ブログをやる人、ブログをやらない人。(1)
■Web2.0がつくる時代の空気
CGMによって、集合知的なものが生成される世の中になって、当然世の中の空気が変わってくる。だからこそ、いままで有効だった「表現」が意味をなさなくなって、そういう空気の中で「リアル」な「表現」はどのようなものだろう、というものが当ブログ管理人の広告的な主題ではあるのですが、これは、今言われているWeb2.0という潮流の中にある部分沿った形に論考ではあるわけですね。
Web2.0というのは、私の大ざっぱな理解で言えば、梅田望夫さんが『ウェブ進化論』で書いているような内容で、チープ革命とか、ロングテールとか、フラット化とか、そんな言葉で語られる、新しいウェブ環境のことで、googleとか、amazonとか、YouTubeとか、はてなとか、そういうサービスが出てきたことで生まれた環境のことです。
例えば、当ブログがウェブ環境で認知されるに至るには、これまでだと、Yahoo!JAPANの広告カテゴリーやらに登録したり、登録されたりする必要がありました。しかし、googleという単語中心の検索で、ページランクによって上位下位が決まる仕組みの検索システムができたおかげで(また、スパムをフィルタリングする仕組みで)、アクセスの多い少ないはともかく、とりあえずは容易に認知されるようになりました。また、ブログという、エントリー単位でURLが発行される仕組みもそれに貢献しています。
■私の小さなWeb2.0体験
ここで面白いなあと思うのは、当ブログの認知みたいなことで言えば、私は、ブログをやり始めたときは、当然タイトルにもあるように、「広告人」というカテゴリーでまずは認知されるだろうな、と思っていたのですね。想定は、広告クリエーター、マーケッター、広告代理店、広告制作会社という人たちがまず読んでくれるのだろうなと思っていました。書く内容は、興味のあることを節操なく書いていこう(つまりマーケティングはしないつもり)でしたが、少なくともタイトルどうりの認知が出るはずだと思っていました。
しかし、いまほぼ始めて3ヶ月ですが、結果はそうではありませんでした。それほどアクセスが多いとは言えないので、現状の母数で結論を出すのは早いかもしれませんが、徹底的にエントリー単位なわけです。それよりも、極論を言えば、私が広告屋であろうとなかろうと、ほとんど関係がない。エントリー単位で、フラットなわけです。逆に、エントリーの中に外資系、フィーなどがある場合には、普段は少ない広告代理店なんかからのアクセスがあって、そこも面白いですね。
■つまりはウェブということなのかな
ひろゆきさんが『2ちゃんねるはなぜ潰れないのか』の中で、Web2.0はマイナスイオンと同じと書かれていました。なるほど、そういうことを言いたくなる時代の空気もあり、ウェブテクノロジー自体は、かつてとそんなに変わったところもなく進化しているのでしょうから、Web2.0と言われ始めたときに、徹底的な技術的ブレイクスルーはなかったという意味において、Web2.0ってそれほど意味はないよとも言えるのでしょう。
でも、やはり「2ちゃんねる」というサービス自体も、ロングテール的に話題をくみ取るという意味において、先駆け的にWeb2.0だったでしょうし。と言うよりも、ウェブという情報ネットワークシステムの本質は、このWeb2.0的なものであり、それを鋭く体現しているサービスやツールが脚光を浴びる状況にようやくなってきたという理解でいいのかもしれません。
ですから、その本質から見ると、セカンドライフで企業が大規模なエンターテイメントを仕掛けるのがブームになっていますが、それは、リアル空間の延長という意味でのウェブ空間でしかないので、本質は銀座にショールームを建設するのとさして変わりがないと思います。前に開催されていたインパクと同じです。ですから、私は、広告屋としては、セカンドライフはあまり注目していません。その後、Web3.0とか言い出す感じは、それこそ、マイナスイオンと同じで、一儲けしようと思ってやがるな感がなきにしもあらずですが。
■実際はブログをやってる人はそう多くない
で、ここまで書いてきて、なんかタイトルの『ブログをやる人、ブログをやらない人。』という内容とかけ離れていきましたが、前段が以外と長くなってしまいまして、本当は、ウェブを接する人の日常はあるけれど、ウェブとあまり接しない多くの人もいるわけで、例えば、うちの両親などは、ウェブはおろかPCも使わないわけでして、職場のまわりでも、ブログをやっている人はほとんどいないわけですね。隠れブロガーはいるかもしれませんが、印象ではあまりないですね。
一億総表現者とは言うけれど、この先も、ブログをやる人はそんなに多くはならない予感があるんですね。特に、これからは減っていく感じではないでしょうか。けれども、当然、私の広告的な主題であるWeb2.0的な空気は、そういうウェブを使わない人たちも含めているので、そこをどう考えるのかということを次は書いてみたいと思います。もちろん、いま書きたい主張があるわけでもなく、書きながら整理していくという感じではありますが。興味がある方は、次回もお付き合いください。
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