「春一番コンサート」を知っていますか。
毎年、ゴールデンウィークに大阪の服部緑地公園野外音楽堂で4日間に渡って行われるコンサートです。私は、大阪に住むコピーライターの先輩の誘いで聴きに行って以来、毎年、お客さんとして参加しています。お客さんなのに参加って、なんか自意識過剰なんじゃねえの、とか思う人もいるかもですが、このコンサートに限っては、ほんと参加という感じなんですよね。
どういうコンサートかをご紹介しますね。出演アーチストは、知る人ぞ知るミュージシャンばかりです。大塚まさじさん、有山じゅんじさん、石田長生さん、友部正人さん、木村充輝さんなどなど。お亡くなりになった高田渡さんや中島らもさんも出演されていました。中島さんは、午前中の出演でしたね。100人は優に超えるんじゃないでしょうか。若手のミュージシャンもたくさん出演します。私のお気に入りではふちがみとふなとさん、はじめにきよしさん、そうそう、私が押尾コータローさんをはじめて見たのも「春一番コンサート」でした。「ドラム、押尾コータロー!ベース、押尾コータロー!そして、ギター、押尾コータローでしたっ!!」とやってました。今ではお馴染みですよね。
日本のミュージックシーンにあまり詳しくない私にとって、「春一番コンサート」は、生きていく上で知っていた方が絶対に人生が豊になる歌と出会う場所でもあります。高田渡さんの「生活の柄」とか、友部正人さんの「夕暮れ」とか、、大塚まさじさんの「男らしいってわかるかい」とか、リクオさんの「雨上がり」とかだったり。
服部緑地野外音楽堂は椅子席の後方に芝生があって、お客さんはゴザを敷いて仲間で聴く人が多いですね。ビールを飲んだり、それぞれのお手製のおつまみをつまんだりしながら、わいわいがやがや。酔いつぶれて寝てしまう人もいたりして。出演前のミュージシャンたちもその輪に加わったり、もう、どっちがミュージシャンなんだかお客さんなんだかわからない感じになります。私が座って音楽を聴いていると、後ろから「赤ちゃんの手って、ちっちゃくてかわいいなあ」という声がして振り向くと、木村充輝さんだったり。私は私で、あの木村さんに「そうですねえ、かわいいなあ」なんて答えたりして。
毎年、九州からやってくる熱心なお客さんもいて、毎年1回お会いしますので、もう顔なじみになってしまいました。関西のライブハウスオーナーも、ほぼ全員集合してるんじゃないかと思うほど参加されています。
東京では、昔だとライブアンダーザスカイ、今だと、サマーソニックとか、いろいろな野外コンサートがありますが、大阪の「春一番コンサート」は、いわゆる冠がついていません。だからかどうか分かりませんが、手作り感があって、あったかい感じがします。まあね、大阪ですから、ミュージシャンもお客さんも口が悪いわけです。有山じゅんじさんのステージでは「アリヤマー、はよ歌えっ!」「うるさいわ、もうすぐ歌うから待っとけ!!」。木村充輝さんのステージなんかでは「アホーッ!!」「アホいうな、アホ言うおまえがアホじゃ!」みたいな感じになります。そんなあったかさですけどね。
この「春一番コンサート」は、毎年、この時期になると大阪ではそこかしこで「来年はやれへんらしいで」という噂が流れます。だから、ゴールデンウィークになってコンサートがはじまって、ああ、今年もあるなあ、よかったなあ、としみじみ思うんですね。来年はもしかすると、往年の関西ミュージックシーンの音楽が大好きな人には、すごいことが起きるかもしれません。今ここで言ってしまうと、もしかするとそれがなくなってしまうかもしれませんから、何かは言いませんが、なんとなくそんな予感がします。関西近辺以外の人も、来年のゴールデンウィークは参加されたほうがいいかも、ですよ。
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