« W-ZERO3[es]からココログを更新してみました。 | トップページ | ボクは人の仕事を自分の仕事のように見せるのが得意なだけだよ。 »

2007年12月 8日 (土)

クリエイティブディレクターって、なんぞえ?

 たまにはブログのタイトルどおりのことを書くのもいいかな、なんて思ったので、広告制作におけるクリエイティブディレクターの役割についてうだうだ考えていこうと思います。

 クリエイティブディレクターというのは、広告制作チームの責任者のことです。例外はたくさんありますが、広告制作チームというのは、クリエイティブディレクター(CD)、アートディレクター(AD)、コピーライター(C)の3人がワンセット。外資系では、このワンセットでCMもグラフィックも作ります。これに日本独自の職種として、CMをつくる場合には、CMプランナー(PL)が入ります。知らない人も多いかと思いますが、欧米にはCMプランナーという職種はありません。

 ちなみに、アートディレクターは、なぜデザイナーではなくディレクターという名称かというと、アートの分野は、印刷やら写真やら、職種の本質がディレクションワークだから。アートの仕事は多岐にわたり、やることも多いから、アートディレクターの下にデザイナー(D)がいることが多いですね。一方、コピーライターは、ディレクションワークはそれほど多くないので、コピーライターのまま。よく、コピーディレクターという職種を広告の業界誌なんかで見かけますが、あれはあんまり意味のない職種です。若手のコピーライターのめんどうを見てるくらいの意味ですね。それと、そこにはコピーライターはアートディレクターと対等なのに、アートディレクターの方が名前的に偉そうじゃん、という気持ちが込められているのかも。

 クリエイティブディレクターは、他の職業の方にわかりやすく言えば、プロジェクトリーダーに当たるのかもしれません。もしくは、部長とか、課長とか。責任者ですね。広告業界がまだ大らかだった頃は、クリエイティブディレクターという職種は必要ありませんでした。アートディレクターとコピーライターの2人でつくるとか、中にはアートディレクターが1人で何でもやってしまうということもありました。キッコーマンのグラフィックで有名な向秀男さんは、そういうやり方でしたね。イラストも言葉もみんな1人でやっちゃう。私たち広告制作者の大先輩です。

 で、クリエイティブディレクターの話。2ちゃんねるなんかでも、必ずクリエイティブディレクターって何なのさっていう話は定期的に出てきますね。まあ、わかりにくいし、不信感を持たれやすい職種ではありますもの。よくいるのは、ラフをちょこちょこと見て「いいんじゃない?じゃ、みんなよろしく。」って夜の街に消えていく人とか。で、その広告が話題になってきたら、私がやりました、みたいな感じで前に出てきて、問題になってきたら、雲隠れ。そりゃ、「CDいらねえよ!」って怒りますわな。

 もうひとつの対極は、本当は、向さんのように1人でみんなやっちゃいたいタイプ。私はじつはこのタイプ。クリエイティブディレクターになる前から、そういうタイプでした。これはこれで問題があって、スタッフがすごく不満をかかえるわけですね。「俺たち、意味ねえよね」なんて。有名なCDは、たいがいこのタイプなんではないかな。

 でも、私の場合は、もっとそれが貧乏くさくて、めんどくさくてややこしい物件が出てくると、「もうええわ、時間ないし、あれやっとくから。」という感じ。気が弱くて、いらち(大阪弁で待てない人のこと)なんでしょうね。私事ですが、こういうやり方を昨日上司に叱られてしまいまして、少し反省。「もうちょっと余裕を持つようにコントロールしてくれ。なんでも自分でやったほうが早いというのはわかるけど、それ、CDとしてはすごく困るんだよ。俺見てたらわかるだろ、な。」なんて、ものすごく疲れ果てた顔で言っておりました。

 私見ですが、クリエイティブディレクターがなぜ必要なのかと言えば、やはり広告に「設計」の部分が重要になってきたからだと思うんですね。時には、広告は必要がないという選択肢も含めて、どういうふうにコミュニケーションをしていくべきなのかを「設計」していく必要が、社会的なコミュニケーション環境からも出てきたからじゃないかと思うのです。もちろん、組織としての責任者の明確化と作業の効率化という内向きな部分もありますが、積極的な意義は、この「設計」の部分だと思います。

