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2008年10月17日 (金)

ひっそりと「先見日記」が終わっていた。

Senkennikki_2

 静かな終わり方でした。ウェブが今ほど騒がしくなかった頃、NTT DATAの「先見日記」はとても輝いて見えました。2002年開始だそうです。こういうジャンルがWEBマガジンと呼ばれ、ウェブサイトが紙の媒体のカウンターメディアとして強く意識されていた頃ですね。その頃の空気で言えば、ウェブという言葉より、サイバーという言葉の方がしっくりくるのかもしれませんね。サイバー空間に書くということは、既存のメディアに書くこととは違う意味合いを持つ。そんな感覚が、この「先見」という言葉に表現されているような気がします。

 私は、かつて熱心な読者でした。特に片岡義男さんのコラムのファンでした。小説はあまり読んだことがなく片岡さんに対しても、あまり知識がなかったのですが、サイバー空間で綴られる片岡さんの言葉に魅了され、読み続けた記憶があります。そう言えば単行本も買ったな。あれ、どこにあるんだろう。

 まだブログは普及していませんでした。テキストサイトや「さるさる日記」のような日記サービスが全盛だった頃ですね。高機能ブログツールが個人で簡単に使える今では、「先見日記」の執筆者としてコラムを書くことと、その執筆者が自身のメディアであるブログでコラムを書くことの差が見えにくくなっているのかもしれません。

 私はかつて熱心な読者ではあったのですが、一頃、この「先見日記」を読まなくなった時期が長くありました。薄情なものですよね。でも、これが消費者の真実でもあるんですよね。RSSリーダーを使い出すようになって、面白いので、いろんなサイトを登録しているうちに、ふと「先見日記」を思い出し、しりあがり寿さんのコラムをたまに読んだりしていて、久しぶりに覗いてみたら終わっていた、という感じでした。

 「先見日記」終了にあたって、NTTデータ広報部名義で、次のような言葉を書かれています。一部引用しますが、どうか前文目を通し読まれることをお薦めします。下段には、開設当初の言葉も掲載されていて、2002年から2008年という時の流れがわかる時代の証言でもあるからです。できることなら、この「先見日記」はしばらくの間ではなく、この先もずっと残しておいてほしいな、と思っていますが、これもまた、薄情な消費者のわがままというものなんでしょうね。

先見性をもって活動されている各界のオピニオンリーダーが、日記形式のエッセイを毎週連載するというスタイルはご好評いただき、多くのメディアやblog等で引用されるなど、企業が発信するユニークなメディアとして一定の役割を担ってきたと自負しています。開始当時はまだ日本はblog開花寸前の時期でしたが、現在は多くの方がblogを持たれ、ご自身の意見を発信されるようになりました。「先見日記」という形式の一端は、blogでの個々人の表現活動に十分引き継がれていると考えています。多様性は未来への知恵を育む土壌でもあります。であるからこそ、この先も、インターネットが健全な言論の場でありつづけることを心から願っています。
「先見日記」終了にあたって

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コメント

わたくしも愛読しておりました。先見日記。淡々と更新されていることだけでも価値がありましたね。残念です。リンク先を読んで、上田壮一君の名前を発見! 某広告会社のOBです。飄々とした彼らしい企画だったのだな、と改めて感じました。
http://www.jp.horiba.com/sensorium/mirai/f_ueda.htm

投稿: tom-kuri | 2008年10月17日 (金) 11:15

「先見日記」が、企業の企画でもあると同時に、また広告屋の企画でもあることは、同業としてなんか誇らしいですね。がんばらなくちゃ。

投稿: mb101bold | 2008年10月17日 (金) 13:38

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