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2007年9月22日 (土)

『TAKE ME HOME, COUNTRY ROADS』の翻訳をめぐって。

 前に、「なぜ日本人は『カントリーロード』を聴くと切なくなるのか」(参照)というエントリーの中で、ジョンデンバーの『TAKE ME HOME, COUNTRY ROADS』というカントリーソングをわりあい原詩に忠実に訳してみたことがあるのですが、コメントをいただいたり、他のサイトで私の訳が紹介されていて(参照)、ここは違うんじゃないか、というコメントがついていたりしたのを見たりして、少々の論点が整理されてきたので、それをまとめてブログに記しておきたいと思います。

 こういう感じで書くと、ネットで「カントリーロード日本語訳」論争っぽい感じになりますが、論点というのは、私の頭の中の、こうかな、いやこうだよ、という論争の論点で、盛り上がっているのは私ひとり。まあ、それでも読んでやろうという心の広い方は、お付き合いくださいませ。

 しかしまあ、この歌、やさしそうに見えて、なかなか歌詞は難解なんですよねえ。しかも、日本語訳の完全版がなくて、多くはかなりはしょって訳してあったり。まずは、前に私が自力で訳したものを採録してみます。


TAKE ME HOME, COUNTRY ROADS
作詞:B. Danoff, T. Nivert, J. Denver


Almost heaven, West Virginia
Blue Ridge Mountains, Shenandoah River
Life is old there, older than the trees
Younger than the mountains, growin' like a breeze

天国のような ウェストバージニア
ブルーリッジ山  シェナンドー川
木々より長く 山々より若く
そよ風のように 人々は暮らしている

Country roads, take me home
To the place I belon
West Virginia, mountain momma
Take me home, country roads

カントリーロード 僕を連れていってよ
僕が育ったあの場所へ
ウェストバージニアの 母なる山々へ
僕を連れていってよ カントリーロード

All my mem'ries gather' round her
Miner's lady, stranger to blue water
Dark and dusty, painted on the sky
Misty taste the moonshine, teardrop in my eye

思い出すのは あの娘のことばかり
あの青い水をたたえた故郷から いま遠くはなれて
目ににじんだ涙は 大空を暗く塗りこめ
月明かりを かすませる

Country roads, take me home
To the place I belon
West Virginia, mountain momma
Take me home, country roads

カントリーロード 僕を連れていってよ
僕が育ったあの場所へ
ウェストバージニアの 母なる山々へ
僕を連れていってよ カントリーロード

I hear her voice, in the mornin' hour she calls me
The radio reminds me of my home far away
And drivin' down the road I get a feelin'
That I should have been home yesterday, yesterday

その朝 僕には聴こえたんだ あの娘が僕を呼ぶ声が
ラジオから聴こえる音は 僕の心を あの場所まで運んでくれる
はやる気持ちで 車で飛ばしながら 僕は思った
ああ なぜ僕は いままで帰ろうとしなかったんだろう

Country roads, take me home
To the place I belon
West Virginia, mountain momma
Take me home, country roads

カントリーロード 僕を連れていってよ
僕が育ったあの場所へ
ウェストバージニアの 母なる山々へ
僕を連れていってよ カントリーロード

 

 この英語の詩で重要なのは、West Virginia, mountain mommaとあるように、コメントをいただいたMackieさんのご指摘どおり、ウェストバージニアが女性名詞やladyで表現されていて、私が思うに(というかほぼ正解だと思うのですが)それが故郷に残した恋人とダブルミーニングで描かれているということ、あるいは、喩えられているということ。で、私は、ポピュラーソングであることと、エントリーの主題が「切なくなる」という感情だったこともあって、基本的にダブルミーニングの一方である恋人への気持ちを第一義に日本語訳をしました。

 それと、他のサイト(参照)で指摘されていたMiner's lady, stranger to blue waterの日本語訳の件は、私はblue waterをシェナンドー川のことと考えたので、strangerというのは「僕」と解釈したんですね。Mackieさんも書かれてたようにblue waterが海のことだとすると、strangerMiner's ladyであり、私の訳は誤訳ということになりそうですね。ただ、「All my memories gather round her Miner's lady,」で一度切れて、 「stranger to blue water / Dark and dusty, painted on the sky Misty taste the moonshine, teardrop in my eye」というふうになるような感じに聴こえるんですが、やっぱり違うのかなあ。

 それと、Mackieさんのコメントで私自身、えっ、そうなんだ、と思ったのが、moonshineが密造酒であるということです。このことは、先のサイトでも触れられていないことで、そのためかそうか、バーの店名に「moonshine」が多いのはそのせいなんだ、と思いました。でも、やはりひとつの疑問として消えないのは、やはりただ単に、「思い出すのは、海のない鉱山の故郷のことばかり。あの暗く汚い故郷の空よ。密造酒(地酒)のあの味よ。ああ、目に涙があふれてくる。」という訳(これがMackieさんのコメントで分かった正解の訳だと思います)が、故郷と遠くは離れて暮らす男の生活と重なって聴こえるような気がどうしてもするのです。もしかすると、それこそが、身をもって「なぜ日本人は『カントリーロード』を聴くと切なくなるのか」を実証しているのかもしれませんが。

 可能性のひとつとしては、単に英語の慣用として、故郷を女性に喩えるというくらいの意味しかなく、本当に、淡々と故郷に帰りたいということだけを歌っているのかもしれませんが、やはりポピュラーソングですし、恋人への思いや、男の境遇も重ねて歌っていると思うんですが、本当のところはどうなんでしょう。どなたか、知りませんか。

追記:検索エンジンから来られたみなさま。コメント欄にて、様々な解釈をいただきました。そちらもぜひご覧ください。

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音楽の話」カテゴリの記事

コメント

男は都会に出て仕事に疲れている
若いころ、多分、故郷の炭鉱町に嫌気が差して、その町を捨て、大学を出てその日まで精一杯働き尽くめの日々を送ってきたのだろう
しかし、仕事をしくじったか、家族を失ったか、とにかく長い苦労が水の泡になり、挫折感にさいなまれている

そんなとき、感謝祭かクリスマスかわからないが、ある朝、母から電話がかかる
何年も彼は故郷に帰っていない
薄汚い炭鉱町の両親の家を、恥ずかしくも思い、バカにもしてきた
一緒になった妻は裕福な家の出で、恥ずかしくて自分の親をあわせてもいなかった
その妻も、今では子供をつれて出てしまっている

母がかけて来た電話の向こうに
地元のラジオ局の番組が流れている
中学、高校とよく聞いた朝の番組
同じテーマソング
ああ、もう、いても立ってもいられない

車に飛び乗り、故郷へ向けて走り始めた
車を飛ばしながら思い出すのは母のことばかり
鉱夫の娘で、山育ちのために海を見たことがない
車を飛ばし続けてもう日が暮れたが、故郷はまだはるか先だ
暗闇に月が出る
母はよくどぶろくを作っていた
こっそり飲んでよっぱらって怒られたっけ

今ようやく気づいた
あの田舎の故郷の生活
あれこそが永久に人々が送り続けてきた真実の営みなのだ
そして、そこにこそ、自分はいるべきなんだ

コメント
Coal Minor's Daughterという映画がありますね。あれを見て、この歌の意味がピンときました。
高校のころ、英語の授業で、先生がアメリカに旅行をしたときに、海岸で、アメリカ人なのにそのアメリカの海岸でキャーキャー騒いでいるおばさんたちがいるので、どうしてかと聞いてみたら、海を初めて見るんだと言う。アメリカはつくづく広いと思ったと言った言葉がパーッとひらめいて、あとはするするこの歌のイメージが広がりました。

この解釈があたっているかどうか。ジョンはすでにこの世にいません。

投稿: | 2009年2月 8日 (日) 20:58

ちなみに、ジョンはこの曲を書いたとき、ウェストバージニアに行ったことがなかったそうです。上記の映画を見てこの曲を書いたという仮説はありかもしれませんね。

投稿: mb101bold | 2009年2月 8日 (日) 23:13

はじめまして。
歌詞の訳を個人的にしていたところ、こちらに行き着きました。

>moonshineが密造酒
ここの部分は私も思い当たったのですが、こちらで確認できて良かったです^^

5月に4年ぶりにライブをする予定があるので、軽く訳してみようと思い立ったのですが、深い考察とステキな訳詩に出会えて、歌うのがより楽しみになりました!!

