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2008年11月 5日 (水)

あるクリエイティブ・ディレクターさんから聞いたTKの話

 お金が身を滅ぼすというか、なんかどんよりとした気分になってしまいました。これからマスコミやブログなんかでいやというほどTKについてのやな話がいっぱいでてくるでしょうから、私は、あるクリエイティブ・ディレクターとの雑談で聞いた、ほんわかしたエピソードを。もうかれこれ10年以上前なので、真偽のほどは保証なしですし、あくまで聞いた話なので、そこらへんを加味して読んでいただければ幸いです。

 そのクリエイティブ・ディレクターさんは、全盛期のTKとCMの仕事をご一緒したそうです。TKが華原朋美さんのプロデュースをしていた頃で、globeの人気も最高潮だった頃。当時、取り巻きが50人くらいいたそうで、ちょっとしたCMの打ち合わせをするのにも、その取り巻きたちを通さなければならず、大変だったとのこと。で、やっとこさTKと話すことができると、ただの音楽好きの兄ちゃんで、「あっ、それ面白いじゃん、じゃあ、こんな感じでいきます?」みたいな感じだったんですって。まったく嫌みなところもなく、お高い感じもなかったとのこと。

 でも、やっぱりそれでもお話をしていくと、ところどころに「家に10色のフェラーリーがあって、まるで色鉛筆みたいなんですよね」とかいった話は出て来たりして、うへぇ、すげー、となって、音楽のことを話しているときの少年っぽい感じとのギャップが不思議だったなあと、そのクリエイティブ・ディレクターさんがおっしゃっていましたです。まあ、フェラーリーが色鉛筆みたいに並んでるという表現も、それはそれで少年っぽいとも言えますが。

 CMの撮影現場にて。TKは、「ラ王」というカップ麺が好物だったそうで、お湯をわかしてひとりスタジオの隅で食べていたそうです。通常は、タレントさんは特別なロケ弁とかなんですが、あくまで控えめな感じで「いえ、僕はこれ食べますんで」という感じだったそうです。そこに例の取り巻きさんがいらっしゃって、「TK、お疲れ。」とか言って差し入れにドンペリ。ピンクのドンペリをコップに注いで、「ラ王」をすすりながら飲んでいたとのこと。このへんのバランスも、ちょっと不思議な感じですね。

 私的には、TKは圧倒的に「My Revolution」の作曲者で、あの曲はほんと見事だと思うんですよね。あの1曲で、TKはすごい才能だな、と思いました。以降のクラブ的な音作りは、私にはよくわからないし、TM Networkやglobeなんかも、あまりピンときませんでしたが、徹子の部屋で「日本のヒット曲を聞くに、これなら僕は軽く超えられる」みたいな趣旨のことを言った自信は、ちゃんとした才能に裏付けられたものだったんだろうなと思います。

 そのクリエイティブ・ディレクターさんの話を聞くに、なんとなくTKは、音楽が好きで好きでたまらない少年だったんだろうな、と思うんですね。テレビで過去のインタビューが出ていましたが、そのときに、インタビュアの「すべて手に入ったんじゃないですか?」との問いに、「まあ、何かがほしくてはじめたわけじゃないですから」と答えていたのは、案外本音なんだろうなと思いました。

 報道を見る限りでは、けっこうだます意図があったみたいだし、そもそも詐欺事件としては桁が違うし、本人も認めているみたいで、なんだかなあ、と思いますが、ああいう稚拙な感じの嘘をつけるのも、お子ちゃまな証拠でもあるし、まわりの人に、きちんとした人がいなかったのかな、なんて思います。もちろんきちんと罪は償わなければいけないけれど、ひとりの才能のありすぎるお子ちゃまとしてTKをみたとき、ちょっと気の毒だな、という気持ちもありますね。まあ、お子ちゃまで許される年齢ではないけれども。なんか複雑な気分。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

おはようございます。乱入者です。

考えてみると、矢沢の永ちゃんは
偉かったということでしょうか?
数十億円騙し取られても完済して
しまったあのパワー然り。
音楽だけじゃなく、ビジネスに至る
まで何だかんだ言っても今も現役。

T.Kの出所後。
元の3人組でやるのか一人でやるのか
知りませんが、永ちゃんの足跡を
なぞってみるのも必要なのかな?

*成り上がりの続編「アー・ユー・
ハッピー?」も絶品ですよ。

投稿: 乱入者 | 2008年11月 5日 (水) 06:02

少し前に起きたit企業の、
有名社長事件も、
今回の音楽家事件も、
同じ香りを感じ、
デジタル社会の歪みに思える。
デジタル音楽を駆使する、
tkさんは、嫌いなタイプだったが、
今回の事件で、同情してしまう、
自分はアナログ人間か?
だます方もだまされる方も、
デジタルの同類項!

投稿: あんぷおやじ | 2008年11月 5日 (水) 06:51

>乱入者さん

ウィキペディアによると「土地取引を巡り、34億円という巨額の経済事件となった。これはオーストラリア犯罪史上2番目の被害額である。」だそうです。それを完済するパワーはすごいもんですね。「アー・ユー・ハッピー?」確かに絶品でした。

>あんぷおやじさん

儲けすぎると、税金対策とかなんやらで浪費スパイラルというのはあるんでしょうね。麻痺してしまうというか。絶頂期から、たかだか10年くらいなのに、って思います。
TKにはライブハウスでギター1本みたいな戻る場所というのがなかったのかな、というのが音楽家としては少し不憫ですね。

投稿: mb101bold | 2008年11月 5日 (水) 10:46

TKさん、ちょっと可哀想です。(´・ω・`)
あのかた、学生時代にいじめにあっていたという噂もあるし、取り巻きが50人のお話からも、周りには彼に”たかる”ような人ばかり多勢いたのだろうなと。あれだけ借金がかさんでいた中でも奥さんにそのことを知らせていなかったらしいし、生活レベルを落とせなかったのはそのせいもあったのだろうと思います。音楽以外はほんとうに子供のようなひとなんでしょうね。逮捕されていまごろほっとしているのではないでしょうか。

投稿: ggg123 | 2008年11月 5日 (水) 12:49

そですねえ。なんかテレビで逮捕されたときの映像が出ていましたが、ほんとしょんぼりって感じで。けっこう確信犯の人とか、大スターの人とかは、あんなときでも目力あるじゃないですか。それがまったくなくて。

>逮捕されていまごろほっとしているのではないでしょうか。

それはそうかもしれませんよね。なんか、ほんと複雑な気持ちになります。

投稿: mb101bold | 2008年11月 5日 (水) 13:32

テイクアウトした吉牛を一緒にこたつで食べたことがあります。
素朴な人ですけどね。

「悲しいね」は名曲です。

投稿: takupe | 2008年11月 5日 (水) 22:24

それはなんかしみじみしたエピソードですね。「悲しいね」もいいですよね。
YouTubeを見ていたらコメントにこんな言葉がありました。
There is no use crying over a spilt milk.

投稿: mb101bold | 2008年11月 5日 (水) 23:49

こんにちは。およそ当時から興味のない音楽だったので、ことの顛末までお粗末に感じてます。音楽として唯一良いなぁ...と思ったのはmb101boldさん同様、
"My Revolution"のみ。(他の記憶ないし...)
それすら渡辺美里さんが歌うからかなぁ...と思ったりしてました。(彼女は歌に誠意を与える感じがするのですよ)私の中でTK氏とはドンペリの如く演出されたラ王の様なものだったのかも知れません。

投稿: kaz | 2008年11月 6日 (木) 03:32

確かに大人目線で言えば「お粗末」の一言なんでしょうけどね。まあでも才能はある人だったんだと思いますよ。なんかglobeの全曲配信停止になっているようですが、ちょっと行き過ぎかなあと。曲には罪はないしなあ。でも、そうなるのは、彼自身が楽曲=ビジネスにしすぎた現れなのかもなあ、と思います。

投稿: mb101bold | 2008年11月 6日 (木) 10:02

こんにちは、いつも更新楽しみにしている若造です。

TKは「お金中心」の生活というよりは、「所有物中心」の生活を送られていたのかなと思います。
所有物中心の人は自尊心が常に揺らいでおり、一貫性、安定感、または一定の自分というものを持っていないのかなあと。
自殺という選択は避けてほしいですね。

投稿: masa | 2008年11月 6日 (木) 13:48

masaさん、はじめまして。
生活がどうだったのかはいまいちわかりませんが、どちらにしてもなんか自分が侵食されていくというのはあるんでしょうね。こういうとき、利害の関係がない肉親とか伴侶とか友達とかが重要になるような気がします。

投稿: mb101bold | 2008年11月 6日 (木) 15:20

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