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2007年11月24日 (土)

きつねとかたぬきとかきざみとかはいからとかもりとかかけとか、そんなお話です。

 なんじゃそりゃ、っていうタイトルですが、ゆっくり読むと何のことかわかるかもしれません。とかを抜くと、きつね、たぬき、きざみ、はいから、もり、かけ。そうですそうです、立ち食いうどん、立ち食いそばのお話です。

 立ち食いそば、立ち食いうどん、好きですか。私は好きです。東京で仕事をするようになって、もっぱらそばを食べていますが、大阪ではうどんです。東京では、日常会話で、立ち食いそば屋さんと言いますが、大阪では立ち食いうどんですね。大阪では「時間ないし、昼飯、立ち食いうどんにしとこか」なんて、外回りのサラリーマンが話してます。名古屋はどうなんででょうか。立ち食いきしめん、かな。

 東京は鰹出汁で濃い口醤油。大阪は昆布出汁で薄口醤油。鰹出汁は香りの強いそばに合って、昆布出汁は淡泊なうどんに合うような気がします。大阪の人は東京の悪口を言うときに、あんな真っ黒な汁喰えるかと言いますが、あれはあれで美味しいですよね。最近は昆布出汁を出すところもありますし、「はなまる」などの讃岐系は大阪の出汁に近いので、東京でも不自由はしないようになってきました。

 でも、やっぱり大阪の立ち食いうどんは時々恋しくなります。出張や帰省で大阪に行くときは、新幹線を降りたら、新大阪駅の在来線側にある「浪花うどん」に駆け込みます。あの立ち食いうどんはすごく美味しくて、私のお気に入りです。頼むのは「きざみ」。味がついていない薄揚げを刻んだものがトッピングされているうどんです。

 薄揚げを味付けしたものがトッピングされているのは、「きつね」です。東京では「きつねそば・うどん」とメニューに書いていますが、大阪は「きつね」は「きつね」だけです。というのは、大阪では味付けの薄揚げが入ったうどんのことを「きつね」と言います。味付けの薄揚げのそばは「たぬき」です。きつねがそばに化けてたぬき、みたいなことらしいです。東京では「たぬき」は、種抜き、つまり揚げ玉をトッピングしたものですね。大阪では「はいから」ですね。素うどんよりちょっとハイカラ、というのが語源らしいですが、はっきりしたことはよく知りません。

 話はちょっと脱線しますが、小学生のころ道徳の時間で(そう言えば、いまの小学校で道徳ってあるのかな)関西の人が東京のそば屋さんに入って、メニューにある「もりかけ」というのを見て、店員さんに「もりかけ」と頼むんですね。すると店員は気を利かして、相手は関西の人だから「かけうどん」を出したという話が教科書に書いてありました。その親切心をどう思いますか、というものだったんですが、どうなんでしょうね。言ってあげたほうがその人のためのような気もするし。

 食べ物関係の言い間違いは切ない話がありますよね。立松和平さんの話ですが、彼が貧乏だったときに、レストランに入って、お金がなかったのでレストランでいちばん安いメニューを頼むんですね。それがオニオンス・ライス。オニオンスというおかずとライスだと思ったそうです。当然、出てきたのはオニオンスライス。

 不思議なもので、東京でいつも頼むのは天ぷらそばなのですが、大阪ではきざみうどんか昆布うどんです。昆布うどんは、おぼろ昆布がトッピングされているものです。東京ではあまりとろろ昆布とかおぼろ昆布は食べないみたいですね。「とろろ」は昆布をとろけるくらい薄く削いだもので、「おぼろ」はちょい厚く削いだもの。汁につけてもとろけないんですね。おぼろ月夜と言いますでしょ。あのおぼろです。

 立ち食いそばは、日常の食べ物なので、冒険はあまりせず、天ぷらそばばかりになってしまいますね。変えるときも、生卵を入れて月見天ぷらにするくらいで。一度それを変えて、例えばきつねとかに変えるようにしたら、ちょっとだけ人生が変わりそうな気もしますね。案外、人生なんてそんな些細なことで変わるような気もします。

 最近はJR系の「あじさい」とか「富士そば」とか「小諸そば」とか、チェーン系が多くなって、少しさびしいですね。その駅や土地でしか味わえない立ち食いそばを私は愛します。

 好きなのは、中野駅北口を出たところにある「田舎そば かさい」。田舎そば風の平べったく太いそばと濃厚な鰹出汁。それにショウガを少々入れるんですよね。個性派です。新宿には小田急の地下にある「永坂更科」の立ち食いコーナーがお気に入り。少々高いですが、本格的です。掻き揚げが豚の角切りなんですよね。そば湯も出ます。大阪では京橋駅を出たところにある「浪花うどん」。新大阪のと同じ名前ですが、チェーンではないようです。出汁は少し甘め。いかにも庶民の味という感じ。独立系の立ち食いそば屋さんは、資本の力に負けずにぜひとも踏ん張ってほしいです。

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