管理人さん、コメントなどで意見を出されていた方々、どうもありがとうございました!!

投稿: sayaka | 2009年4月14日 (火) 13:15

sayakaさん、はじめまして。
ライブ、がんばってください。今後ともよろしくお願いします。

投稿: mb101bold | 2009年4月14日 (火) 18:06


こちらこそです!
ライブがんばります♪

↑の理由でこちらのブログに行き着きましたが、記事全体はとても内容が濃いのにスッキリと見やすいブログですね。

色々参考になります^^
また寄らせてください☆

投稿: sayaka | 2009年4月15日 (水) 17:03

ええ、お気軽にお越しくださいませ☆

投稿: mb101bold | 2009年4月16日 (木) 01:09

はじめまして。
僕もちょうどこの歌のとくにAll my memories gathered round her以下のところが理解できず調べていたところです。
そこで新しい発見をしました。それはWest virginia = mountain momma(母なる山) = miner's lady(炭鉱夫のさと)= stranger to blue water(海を知らない人)で、どれもウェストバージニアへの呼びかけではないかということです。

All my memories gathered round herのherはWest virginiaのこと。以下ひとつひとつ思い出をかみしめるように
(She is )miner's lady(She is )stranger to blue water(She is )Dark and dusty(She is )painted on the sky(She is )Misty taste of moonshine(And She is )Teardrops in my eye
というように歌っているではと思いました。miner's ladyとstranger to blue waterは呼びかけなのでaがつかず、Dark and dustyが形容詞なのも納得いきます。
She is painted on the sky(in the skyではない)はバージニアは空の上に描かれたように高いところにあるということで、歌い出しのAlmost heavenが高いところを意味も含んでいるのと同様の使い方ではないでしょうか。misty taste of moonshineはぼんやりした、つまりピリッとしない泥臭い密造酒の味ということだと思います。こんな風に訳してみました。

ウェストバージニア 想い出のすべてがきみに
きみは炭鉱夫のふるさと 海も見たことのないレディ
よごれてほこりっぼくて 空の上に描かれたように高く
きみのテイストは土くさいムーンシャイン(密造酒)
そしてそれは僕の目から落ちる涙のしずく

投稿: chocho | 2009年5月13日 (水) 18:49

chochoさん、はじめまして。
ああ、なるほど。そうかもしれませんね。あなた=West Verginiaというわけですね。それはすごくジョンデンバーっぽいかもしれません。歌の望郷感にも説明がつきます。

>きみのテイストは土くさいムーンシャイン(密造酒)
そしてそれは僕の目から落ちる涙のしずく

特にこの部分が整合があります。本文にも「コメント欄参照」と付け加えておきますね。ありがとうございます。

投稿: mb101bold | 2009年5月13日 (水) 23:17

この記事を読んでいてとても面白いことをいくつも発見しました。
実は僕も最近この歌の魅力に改めて気付き、歌詞を知りたいと思ってました。
英語の歌詞は本当に詩的に書かれていて、僕自身、完全な解釈はもはや作詞をされたダノフ夫妻に聞かないと無理じゃないかと思っております。

"stranger"の解釈について、僕もmackieさんの意見に賛成です。炭鉱の町だから海もみたことがない(そんな故郷を思い出す)ということでは?
コメントのスレッドにどなたか書かれていたのですが、僕も最初歌詞を読んだとき、sheは作者の母なのでは、と思いましたが、母親がラジオのDJって少し不自然かなと思い、これは地名だろうと。

しかし"moonshine"が地酒のこととは!驚きました。
これでteardropだからmisty tasteであることも納得です。すごいですね。リサーチ力というか物知りというか、尊敬します。

全体的には「故郷を離れ都会で暮らせば、あくせくした毎日にただ身をゆだね、充実感を得られない。そこでもう一度自分の『原点』に戻ろう」という人間の本質的なことを描いた素敵な歌だったんですね。なんとなく「風と共に去りぬ」のスカーレットを思い出します。(笑)

