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2007年9月11日 (火)

ここ最近の広告の仕事って。

 あきらかに単価が下がっていると思いませんか。少し前は、写植ひとつ発注するのでも、結構なお金がかかっていましたし、リサイズも台紙に罫を引きなおしたりして、手間もかかっていた分、コストもかかっていました。今は、わりとリサイズも文字直しも簡単にできますよね。そのぶん、こなす数も増えたなあ。ああ、しんど。

 テレビなんかでも、ビデオがよくなったおかげで、コストが随分下がったような気がします。少々のCGなら、編集室でできるし、それよりも何よりも、今どきCGで非現実的な映像をつくっても、誰も驚かないしね。セゾンカードの老人が鉄棒で大車輪をしているCMがありましたが、あのあたりから「リアル」であることが求められるようになってきたのだと思うんですね。本物の老人が、本当に大車輪をやる。そこが今の時代は大事なような気がします。そんな時代だから、逆説的にタレントCMが流行るんですよね。だって、タレントが出ているということは、それ自体が「リアル」なことだから。

 コピーなんかもそうで、これまでのような、いかにも広告コピーだなあというコピーは効かなくなっているような気がします。昔だと、それはそれで「見事だなあ」と、エンターテイメントとしてしっかり機能していたんだろうけど、今は難しいですね。そういう、プロのコピーライターが書きました的なレトリックは、「リアル」じゃないような感じになってきているような。そのコピーを評価するのは業界だけ、みたいな。そんな感じ、しませんか。

 その感じ、やっぱり、同時代的な傾向だな、と思います。「チープ革命」そして、「フラット化」。映像としては、YouTubeの素人投稿映像と1億かけたCM映像は、語弊はあるけど、ある意味で等価なんですよね。その感じは、プロフェッショナルとして長年食ってきた身にとっちゃ、正直つらい。でも、その一方で、どこの誰かも知らない人がつくったチープな映像が、おもろいなあ、と思っている自分もいるわけで。なんだろうなあ、と愚痴っぽくなっているのは、今、会社で仕事をしているから。現在、午前5時。フロアには私ひとりでございます。そろそろ、始発が走るから、帰ります。ではでは。

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コメント

それはプログラミングの現場でもそうですよ。どこの素人かわかんない人が無料でオープンソースやらフリーソフトで凄い作品を発表している。
いっぽうプロは派遣の仕事で買い叩かれて時給1300円という夜勤のバイトでもしてたほうがマシだというレベルにまで落ちていて、それがネット上で広く知られるにつれ、どんどんプログラミングの現場から人が去っている。

投稿: おやじです | 2007年9月13日 (木) 15:47

プログラミングの世界でも、そうですか。
それは、よいことではあるんだ、あるんだ、と思いたい派ではあるんですが、ネットから離れて、いざリアルの現場に戻ってみると、相当にきついものがありますよね。
そういう世界で、それでもなお、プロとはこういうことだよ、みたいな仕事をしていきたいと思うのですが、現実は厳しいですよね。世界は違えど、なんとかふんばっていきたいですね。

投稿: mb101bold | 2007年9月13日 (木) 17:01

初めまして。こんにちわ。

本当に思い当たることばかり。
スピードもどんどん速くなって来てますよね。
いつのまにやら「早い・安い・巧い」が
良い広告屋の必須条件みたくなってますね…。

今の広告って誰が幸せになっているんでしょうか??

投稿: 通りすがりの下っ端D | 2007年9月14日 (金) 01:08

通りすがりの下っ端Dさん、こんばんわ。はじめまして。

なんか、下っ端Dさんって私が言うのはなんですが、ネットの中での呼び方って難しいですね(笑)。それはともかく、ほんとにね、吉野家みたいですね。私も、終電でいま帰ってきたとこです。毎日、すり減りますよね。でも、仕事がないのも辛いし微妙です。

広告、誰かが幸せになってると私は信じたいなあ。じゃなければ、寂しすぎるもの。下っ端CDとしては、なんとかこの状況を変えていきたいなと思っています。下っ端どうしがんばっていきましょう。

投稿: mb101bold | 2007年9月14日 (金) 01:36

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