 定着した点としての表現の「設計」はもちろん、時間軸の「設計」、空間軸の「設計」などなど、いろいろな「設計」をしていかないと、コミュニケーションが難しくなっている気がします。それに、今やその判断のタイミングはどんどん短くなってきている気がしますし、自分自身もCDの機能の明確化をしていかないと上手く乗り切れないかもな、という実感を持ってきています。アートディレクターやコピーライターの技法なんかは、それなりに歴史もあって、結構教わることはできるかもしれませんが、クリエイティブディレクターの技法なんかは、歴史も浅く、これからケースバイケースでつくっていかないといけないのでしょうね。ここ最近、ちょっとそんなことを考えています。

|

« W-ZERO3[es]からココログを更新してみました。 | トップページ | ボクは人の仕事を自分の仕事のように見せるのが得意なだけだよ。 »

広告の話」カテゴリの記事

コメント

面倒なのを我慢して、的確に(?)指示だして作らせてると、自分一人じゃできないようなものが出来上がる地点が見えてくるんですよね。そこまでたどり着けると、我慢することは苦ではなくなったりします…。蛇足。

投稿: miamoto | 2007年12月10日 (月) 01:10

miamotoさま、はじめまして。

おっしゃるとおりなんですけどね、自分のキャリアのなさもあり、実際はなかなか‥
早くその地点にいけるように気長にがんばろうかな、なんて思っています。今後ともよろしくお願いします。

投稿: mb101bold | 2007年12月10日 (月) 12:45

子供のころからCMが好きで、今でもそれは変わらず、なんと無く心に引っかかってやまない夢を持っています。ちいさなメッセージでで、人の行動を変えたい。
現在は、新卒で入った会社のカフェ事業に従事していて、店長をしています。
年商は20千万の大きなお店なんですが、さっぱりマネジメント出来ない毎日です。

今28歳女子なんですが、いまからでも転職することはできる世界なんでしょうか?

投稿: なお | 2012年2月 6日 (月) 23:18

うーん、いろいろな人がいるので一概には言えませんが、どちらかというとそのお店の仕事の中で広告的なことをチャレンジするほうがよさそうな気がします。店長さんだと権限もありそうですし。今はCMだけが広告ではなく、どんどん多様化しています。
ちなみに転職で言えば、今は業界は冷え込んでいるので未経験だと難しいと思います。もしやるとすれば、コピー講座などの学校に通って、とにかくどこかの会社に入って経験を積むというのが一般的です。このハードルを越えられるかどうかですね。やっぱりこれも時代ですが、このハードルもかなり高くなってしまっていますし、越えたあともすごく楽しい世界が待っているわけではない感じです。中小やフリーはもとより、大手も含めて、業界のみんなも今、この先どうなるんだろうって悩んでしまっていますので。
ちょっと夢のない話ばっかりですみません。でも、人生にかかわることなので。
>ちいさなメッセージでで、人の行動を変えたい。
という目線でもういちどまわりを見渡すと、案外、こんなところにも、あんなところにも、そうか、やれることはたくさんあるなあって気付くかもしれません。

最大手のコピーライター学校のリンクを置いておきますね。
http://copy.sendenkaigi.com/
いまの仕事にも役立つと思うし、とりあえずは通ってみるというのはありかもと思いました。ご参考に。

投稿: mb101bold | 2012年2月 7日 (火) 19:43

丁寧にご回答頂きありがとうございます。ご相談させて頂けてよかったです。店長はもう辞めることにしてしまったのですが、少し落ち着いて考えてみようかと思います。
余裕がなくなると面白い事が見えなくなってしまいますから。

投稿: なお | 2012年2月13日 (月) 18:10

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/214429/17308712

この記事へのトラックバック一覧です: クリエイティブディレクターって、なんぞえ?:

« W-ZERO3[es]からココログを更新してみました。 | トップページ | ボクは人の仕事を自分の仕事のように見せるのが得意なだけだよ。 »