なんやその辛気くさい顔は!俺や!俺や!玄関開けてくれ!
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NHKの「ケータイ大喜利」を見ていて、久しぶりに腹を抱えて笑いました。「なんやその辛気くさい顔は!酒や!酒や!酒買うてこい!」というセリフに飽きちゃった。岡千秋さん、何と叫んだ?で、その解答。
なんやその辛気くさい顔は!俺や!俺や!玄関開けてくれ!
残念ながら最優秀作品賞は逃しましたが、私的にはこれがいちばん。あんたやから玄関開けへんのや、という嫁さんの顔が目に浮かびます。うちの父親は、けっこう飲む人なので、子供の頃はそういう光景をよく見ました。
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最近知ったこと。Typoというのは、誤植のことなんですね。タイポというとタイポグラフィーの略としか認識していませんでした。タイポどうする?ゴシックの太いヤツでバーンでいいんじゃない?みたいな使い方しかしませんでした。ネットでよく見かけるTypoというのは、Typographical errorの略だそうです。
Typoですね。ご指摘ありがとうございます修正しておきました。
そんな感じのやりとりをコメント欄でよく見かけます。なんか愛嬌があって、安心できる響きがあります。それが、誤植ですね、というふうになると、我々広告制作者はドキッとしてしまいます。誤植は、もう想像するだけで怖いです。0ひとつないだけで担当者の首が飛んでしまいますものね。
百貨店の新聞広告をやっているときに、大規模な誤植をやらかしてしまいました。その誤植事件のことは、いまだ夢に出てきます。ほんと、もうこの仕事辞めよう、というか、なにかの秘密組織が登場して、はい、君、もうこの仕事やっちゃダメだから、と両手をつかまれてどこかに連れて行かれるんじゃないかと思いました。お暇な方は「誤植の顛末。」というエントリーを読んでみてくださいな。
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吉本興行と言えば、今や就職先としても人気がある一流企業ですし、吉本に入りたい芸人志望の人もたくさんいるかと思います。でも、私がガキの頃はそんな感じでもなかったです。よくいたずらをすると、母親に「そんなことしたら、吉本入れるからな」と言われました。「吉本入るのいややー」とか言ってました。けっこうこの手の話、関西人から語られますが、誇張ではなく、ほんとの話です。関西人とお笑いの関係は、そんな感じです。
吉本興行が偉いなあと思うのは、箱を維持しているところ。松竹芸能もそうです。箱というのは劇場のこと。吉本だと花月、松竹だと角座。角座はちいさくなって、B1角座という名前に変わりましたけど。箱は収益的にはつらいものがあるでしょうけど、これがなければ芸能は長い目で見るとしんどいでしょうね。ジャズとかポピュラー音楽も同じで、箱がないと文化は育たないような気がします。
大阪では、桂三枝さんを中心に、市民の力で新しい寄席をつくったそうです。繁盛亭という名前です。大阪天満宮の近くにあります。その名の通り繁盛しているそうです。うれしいことですね。できれば繁盛亭で桂枝雀さんが見たかったです。それはもう叶わないですが。
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最近は軽めのことばかり書いているような気がします。春だからでしょうか。仕事では、去年の末から始まったキャンペーンがきちんと目標を達成したカタチで終わり、石川県限定で流したテレビCMもきちんと効果を出したとのことで、ちょっと一段落感があって、そのあたりも影響しているのかもしれません。
最近は企業全体のことを考える仕事が増えてきました。社長さんや経営陣の方とお話しする機会もあり、やはりいろいろと考えておられるのだなあと感心します。広告会社は、若いクリエーターも含めて、とかく教えてやるという感じになってしまいがちですが、それは間違いだと思います。過剰に恐れる必要もないとは思いますが。
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4月26日から東京芸大美術館で「バウハウス・デッサウ展」が開催されます。バウハウス(BAUHAUS)というのは、ドイツヴァイマールに1919年に誕生した造形芸術学校で、現代デザインの基礎を築きました。その後、デッサウなどに移転しますが、ナチスの台頭で閉校を余儀なくされます。
合理性からデザインを考える。不要な装飾を削ぎ落としていく。いま、当たり前のように見られるデザインは、もとをたどればバウハウスに行き着きます。美しく見せる、偉くみせる、賢く見せる、ではなく、機能を追求し、作りやすく、使いやすく、長持ちするために何ができるかを考える。その結果、美しい。そんな考え方です。
それを広告に当てはめると、伝わりやすく、心に深く届くように、徹底的に機能性で考えるものが、結果として美しく、楽しく、おもしろい。おもしろい広告ではなく、広告がおもしろい。そんな感じの広告をつくりたいものです。
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かつて『「広告がおもしろい」ことと「おもしろい広告」は、きっと違うんだろうね。』というエントリを書きました。これに補足すると、昔、ダイエーの中内さんが、とある事情で大量に在庫が出来てしまったコーラを売るために、「お願いです。買ってください!」という文字がでかでかと書かれた新聞広告を出したことがあって、中内さんが直接指示して作ったものだったそうで、デザインもやぼったかったけど、すごく広告としておもしろかった。そういうふうに、企業が新聞を使って伝える広告という行為自体が持つおもしろさです。
そうか買ってほしいんだな。と思いました。ちょっとドキドキしました。そこには中内さんの顔写真があって、そこには詳しくは忘れてしまったけれど、「プライベートブランド大王」みたいなことが書いてあって、ボディコピーを読むと、中内さんのPBに対する哲学が、やさしい言葉で書かれていました。これが広告だと思うんですね。
中島らもさんが、大阪のたこ焼き屋さんが手書きした「こんだけうまくて300円。どやっ。」という張り紙を見て、広告屋はこの「どやっ。」というたこ焼き屋のおっさんの熱い想いに勝てるのか、みたいなことを言っていましたが、ほんとそう思います。
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