とてもいい勉強になりました。また拝見させていただきます。

投稿: yuichi | 2009年9月19日 (土) 14:19

yuichiさん、こんにちは。
この記事は、2年前に書いたもので、もともとのきっかけはジブリの「耳をすませば」というアニメ映画の主題歌「カントリーロード」の日本語歌詞でした。
不思議なもので、このエントリはいろいろとリンクされて、多くの方からコメントをいただくようになりました。
自分では、こういう長く時間をかけていろんな方のアドバイスをいただきながら、この歌についてみんながあれこれ考える場所になっていることが、なんかいいなあ、と思っています。
今後ともよろしくお願いします。

投稿: mb101bold | 2009年9月19日 (土) 14:50

なんとなくyoutubeでこの歌を聴いていたら
意味が知りたくなってエンジンで探して
やってきたのですが、難解ですね。
ただ、歌っている人は都会へ行って故郷を
思っているのかなあ。日本的ではあると思う
けど、アメリカの人は意外と考え方が
ローカルであまり生まれた地を離れない人が
多いですし、炭鉱夫の話や美しく平和な
情景の描写が出てくるから、当時ベトナム
戦争に徴兵されたブルーカラーたちの
故郷への思いを歌ったのかと思って
いました。だからこの歌を聴くと
切なくなるのかなと。

投稿: you | 2009年10月 3日 (土) 21:35

ジョンデンバーは、音楽的にはカントリー・ウェスタンですが、思想的には反戦的で、ベトナム戦争に関してもなかり発言をしていたようですね。
http://www.iscb.net/mikio/9711/10/index.htm
どこか憂いがあるのは、そんなことも影響しているかもしれませんね。

投稿: mb101bold | 2009年10月 3日 (土) 23:09

私も歌詞確認でここに来たのだけど、正しい歌詞は下記だと思う。
http://www.lyricsfreak.com/j/john+denver/take+me+home+country+roads_20073263.html

で、この歌詞の解釈は素直に読めば良い。
moonlight=密造酒なんて考えすぎ。
炭鉱節の「お月さん、煙けむたかろ」くらいの表現(歌は違いすぎるが)。

感謝祭かクリスマスの朝に母親から電話があって、
昨日帰っておけば良かったと後悔しながら故郷に急いでる。
ラジオはカーラジオ。
mountain mamaは自分の母で、鉱夫の妻、blue water(リゾートライフ?)とは無縁
→親孝行しなくちゃ、くらいは感じる

日本の歌で言えば「北国の春」がかなり近いと思う。
但しcountry roadsでは都会についてはふれてない。
家に向かってる本人が大都会に住んでるかどうかも不明。
朝思い立って帰るんだから、故郷まで4~5時間程度か。
比較的若くて、故郷を出てまだまだ楽しくて、家に帰るのをサボったのかな?

舞台のアパラチア山脈は、カントリー・ミュージックの故郷の1つでもあるが
アメリカでは、孤立隔絶した独特の地域で、アメリカ人全体にとっても懐かしさを感じる所
伝統的にアメリカとは思えないような貧困白人が数多く生活してたりするらしい。

投稿: h | 2009年11月12日 (木) 03:01

moonshineについては、第一の意味は「お月さん煙たかろ」だと思いますが、まあ、言葉遊びとして密造酒とかけてあるんでしょうね。そういう詩的な味わい深さがこの歌詞にはあるようです。
アメリカ人にとって、カントリーは日本人の演歌に近いのはあるでしょうね。

投稿: mb101bold | 2009年11月12日 (木) 08:23

hさんはコメントの中で「ラジオはカーラジオ」と解釈されていますが、
それだとその上の行の歌詞とつながらないんですよ。
なぜラジオの音で故郷を思い出すのか?それは"Good Morning Vietnam"
なんじゃないかなと。つまりおはようという軍隊での起床放送のラジオを
聴いていると、毎朝起こしてくれていた故郷のお母さんのことが
思い出されるよと。昔ロビンウィリアムス主演のベトナム戦争の映画が
ありましたがあの主人公のラジオのディスクジョッキーは実在の人物だそうです。

投稿: you | 2010年4月30日 (金) 10:24

"Good Morning Vietnam"というのは、デンバーの経歴とも関連してて、あるかもですね。

投稿: mb101bold | 2010年5月 1日 (土) 00:38

「なぜ日本人は『カントリーロード』を聴くと切なくなるのか」
『TAKE ME HOME, COUNTRY ROADS』の翻訳をめぐって。

とても興味深く読ませて頂きました。また、読んだ後、自然と胸が熱くなりました。そうなんです、私もこの曲を聴くとなぜか胸が熱くなり、涙が出てくるのです。「北国の春」では涙が出ないのに....

私は1957年生まれで、この曲を聴いたのがちょうど中学2年生の頃です。中学から英語を習い始めていたので何となく意味がわかるような気がしていました。そのころは、歌詞の意味など考えず、「陽気なカントリーソング」で「なにやら田舎へ帰る歌」のようなものだな程度の理解でした。

この歌を聞いて、または歌って涙が出るようになったのは、30歳をすぎた頃です。世はバブル。 実力も無いくせに好待遇に惹かれ、調子に乗って外資系企業に転職したのは良いけれど、1年ほどで行き詰まりました。そんな時、故郷の弟から母親が癌で長くないと連絡を受け、その会社をスパッとやめて故郷に帰る事にしました。既に、女房、子供もある身で、故郷での仕事の当てもありませんでしたが、「とにかく、帰りたい」と心の底から思ったのです。(今思うと、私が苦しんでいる状況で、母が命と引き替えに「帰ってくる」口実を与えてくれたのだと思っています。そう、思うと涙が出て仕方なくなります。)

故郷へ向かう新幹線の中で、まだ小さかった子供たちは「おばあちゃんに会える」と無邪気にはしゃいでいました。女房は何となく不安な顔で私を見つめていました。そんな視線に耐えられず、目を閉じていたら急に、「And drivin' down the road I get a feelin'
That I should have been home yesterday, yesterday」のフレーズが頭の中に浮かんできて、「なんで、俺はもっと早く帰らなかったんだ」と涙が出てきました。)

さて、「TAKE ME HOME, COUNTRY ROADS」の歌詞の解釈(日本語訳ではありません)に関して私の考えを書かせて頂きます。

この歌の歌詞には、そんなに厳密で特定したストーリーは無いように思えます。

田舎の象徴として風光明媚なWest Virginiaを舞台にして、家族(私は、母親と思うのですが)とreunioneする情景を描いているのではないでしょうか。実際にDrive Downして向かっているのでも良いし、「帰れたらな~(実際には帰れない)」程度の仮定法過去的なとらえ方でもいいのではと思ったりもします。

私自身の思いも有るのですが、Mountain=momma=sheになっています。

最初の、「Life is old there,Older than the trees,Younger than the mountains,
growin' like a breeze」はちょっとしゃれっ気を出して、年寄りばかりだが、山よりは若いよとウイットを効かせているのでは? それで、争いも無く平和に暮らしている様を描写しているのではと解釈しました。

「stranger to blue water」は「海を見たことが無い人」すなわち「名所、観光地などに行ったことがない」ような質素な暮らしぶり。実際、Minerという炭坑夫は低賃金労働者で決して裕福ではないと思われます。今の日本では想像出来なないのですが、実際、私の母も私が東京で働いて家族を持つまで、東京に来たことがが有りませんでした。

「Dark and dusty, painted on the sky,Misty taste the moonshine,Teardrop in my eye」の部分ですが、炭坑町ですから、暗くてほこりっぽいのでしょう。また、密造酒(moonshine)とまで行かなくても、炭坑町の安酒場で提供される安酒で、たぶん夫はこれくらいしか楽しみが無いのでしょう。そんな故郷が嫌で故郷を出たのに、なぜか涙が出てくる情景ではないでしょうか?

「I hear her voice,In the mornin' hour she calls me,The radio reminds me of my home far away,And drivin' down the road I get a feelin',That I should have been home yesterday, yesterday」ですが素直に訳せば、母さんから電話がかかってきたのでしょう。母親の声の向こうに聞き慣れた懐かしいラジオ番組が流れている....これが正しい解釈でしょう。

私の解釈では「I hear her voice」とあえて現在型なので、時系列に何かが起きてるのでは無く、過去の習慣みたいなものを回想しているのではと解釈しました。だいたい若い頃の男の子はみんな朝寝坊で、母さんが「朝だよ!起きなさい!学校に遅れるよ!」とたたき起こしているものです。不思議なことに、女の子ではこれが絵にならないのです。ラジオから流れてきた懐メロあたりを耳にしてそんな昔の習慣や遠い故郷を思い出した情景ではないでしょうか。それで、実際には故郷へ車を走らせているのではく、故郷を離れた場所にいるにもかかわらず、「もし、今、故郷へ向かって車を飛ばしてたら、きっと言うだろう、『なんで、もっと早く帰らなかったのか』=『なんでこんな単純なことに気づかなかったのか、ばかな俺だな!」と解釈しました。かなり飛躍すぎぎです。たぶん間違っていますが.... 英語的には「And if I were driving down the load, I got a feeling that I shoud have been home yesterday, yesterday」になるのが英語として自然ではないかと思いますが、そこは歌だし、ややこしい文法を振る舞わすと、歌のテイストが崩れるので、I shoud have been homeだけ残して、現在形でさらりと書いてあるのではないかな~と思っています。


せっかくまじめな論争を行っているエントリーに私の独断を書かせて頂きまして申し訳ありません。しかし、思いは同じです。なぜかカントリロードを聞くと涙が出てくる。


TAKE ME HOME, COUNTRY ROADS
作詞:B. Danoff, T. Nivert, J. Denver


Almost heaven, West Virginia
Blue Ridge Mountains
Shenandoah River
Life is old there
Older than the trees
Younger than the mountains
growin' like a breeze

天国のようなウエストバージニア
ブルーリッジ山脈
シャナドー川
住んでる人は年老いて、
と言っても樹木よりは年齢を重ねているが、
山よりは若い
それでのんびりと暮らしている

Country roads, take me home
To the place I belong
West Virginia mountain momma
Take me home, country roads

故郷への道が私をふるさとに連れて行ってくれる
ウエストバージニア、山、そして母さん
故郷への道が私をふるさとに連れて行ってくれる

All my memories gather' round her
Miner's lady, stranger to blue water
Dark and dusty, painted on the sky
Misty taste the moonshine
Teardrop in my eye

思い出は母さんにまつわるものばかり
炭坑夫の女房だった、故郷から出たことも無い
暗くほこりっぽい空
安酒の味
なぜか涙が出る


Country roads, take me home
To the place I belon
West Virginia mountain momma
Take me home, country roads

故郷への道が私をふるさとに連れて行ってくれる
ウエストバージニア、山、そして母さん
故郷への道が私をふるさとに連れて行ってくれる


I hear her voice
In the mornin' hour she calls me
The radio reminds me of my home far away
And drivin' down the road I get a feelin'
That I should have been home yesterday, yesterday

母さんの声が聞こえた気がする
朝、いつものように僕を呼んでいる
ラジオの音楽で遠くの故郷を思い出した
もし、故郷に向かって車を飛ばしていいれば、きっと思うだろう
なぜ、もっと早く帰らなかったのか

Country roads, take me home
To the place I belon
West Virginia, mountain momma
Take me home, country roads

故郷への道が私をふるさとに連れて行ってくれる
ウエストバージニア、山、そして母さん
故郷への道が私をふるさとに連れて行ってくれる

投稿: hiro-c | 2011年7月 4日 (月) 10:29

さっき投稿したコメントで誤りがありました。

「年寄りばかりだが、木よりは若いよとウイットを効かせているのでは?」は
「年寄りばかりだが、山よりは若いよとウイットを効かせているのでは? 」です。木と山を取り違えていました。

hiro-c

投稿: hiro-c | 2011年7月 4日 (月) 15:16

hiro-cさん、はじめまして。
たいへんわかりやすい解説をありがとうございました。確かに、お母さんと解釈するのが正しそうですね。上記の件、元コメントもあわせて修正しました。
なんか私もコメントを読んで、胸が熱くなりました。
今後ともどうぞよろしくお願いします。

