新宿には村があります。
とある企業の冬キャンペーンのCMで、新宿村に。本日はオーディション。芝居やダンスが好きなひとならご存知かもしれませんが、新宿村というのは西新宿と中野坂上の間にある貸しスタジオです。いくつかのビルが集合していて、村のようになっています。今では近くに大きな道路ができましたが、昔はほんと何もないところにぽつんとある集落のような感じだったとのことです。
ダンスのことは良くわかりませんが、我々CMチームのほかにも、劇団の若い人たちやダンスチームなんかが大勢いました。今回のCMでは、南流石さんに振り付けをお願いしました。総勢100名超えのオーディションでしたので、昼1時から夜7時までの長丁場でしたが、合間の休憩で、外のたまり場で休憩をとっていると、若い人たちが南さんに「ども、お久しぶりです」なんてかわるがわる挨拶をしてきて、ああ、ここはほんとに村なんだよなあ、なんて少しうらやましく思いました。南さんのような大先輩は、若者たちにとっては励みなんでしょうね。あまりこういう文化圏のことは親しみがなかったので、いいよなあ、そういう感じ、となんかじみじみ。
このCMでは、今、福岡のCG会社で、その企業のキャラクターである子豚さんたちがCGディレクターさんとCGデザイナーさんたちの手によって、着々とダンスの練習をしています。オーディションで選ばれた人たちと、福岡で完成した子豚さんたちのダンスが、五反田の編集室のサーバの中で出会って、はじめて共演するという塩梅です。ちょっと不思議な感覚のつくりかたをしています。
今回のCMでは、テレビの前の子供たちが踊りを真似する、という目標をかかげています。その目標をもとに、南さんが振り付けを考えてくれているのですが、南さんの振り付けラフを見ながら、ダンスというのは、骨とか筋肉とかをどう活かしていくかということなんだな、と思いました。動きに無理があったり、無駄があったりするのは、ダンスとしてはいまいちで、それがたとえ複雑で難しく見えても、こちらも真似したくなるようなダンスは、どこかに骨や筋肉の必然があるんですよね。
だからといって、そのダンスは誰にでもすぐにできるというわけではないのですが、なんかそれを身につけたくなるような感じなんですよね。ちょっと練習してみようかな、と思いました。日常生活では、我々は体を半分も使っていなくて、自分の持っている身体の機能をフルに使うためには練習も必要で、子供たちが面白いダンスを真似るというのは、きっと、自分が知らない自分の体の動きを体験してみたい、という本能みたいなことなんだろうと思います。
大人は、その本能みたいなものを抑圧しがちなんだろうな、とオーディションを見て思いました。ああ、この人、それを取り戻すには時間がかかるだろうな、と。ダンサーというのは、その点、大人になってもその本能を開放し続けている人のことで、南さんなんかはその代表格だと思うのですが、そのことに気付いて、やっぱり素人くささよりも、プロの凄みのほうをチョイスすべきだな、と思いました。素人をチョイスしようと思っていた私は、少し子供をなめていたのかもな、と反省。
オンエアは12月初旬で、その他にも新聞やポスター、パンフ、ウェブの制作で大忙しですし、このご時勢、他にもいろいろ大変なんですが、なんとか明日は休めそうです。みなさんもよい休日を。ではでは。
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コメント
mb101boldさん、こんにちわ(^^)
子豚さんたちって・・・もしかしてあの子豚さんたちでしょうか?第二弾?あれ可愛かったです。
投稿: ggg123 | 2008年11月10日 (月) 11:59
ggg123さん、どもどもです。
もしかすると、あの子豚さんたちかも。違うかも。ま、そのへんは大人の事情です(*^-^)
投稿: mb101bold | 2008年11月10日 (月) 12:39