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2009年2月13日 (金)

今回のGoogle騒動を雑誌媒体になぞらえると

 世の中のありとあらゆるコンテンツを集めるという「Google」という名の雑誌があって、読者の投票と編集委員の厳正なる投票でランクが高いものが前の方のカラーページに掲載されていて、読者は読者でカラーページを楽しみにしていて、人気が高い。その雑誌の主な収入源は広告収入で、当然、大人気のトップのカラーページの広告媒体費は高くて、ページを追うごとに安く設定をされている。

 この雑誌、なぜかこの分野ではナンバーワンになっていて、今、世の中のコンテンツで何が人気があるのかがすぐ分かるみたいな感じに思われていて、なぜそんなに信頼があるのかというと、それは不正な読者の投票を防ぐ仕組みがしっかりしていて、編集委員もすごく厳正だ、と思われているから。それが本当かどうかは分からないけれど、世間的にはそう信じられている、と。

 で、この「Google」という雑誌、欧米なんかでは名実ともに圧倒的なナンバーワン雑誌なんですが、日本では「Yahoo!」という、明るくて、楽しそうで、垢抜けていて、総花的で便利情報なんかも取り揃えたランキング雑誌が人気で、どうしてもトップシェアがとれない。で、どうしたもんか、と日本の「Google」編集部は考えた。そうだ、キャンペーンやりましょ。

 世の中のありとあらゆるコンテンツ制作者が注目しているキーワードがすぐにわかって自動で更新される早見表をおまけに付けましょう。で、読者にこの早見表の便利さを記事にしてもらいましょう。記事にしてもらうために、読者ライターをとりまとめる会社に依頼して、たくさん記事を書いてもらいましょう、と。で、この日本の編集部の考えたキャンペーンを知った「Google」本部。

 「我々は世の中のありとあらゆるコンテンツを厳正なシステムでランキングすることで人気がある雑誌だ。広告の意図を隠した読者の記事を排除するシステムもがんばって作ってきた。だから、我々の雑誌は読者から信頼を集めているし、トップのカラーページの広告枠はクライアントから高い評価をいただいている。その中に、自らが仕掛けた広告記事をコンテンツに紛れ込ませるとは、どういうことだ。即刻中止せよ。」

 と激怒。日本の編集部はキャンペーンを即刻中止。まあ、これは自分の雑誌の信頼を守るという内向きな理由での中止だから、謝罪文は、あいまいでちょっとわかりにくくなってしまったけれど、とりあえずすぐに謝罪。

*    *    *    *

 とまあ、こんなところなのでしょうか。間違っていたら、ごめんなさい。あと、補足しておくと、雑誌でいう「純広」の媒体費の大小というのは、Google的にはクリック単価×クリック数の大小になります。

 Googleさんとしたら、検索精度を高めることは、収入源としての「純広」であるAdWordsの信頼を守ることにもつながっていて、そこから派生するAdSenseは、AdWordsの信頼に支えられている構造ができていて、Googleさん的には、多くの良質な手弁当コンテンツ制作者に対して、コンテンツの独立性(これがGoogleの信頼を支える担保になるもの)を保持しながら、金銭的な支援しているという気概があるに違いないし、手弁当コンテンツ制作者にとっては、今は妙な広告が表示される技術的な問題はあるけれど、コンテンツの独立性をこれまでの新聞とか雑誌程度には保つことができる「純広」収益システムが手に出来るということだし、コンテンツの独立性を阻害するあらゆるものは排除しなければ、という強い動機があったんでしょうね。まあ、事実としては、単なる日本Googleの内規違反に過ぎないのでしょうが。

 GoogleだってブログをAdSenseとかで利用して来たじゃないか、ブログなんてほとんどスパムじゃないか、日本の新聞だってテレビだって提灯記事や提灯番組がいっぱいじゃないか、という論があるでしょうが、そういう意味では、それなりにスパムを排除するシステムをつくっているし、Googleは、「記事広」という広告システムを持つ既存の新聞や雑誌よりも厳しいし、徹底して「純広」一本でいく気概があるのでしょう。この種の批判については、Googleは痛くも痒くもないはず。わしゃ、既存の新聞や雑誌、テレビのようにはならんぞ的なこと思っているはず。

 ペイパーポストの是非については、WOMの専門家ではないから正直よくわからないところはあるけれど、個人的には、自然発生的に記事が生まれるのが理想だな、とは思います。だから、広告屋としても、ブロガーとしても、あれは利用しないだろうな。でも、ブロガーミーティングについては肯定派です。どう書かれるかはわかりませんし、書かれないこともあるし、それに、一度企画して実施したけれど、ああいうふうに実際に生の声を聞く機会はなかなかないし、手法としてはイベントに近い感じを持っています(追記:でも運用次第かも)。それよりも何よりも、噂をしたくなるような仕掛けや企画は常に考えなくちゃな、と思っています。自発的な噂のほうがWOMとしては強力だし。

 でも、今回は日本支社が本社の内規に引っかかったというのが、ちょっと分かりにくくしているところもありますね。自身については、商売の根幹にかかわるので厳しくなりがち。なので、WOMマーケティングについてのGoogle的な基準がわかりにくくなっていますね。そういう「記事広」的なコンテンツに対してどう許容してどう拒絶するのか。その基準は何なのか。それが不明瞭。

 それと、日本ではYahoo!がトップシェアだけど、やはりGoogleの独占みたいなものがあって、Googleの基準がウェブの基準みたいなことろがあるから、ややこしいんでしょうね。ほんとは、この問題は、Googleという一民間企業の判断の問題にすぎないのだろうし。でも、現実はそうじゃないからこその騒動でもありますね。

CNETJAPANのブログ「渡辺隆広のサーチエンジン情報館」の記事「Google、ペイパーポストのブログマーケティングで謝罪で騒動の概要が分かりやすく解説されています。また、この中に出てくる「純広」という広告用語については私のエントリ「「純広」という言葉が持つ意味」をお読みいただければと思います。

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