京橋はええとこだっせ♪
その続きを歌えるあなたは立派な関西人。大阪京橋のレジャービル「グランシャトー」のコマソンです。グランシャトーはゲームセンター、パチンコ、中華料理、サウナ、カラオケなどが集まった何でもありのエンターテイメントビルのこと。東京の人なら、上野の「聚楽」みたいな感じですね。ちなみに、このコマソンのフルバージョンの歌詞は、こんな感じです。
京橋はええとこだっせ
グランシャトーがおまっせ
サウナでさっぱりいい男
恋の華も咲きまっせ
グランシャトーはレジャービル
グランシャトーにいらっしゃい
東京の京橋は、フィルムセンターや美術館があったり、ビジネス街であるとともに銀座の入り口でもあるので、すごく落ち着いた大人の街です。大阪京橋も同じように大人の街ではあるんですが、大阪の京橋は、同じ京橋でも雰囲気がまったく違います。場所は、都島区というマイナーな区に位置していて、京阪線とJR環状線、片町線、地下鉄鶴見緑地線などが交わるターミナルです。といっても、キタと呼ばれる梅田や、ミナミと呼ばれる難波などと較べると、グッとスケールは小さく、もっともっと庶民的です。
キタやミナミに対抗して、京橋のことをヒガシと呼んでもらおうと地元を中心にがんばっていたようですが、あまり定着しませんでした。国鉄からJRに名前が変わったとき、首都圏のJRをE電と呼んでもらおうとがんばっていたけれど、結局定着しなかったことと似ていますね。
そんな庶民の街、大阪京橋は、私にとって家から近かったこともあって、子供の頃から慣れ親しんだ街でもあります。この街は京阪とJRが十字に交わるその高架下を中心に商店街が広がっています。昔ながらの老舗店も多く残っていて、いい感じです。このブログでも登場してきた、いちおしの立ち喰いうどん「京橋浪花」や、立ち飲み屋さんなど、3,000円もあればお腹も心も満足できる、お財布にやさしい街でもあります。パチンコで450Kの大勝ちをしたのも、友達とはじめてお酒というものを飲んだのも、この街でした。
出張なんかで地方に行くときの楽しみは、安い居酒屋さんに寄ってそれぞれの地方独特のメニューを味わうことだったりするんですが、大阪にもそんな独特なメニューがたくさんあります。写真を撮る勇気がなかったので、看板だけですみませんが、「どて焼」というのもそのひとつ。おでんなんかにあるすじ肉の串を甘い味噌ダレでやわらかく煮込んだものです。味はこってり、大阪の定番ですね。なぜ「どて焼」というかというと、鍋の縁に土手のように味噌を塗って置いて、それを溶かしながら味を調節するからですね。「どて鍋」と同じです。なぜ「焼」なのかは、味噌が鍋の熱で焼けるからか、焼鳥みたいな串ものだからかは分かりません。私もはじめて食べたときは、焼いてないのになぜ「どて焼」なんだろうと疑問に思いました。
ここ15年ほど、毎年、お正月の2日に、友人とこの京橋に繰り出して飲んだりしています。コムズガーデンというショッピングスペースができたり(大阪時代、CIプランナーだった頃、ここのデザイン計画の仕事に関わったりしました)、駅前にホテル京阪というホテルが建ち、ファッションビルの京阪モールがきれいになり、ずいぶんこの街もソフィストケートされてきたような気がします。でも、不思議と京阪高架下周辺は昔のまんまです。
どこの街もみな同じような顔つきになってきていますが、こういう昔からある立ち喰いうどん屋さんや立ち飲み屋さんが、あの日と同じように庶民の胃袋を満たしている姿を見ると、ああ、今年も京橋は元気にやっているなあ、とほっとします。
大阪京橋へは、JR大阪駅から大阪環状線で5分ほど。大阪城にも近いから、大阪城公園駅で降りて、大阪城などを観光して、その後、京橋まで歩いてみるのもいいかもしれません。まあ、観光名所ではありませんので、過度な期待はせずに、どて焼や串カツで一杯みたいな感じで。あ、そうそう、串カツのソースは二度漬け禁止ですからご注意を。店のおばちゃんにひどく怒られます。でも、キャベツは無料ですので、串に刺して遠慮なしにどうぞ。大阪にお越しの折りには、京橋まで。ぜひぜひ。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- Riskという概念(2019.10.17)
- 「同和」という言葉をめぐって(2019.10.07)
- 久しぶりにコメント欄が荒れた(2019.09.07)
- 父の死(2014.09.02)
- ラジオのこと(2014.08.29)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント