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2008年3月16日 (日)

どんなことでも10年間やり続けることができたなら、誰でも一丁前になれるんだよ。

 そんなことを吉本隆明さんは折に触れて言い続けています。私は、その言葉に結構勇気づけられました。吉本さんのいいところは、10年とか50%とか、ズバッとした割り切りをするところですね。10年に科学的な根拠があるのかというと、そうでもないとも思いますが、これが12年とか8年とかだと、メッセージの切れ味的には、やっぱり駄目なんでしょうね。

 この10年間毎日というのも、だらだら10年間続けても一丁前にはなれないとも思うし、10年間プロレスを見続けても、評論家にはなれるかもしれないけれど、プロレスラーにはなれないように、スクワットとか腕立てとか受け身とか、そういう地味な努力を毎日続けるということなんでしょうね。

 吉本さんは、25時間目という言葉もよく言われます。私はこの言葉が好きで、このブログでもよく出てきますが、私の仕事に関して言えば、日常の広告の仕事の時間と生活の時間のほかに、25時間目に広告のことやコミュニケーションのことを考えられるかどうか、ということなんだろうと思います。

 寝ても覚めてもと言いますが、仕事の時間、生活の時間の他に、自分が勝手に設定した25時間目に考えるあれこれを綴るブログという個人メディアを持てたことは、本当にありがたいことだなと思います。

 10年前と言えば、1998年です。Googleという会社ができた年です。Windows 98が発売された年です。AppleからiMacが発売された年でもあります。10年ひと昔というけれど、なるほど、こうして見ると何か象徴的ではありますね。日本で言えば、「ほぼ日刊イトイ新聞」が創刊された年でもあります。

 私は、ほぼ創刊のときからの読者ですが、ほんとすごいもんだなあ、と思います。ほぼ日とは言いながら、毎日なんですよね。なかなかできるものではないと思います。糸井さんは、9年目の挨拶(参照)に、吉本さんの言葉に触れておられますね。あと82日ほどで10年目だそうです。ちょっと先回りですが、もうすぐ10周年、おめでとうございます。

 ほぼ日刊イトイ新聞というネットメディアを、私はすごく意識しています。なぜかというと、ほぼ日は、収益モデルが広告モデルではないからなんですね。これって、もしかすると、今、ある程度の規模のネットメディアでは唯一なのではないかなと思います。あまり詳しくないんですが、いま私の知識で広告に依存しないネットメディアとしては、ほぼ日だけではないかなと思います。もはや、ほぼ日は、糸井さんの個人メディアではないと思うし。

 Googleが10年かけてウェブにおける広告モデルの基礎をつくりつつあるように、ほぼ日は、10年かけて広告モデル以外の収益モデルでウェブメディアが成り立つことを示しつつあるような気がします。糸井さんは、クリエイティブの場所を、自分の領域に取り戻すために、ほぼ日を作ったと言っていました。それまでは、糸井さんにとって、クリエイティブの場所は、広告という場所でした。その糸井さんの10年は、チクチクと、今の私に突き刺さります。


追記(3月17日):「まなめはうす」さん取り上げていただきました。「まなめはうす」さんも運営が10年を超えているそうです。ほんと、すごいなあと思います。3年とかじゃなく、10年ですもの。なかなかできるものではないですよね。

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コメント

「10年続けたら」の台詞はぼくもずっと励みにしてきました。才能無用と聞こえるのがよかったんだと思います。

若い人のブログでこの言葉が引用されているのをよくみかけます。吉本さんはひょっとしたらこの言葉で生き続けるのかもしれないなと思ったり。

ほぼ日の十年一日、すごいですよね。ぼくもそう思います。ぼくはマーケティングをやっていますから、消費者リサーチやクチコミという形では、ほぼ日の方法と近い世界にいます。でも、こちらはいつも「商品」を軸にことを進める必要がありますから、ほぼ日ののびやかさはうらやましく感じてきました。ああいう世界を作りたいなと思います。

投稿: 喜山 | 2008年3月16日 (日) 10:30

吉本さんの転向論とかは、時代とともに意味は変わるけど、物書きとしての吉本さんの言葉は今も鮮度が変わらず生き続けていくんでしょうね。

私のいる広告制作の世界も、いつも「商品」が軸なので、ほぼ日ののびやかさはうらやましくもあり、自分の人生の問題としても、糸井さんのこの10年というのはすごく気になります。

投稿: mb101bold | 2008年3月16日 (日) 12:12

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