投稿: mb101bold | 2011年7月 4日 (月) 21:09

growin' like a breeze

flowing like the breeze.
ではないでしょうか。
それなら
そよ風のように流れているという自然な文になります。

投稿: | 2012年1月29日 (日) 21:20

調べてみましたが、やっぱりgrowin' like a breezeみたいですね。

投稿: mb101bold | 2012年1月31日 (火) 01:22

そうですか
http://www.absolutelyrics.com/lyrics/view/john_denver/take_me_home,2c_country_roads
こちらのサイトを見て気になったのですが、勘違いだったようですね。
ご迷惑をおかけしました。

投稿: | 2012年2月 1日 (水) 13:30

いえいえ、私もこの歌はそれほどくわしくはないので、ご指摘はありがたいです。
リンク先を見て、あっ、もしかしてと思ってもう一度調べてみました。
http://youtu.be/MWzeInQaUk4
ジョンデンバーもgrowin' like a breezeと歌っているみたいですね。

投稿: mb101bold | 2012年2月 1日 (水) 22:32

ジョン・デンバーの検索から
いろいろな所を廻ってこちらにたどり着きました。
ある広告人さんのお話も、コメントのお話も
とても面白く勉強になりました
偶然でしたがここに来られて楽しかったです。
ここの記事を読み
「北国の春」は構成や曲調が近すぎるので
「カントリーロード」にインスパイアされて出来た歌なのかなと思いました
「帰ろかな」を
「yesterday」と揃えて
二回繰り返してるのが、こっそりオマージュっぽい…とか。

投稿: 通りすがりです | 2012年5月 8日 (火) 15:57

言われてみれば確かに。
「白樺 青空 南風」という故郷の風景を切り取っていく歌詞も同じですね。カントリーロードそのものの情感を日本語にすると演歌というか歌謡曲になるのは、カントリーロードがカントリーであることを考えるとすごく納得です。

投稿: mb101bold | 2012年5月 8日 (火) 23:31

この歌詞の意味についてアメリカ人に(ロサンジェルス在住48歳)に直接尋ねてみました。彼女もここでの訳とほぼ同じように思っていたようですが今読み直すとMinor's ladyは明らかに故郷の山河を指していると断言しました。炭鉱によって汚染、破壊された故郷を思い悲しんでいるという表現だそうです。Moonshineは密造酒の事でこれによっても汚されているというニュアンスだそうです。
ジョン・デンバーは初期の環境保護主義者だったのでこれを歌ったのだろうと。
もちろん1アメリカ人の主観にすぎないのかもしれません。
が彼女にはもう一度きちんと読み直して本当の意味が理解できたと逆に感謝されました。

それから主人公が実際に故郷に向かっているかどうかに関しては何も書いていないので心の中で想っているだけではないかと言っていました。
ご参考までに

投稿: fusabue | 2012年5月29日 (火) 16:39

ありがとうございます。
Minor's ladyもMoonshineもネイティブの方には汚されているというイメージを感じる言葉なんですね。ジョンデンバーが初期の環境保護主義者だったというところで合点がいきました。
たぶん、歌だし、ジョンデンバーは詩人的で言葉の韻やリズムを大切にする人のように思うのでいろいろ省略したりしているんでしょうね。それがいろんな人の思いを受け入れる隙間になっていて、あらためていい歌だなあと思いました。

投稿: mb101bold | 2012年5月30日 (水) 10:12

country roadsの訳カントリー・ロードじゃねーし(`ε´)

いなか道だしヽ( )`ε´( )ノ

投稿: eyes | 2012年6月15日 (金) 23:40

>eyesさん

それはべつにカントリーロードでもええがな。

投稿: mb101bold | 2012年6月15日 (金) 23:45

素敵な訳だと思います

投稿: | 2012年9月30日 (日) 23:22

drivin' down the roadが故郷に近づいているのか、遠ざかっているのか、気になっています。故郷への想いがそのまま行動となっているのか、反語となっているのか。

