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2009年3月28日 (土)

ネットで質の高い記事を書くたったひとつの方法

 それは、各種マスメディアで活躍する"ジャーナリスト"と"大学生"が、共に取材を行い、記事を制作する、実践的かつ実験的な大学生向けのジャーナリスト育成プログラム「スイッチオンプロジェクト」で学ぶこと。

 ま、冗談です。釣りです。でも、結局のところ 日経IT-PLUS「書くことの難しさ ネットの言論はなぜ質が低いか」という記事の「質の低さ」は、そういうふうに読めてしまう記事広告的な部分に起因しているのではないかな、と思いました。この書き方、元記事が言及している意味での「既存のメディア」なら[PR]と小さく表示することになるだろうし、むしろこの元記事自体が、この記事が投げかける問いかけのひとつの事例になってしまっているように思います。

 で、本当はこういう部分に、ネットも含めた言論というかコンテンツ全体の「質」の問題があり、結局、コンテンツに対する「見返り」の部分をどこに求めるか、ということが問われているような気がします。多くは、これまで、コンテンツと分離された「純広」であったし、それなりにうまく機能していました。その「純広」でさえ「質」に影響を与えると考える人は、広告収入に依存しないメディアをつくっていきました。「暮らしの手帖」とか「ほぼ日刊イトイ新聞」とか。

 もしネット言論の質を上げていくという問題意識を持つ書き手が考えるとすれば、その「見返り」の部分を、個人がメディアを簡単に持てるネットという場自体が持つ甘さやゆるさを利用することを捨てるというか禁じ手にする「品」みたいなものが問われてくるような気がします。

 つまり、元記事で言えば、「スイッチオンプロジェクトのご紹介です。ネットで書くみなさんがなかなか習得できない書くことに対する体系的な技術がここで学べます。」と書く、みたいなこと。その記事を、メディアである日経IT-PLUSが記事として認めるかどうかは別問題として。(特にこのプロジェクトについては、異論はありません。見たところ、価格も安いし、おもしろそう。それぞれの人が熱意を持ってやっている有意義なプロジェクトっぽいなあと思ってます。)

 少なくとも、「スイッチオンプロジェクト」の紹介を落としどころにするならば、純粋な言論や問題提起を装わないとこが必要だったのではないかなと思います。それは、記事としてはつまらないけれど、そのつまらなさを引き受ける「品」というか、そんな書き手の問題意識が問われてきます。品質と言いますし、質を決めるのは技術よりも、むしろ品でしょう。もちろん、基礎的な技術は当たり前にいるとして。

 このへんのことは、たまたま前回書いた「判断の領域」というエントリの「認識」と同じなのかもしれないです。「品」を「認識」と言い換えてもいいのかもしれません。

 それと同時に、ネット単独での言論に対しての「見返り」のシステムをきちんと構築することだろうと思います。どちらかというと、こちらの方が「質」の部分では重要。衣食足りて礼節を知る、下部構造が上部構造を規定する、ではないですが、個々の「品」に求めるには限界があるでしょうし、現状、その構造が中途半端にしかない以上、手弁当による限界が、大きくはネット言論の限界ということになるでしょうね。(これは、どちらかと言うと、取材費とか、時間のかけ方とか、そういう部分での限界でしょうけどね。)

 ぶっちゃけ言えば、お金の問題。今言われている、既存メディアの問題も、ネットメディアの問題も、つまるところ、このお金の問題なんだろうな、と。既存メディアで言えば、この収益システムは壊れかけているし、ネットでは、ネット単独でメディアを成立させるには、まだ未熟。で、崩壊しかけている、もしくは未熟なシステムを最大化させるためには、過剰に、視聴率、部数、PVを追いかけないといけなくなり、それはやがて自身に牙を剥いてくる。そんなジレンマが、今の時代の息苦しさなのかな、とも思っています。

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コメント

ご無沙汰しています~
スイッチオン主宰のガ島通信こと藤代さん、マイミクですので、いつが一緒にビールでもどうですか?

投稿: tom-kuri | 2009年3月29日 (日) 23:45

お久しぶりです。こちらこそご無沙汰しております。お元気ですか。
上記の件、このエントリきっかけだと答えにくいですね。こちらからぜひぜひというものでもないと思いますし。
まあ、上記日経IT-PLUSの記事の著者である藤代さん個人に対しては、あの記事以外にあまり何も知らないし、何もないんですけどね。

投稿: mb101bold | 2009年3月30日 (月) 01:27

>mb101boldさん、ども。
 こんにちは。
 たしかにそうですね。
 わたくしもnetで酷評している人に会うときはさすがに緊張します。あ、いえ。このエントリが酷評というイミではありませぬ(笑)
 ではまた。

投稿: tom-kuri | 2009年3月30日 (月) 12:10

>あ、いえ。このエントリが酷評というイミではありませぬ(笑)

いえ、酷評でしょう(笑)
元記事がネットの言論の質を問うという話だったので。言論としての質を個人メディアではないIT-PLUSというメディアで問うならば、記事自体がパブ的な構造を持っちゃいけないという指摘は、書いた本人からすれば、ある意味酷評だと思いますよ。

投稿: mb101bold | 2009年3月30日 (月) 13:09

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