになぁ、とか思って少しいやになっていたところ、ここにたどりついてなんだか励まされました。
もともと淋しいものなんだから、その孤独を楽しめばいいんだなぁ、と。
他の記事も興味深く読ませていただいています。ぼつぼつですが。

なんか、ありがとうございましたって言いたかっただけなんですけど。長くなってしまいました。
それでは。

投稿: ira | 2008年10月 5日 (日) 23:05

iraさん、はじめまして。
このエントリを書いたのは、ブログをはじめて3ヶ月目くらいでした。あれから1年経って、今もその気持ちは変わらないなあ、と私も読み直してみて思いました。
なんかブログって、特に日本ではそうなんでしょうけど、個人の誰に向けたでもないつぶやきでつながる感じがあって、その日常でもあまりない静かにつながる感じが私には合っているように思います。
はじめられたブログを、どうか長く続けられますよう、無理せず、自然に、気の向くままにがいいと思います。
今後ともよろしくお願いします。

投稿: mb101bold | 2008年10月 5日 (日) 23:39

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2ちゃんねるのような掲示板とかmixiのようなSNSと比べると、圧倒的にブログはさみしい感じがするんですね。なんでだろうな、と考えると、やはりツールの機能から来るものがあるのでしょうね。 ある広告人の告白(ある... [続きを読む]

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» ブログのさびしさ [即席の足跡《CURIO DAYS》]
ブログ開設4周年の記事の中でもご紹介したある広告人の告白(あるいは愚痴かもね)というブログ。 前回たかがブログじゃないですか。という記事をご紹介しましたが、今日はブログのさみしさ。という記事。 とても興味深いし、4年もブログを書いてきた身としては、共感する部分が多い記事です。 一部引用させてもらいます。 -------------------------------------------------  2ちゃんねるのような掲示板とかmixiのようなSNSと比べると、圧倒的にブログはさみしい感じが... [続きを読む]

受信: 2010年9月21日 (火) 22:20

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