投稿: clk | 2013年1月16日 (水) 02:58

almost heaven west virginia blue ridge mountains shenandoah liver
心休まるwest virginia のblue ridge mountainsとShenandoah河
life is old there, older than the trees younger than the mountains growing like a breeze
いつからかそこで人が営みを始め、木々が育ち、それらが、そよ風のようにうごめき始める、そのずっと前から山々はそこにあった。
all my memories gather round her
私の記憶の全ては山に繋がります
Miners lady, stranger to blue water
炭鉱夫の大切なlady(mountainの意)は海を知らない。
dark and dusty painted on the sky
その姿は暗く誇りっぽく空に描かれる
misty taste of moonshine, teardrop in my eye.
濁った味のする、自家製の酒、涙が目を濡らす。
I hear her voice in the morning hour she calls me
早い朝の静けさ彼女(mountain)が私に呼びかける。
the radio reminds me of my home far away.
ラジオが故郷への道のりの長さを知らせる。
and driving down the road i get a feeling that i should have been home yesterday
この道を走りながら、もっと早く故郷への道をたどるべきだったと、、。

皆さんいろんな解釈で面白いですね。

勝子

投稿: katsuko peterson | 2013年6月16日 (日) 16:52

この歌に出てくるのは故郷に残した恋人ではなく、年老いたかあちゃんなんでないべか?
マイナーズレイディー、ストレンジャートゥー…
のとこは、炭鉱とかがある田舎の女性のかあちゃんを思い出してんじゃないかな?
きっと田舎のかあちゃんから朝電話もらった時、もっと頻繁に田舎に帰ってやればよかったって思い出すんだよな。マウンテンママを。

投稿: 佐々木 | 2014年6月 7日 (土) 17:51

この曲を和訳することはできません。訳せばそれは解釈になってしまいます。解釈ならば十人十色、100人が解釈すれば100通りの解釈があります。できれば英語のまま楽しんで欲しいです。

投稿: | 2014年10月28日 (火) 20:33

↑そういう問題じゃあないよ。
言葉やフレーズがが意味していることをなるべく正確に知ることによって、アメリカンが感じる郷愁だとか、アメリカンじゃなきゃ解らないある種曖昧な言い回しの真意を知りたいと皆さん思ってるのであって、英語のままではそこが解らないから皆さんいろんな意見を出してるのよ。

投稿: | 2016年1月 5日 (火) 23:36

her voice, she calls me の彼女が何を指しているのかは曖昧だというのが一番正しいと思いますね。
日本語にしようとするとどうしても白黒つけたくなってしまいますが、英語だと山もお母さんもガールフレンドもsheで表現できてしまうので、作詞者は様々な解釈ができるようにあえて計算してぼかしているのでしょう。
聴く人によって自由に解釈して良い部分ではないでしょうか。

投稿: | 2016年4月10日 (日) 10:34

はじめまして。
Take Me Home, Country Roadsの和訳を探していてこのページに辿り着いた大学生です。

というのも、来月開催される定期演奏会でこの曲を演奏しようと考えていて、
プログラムに、英語歌詞の他に和訳も載せられたらいいなと思っているからです。
よろしければ、このページを参考にさせていただけませんか?

投稿: きじま | 2016年12月21日 (水) 15:55

blue water は地名じゃない?
カリフォルニアかカナダかどちらか。
道程の遠さを考えるとカリフォルニアかも。
大陸の西端から東端まで運転するすることになる。
そりゃ、言葉も違うだろうね。
ラジオの声なんてほとんど他国語じゃね?
延々と続く道路に「俺を連れて行け」って叫びたくもなるわさ。
mountain mama は、おばちゃんたちかな。
炭鉱の町って、昔は世話好きなおばちゃんたちがいっぱいいたなぁ。炭鉱夫を狙って女も集まってきた。地域的には閉鎖的なところで所得水準も高いとは言えないけどね。
母さんと呼べるけど母じゃないだろうな。

筆おろしもその人達が相手だったかもね。
Minor's lady はまさにそんな女のこと。

女たちは、男たちを叩き起こし、仕事に行かせる。男たちは帰ると金を渡す。性処理から生活の世話、いろいろやってくれた。
懐かしすぎるなぁ・・・

投稿: | 2017年3月 5日 (日) 11:07

almost heaven は山の高さ?
ブルーリッジ山脈は平均標高2000mで、そんなに高くないし、その後のshenandoah riverも流域標高200mしかない。環境の良さをうたってるのでしょう。
moonshin,e が密造酒?
その前にpainted on the sky とある。酒は空に描かれない。頭にmisty taste とあるのは、おぼろ月では?

投稿: skywalker | 2017年3月24日 (金) 01:26

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