ところで、iPhoneはどうなんだろう。
私はW-ZERO3[es]ユーザなので、どうしてもW-ZERO3[es]をひいき目に見てしまうのですが、やっぱりiPhoneは気になります。アメリカでの販売の時は、ちょっとしたニュースになりましたよね。Apple的には久しぶりだったんじゃないでしょうか。
まったく旬の話題ではないけど、iPhoneブームも沈静化してきたので、このあたりで感想など。デザインは、やっぱり抜群ですね。ものすごく惹かれます。あのデザインが[es]にあればなあ、と思います。やっぱり、[es]もアドエスも無骨ですよね。あれはあれでThink Pad的で嫌いではないですけどね。この部分は、[es]の完敗ですね。残念ながら。それと、すごいなあと思ったのは、横にしたら画面が横になるとか、2本の指で画面を開くようなジェスチャーをすると、画面が拡大される、みたいなギミックはキャッチーでしたね。技術的には、最新のセンサとか、これまでの技術でなんとかなりそうな技術ではあるのでしょうが、あれはインパクトがあったなあ。ああいうマーケティングセンスは、やっぱりAppleの独壇場でしょうね。
ただ、思うに、ああいうギミックって、実際に使ってみて、本当に便利なのかどうかは微妙だなあと思います。画面を横にしたいときって、必ずしも実機を物理的に横に傾けて持つとは限りませんし、液晶画面のタッチセンサーによる指ジェスチャーにしても、せっかくの液晶が指の脂でギトギトになるんじゃないかなあ、なんて余計なことを考えてしまいます。
[es]を使ってみてわかるのですが、あの手のスマートフォンって、ボタンは多い方が使いやすいんですよね。いろいろなアプリを登録できるし、このブログでも言ってますが、[es]がいいなと思うところは、ケータイライクに片手操作でパソコンに近い機能が使えるというところなんですよね。究極、スタイラス不要みたいな。その点では、iPhoneは基本両手を使うような感じに設計されてますよね。あれは、もしかすると、見た目の進歩性とは裏腹に退化ではないかな、なんて思います。どうなんでしょう、そのへん。
なんとなく、Appleのワンボタンマウスを思い出すんですよね。右クリックがあった方がマウスは使いやすいですよね。私はマックユーザですが、ずいぶん昔からマウスはWindows用を使っていて、右クリックにコマンドQを割り当てて使っています。スクロールリングをつけるのもAppleは遅かったし、というか、appleのは小さなチョボですが。ちょっとそういうところ、Appleは意固地なところがあるような気がしますね。デザインはいいんだけど、なんとなく人間の必要の上にデザインが君臨するみたいな感じがします。海原雄山も言ってますよね。美食が人間の上に君臨することは許されない、と。
それとね、液晶のタッチセンサー。あれはどうなんでしょう。主流になるのでしょうか。QWERTYキーボードも結局はいまだに物理的なフィーリング重視ですよね。押すと、カチッと押した感がある、みたいなね。たまたま電子部品関係のお仕事をお手伝いしてることもあって、スイッチ類のトレンドを知っているのですが、やっぱり小型化、薄型化でも、そこで勝負になるのは、そのサイズで物理的なクリック感をどう出していくか、なんですよね。昔、カード型の電卓がありましたけど、あれがいまいち流行らなかったのは、物理的なクリック感がないと、どうしても操作感が著しく低下するからということに理由があるような。このへんは、物作りの現場の方に聞きたいところです。
昔も、J-PHONEで、前面液晶の液晶タッチセンサーのケータイがありましたけど、いまいち主流にはなりませんでしたしね。タブレットPCも、なかなか浸透しないし。テレビのリモコンも、いまだに物理的なボタンであるという事実は、けっこう重いような気がします。
私がこのブログで[es]のことを書いているのは、使っているうちに、あ、こういうスマートフォンは、ケータイの操作感で多機能を実現みたいなことが本質なんだなあ、という気がしたからなんですね。日本市場では、という保留は付きますが、単に小型化というだけではないんだなあ、と。私は、なんでも本質を外したものはどれだけキャッチーで素晴らしいものでも、普及しないんじゃないかな、と思っているんですよね。それが正しければiPhoneは日本ではしんどい、という気がするんですが、どうなんでしょうね。
ちょっとタイムマシンに乗って、それを確かめたい気がします。もしかすると、このブログで「iPhone礼賛」というエントリを書いてる私がいて、「お前さあ、前にiPhoneはしんどいって言ってたやんけ」と未来の私にツッコミを入れている私がいるかもしれませんが。どうなんでしょうね。
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