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2009年3月12日 (木)

丸善のブックカバー

 三越前にある、とある企業でプレゼン。その帰り。いい天気でしたので、日本橋の丸善まで足を伸ばしてみました。少し前にリニューアルをして、ずいぶん現代的な本屋さんになっていて、すこしびっくり。前はもっとやぼったかったというか、男くさかったような気が。

 そう言えば最近は本を買ってないよなあ、なんて思ったので、特にお目当てもなく、タイトルを見て、気になったものを手に取って、ちょっと立ち読みして、これよさげと感じた文庫本と新書を何冊か購入。リアル書店は、こうでなくっちゃ。

 「ブックカバー、お付けになりますか?」

 と店員さんが聞くので、はい、と答えました。というか、最近、どこのお店でもよく聞かれます。スーパーに行っても、ポリ袋いりますか、なんて聞きますよね。あれ、どうなんでしょう。ポリ袋がいらないと意思表示したお客さんにはつけない、でいいような気が。はい、と答える自分が、なんとなく悪いことしているような気分になるんですよね。時代ですかね。

 人によっては、本にカバーがついているのに、そのうえにカバーかよ、みたいなことを言う人もいます。まあ、それはそうなんですが、私はなんとなく、本屋さんのブックカバーは好き。古本屋さんなんかは、すごく丁寧にカバーをつける店員さんがいたりして、本を大事にしているんだなあ、なんて思います。

  ●    ●

 丸善のブックカバー、変わりましたね。私は、ふだんはあまり丸善には行かないので、今頃気づきました。写真がいまいちピンボケだけど、こんな感じ。写真が下手ですみません。雰囲気は伝わるでしょうか。

Ura_3

 硬派になりましたね。ベーシックデザイン感があって、いいですね。紙もちょっと厚めで、シンプルだけど高級感があります。ロゴの下の部分を大胆にカットしていますね。これ、何気ないですが、企業のデザインとしてはかなりアバンギャルドです。その上には「日本の知、本の力。丸善」というコピーがベーシックな明朝体のフォントで組まれています。

Omote_4

 裏表紙もなかかなカッコいいです。MARUZENと、長い縦いっぱいに、タイポをドーン。いいなあ、こういうの。文字間の取り方とか、いろいろ微妙なことろがバウハウス的。なんか、こういうベーシックなタイポグラフィー、久しぶりに見ました。表紙のMがローマン系で下位置、裏表紙がヘルベチカ系で横端位置。そのコントラストももいいですね。鮮烈です。

Naka_2

 扉です。右肩には新聞明朝っぽいクラシックなフォントで丁寧に組まれたメッセージがあります。ちょっと読みにくいので、書き起こしてみました。

触れることから、本との冒険は始まる。

明治二年(一八六九)横浜に産声をあげた「丸善」は、翌年には日本橋にも店舗を構えました。丸善創業者の早矢仕有的(はやしゆうてき)は、福澤諭吉の日本近代化思想に共鳴し、門下となった人物です。福澤の描く近代化を実現するために、早矢仕は、西欧の科学、技術、文化の導入が力になると考え、知と文化を事業とする丸善を興しました。二十一世紀、創業の志を胸に丸善は、書籍、文具、雑貨を通して知的環境を創造していきます。

 なるほど。こういうのを読むと、本は丸善で買おうと思う人もいるかもしれませんね。でも、人によってはくどいと感じる人もいるかも。本の脇役のブックカバーなのに、がんばりすぎという意見もありそうです。

 でもまあ、振り切れているので気持ちはいいです。みんなに好かれようとして、どっち付かずになるより、ずっといいですね。こういう振り切りはいいと思います。実際、仕事では振り切りが甘くなりがちなので、これをつくった人、いい仕事をしているなあ、と思いました。

Mukasi

 ちなみに、上の写真は、昔の丸善のブックカバー。これはこれでいいですね。ポスターカラーを練ってたころのグラフィックデザインというか、日宣美という感じで、一周回って新しく感じます。今、こういうデザインを本気でやろうと思っても、なかなか難しいのではないでしょうか。デザインって、案外、というかものすごく時代を反映しますから。

 ●    ●

 ネットを眺めていると、ブックカバーが好きな人はやっぱりいらっしゃいました。全国のブックカバーを収集されています。眺めているだけで、楽しい気分になるウェブサイトです。本屋さんのブックカバーが好きな人は、ぜひどうぞ。

YAKONEKO ROOM 書皮館
http://yakoneko.hp.infoseek.co.jp/index.html

ブログ「YOKONEKOと本と…」
http://blogs.yahoo.co.jp/chesyakoneko

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コメント

おはようございます

丸善のブックカバー、かっこいいですね…
雰囲気十分伝わってきますよー。
名古屋では建築系図書が一番揃っている(気がする)のが丸善なのでちょくちょく行くのですが、ブックカバーは見たことがありませんでした。
丸の内本店のサイン計画を廣村正彰さんがされていて、作品集にこのロゴが載っていました。名古屋も同じブックカバーなのかなあ…
これ見たさに文庫本買ってしまいそうです(笑

廣村さんのお仕事では、横須賀美術館のサイン計画が好きです。
http://www.yokosuka-moa.jp/
太平洋を目の前にした立地と、山本理顕さん設計の美術館自体もとても気持ちよくて、しあわせな建築だなあと思いました。

投稿: ノビ | 2009年3月12日 (木) 07:43

いい感じのデザインですね。
僕はあえてブックカバーをつけてもらわないんですが、これだったら一枚は欲しいかなって感じです。
大阪では、見かけないなと思ったらちょっと行きにくい場所にあるんですね。今度、東京出張があれば是非よってみようと思います。

投稿: coro | 2009年3月12日 (木) 09:51

>ノビさん

なるほど。言われてみれば確かに、廣村正彰さんっぽいですね。このブックカバー、紙も厚めで、いいですよ。サイズによって折り曲げるタイプではなく、定型で。表紙の扉部分がきちんと折り曲げられて糊付けされていて、きちんと袋になっています。それもグッドです。
横須賀美術館の写真、ありがとうございます。拝見しました。気持ちよさそうですね。

>coroさん

大阪は関空、なんばOCAT、八尾にあるみたいです。大阪人にとっては丸善はあまりなじみがないですね。もっぱら旭屋かな。それとジュンク堂。昔だと駸々堂ですね。
>今度、東京出張があれば是非よってみようと思います。
東京駅の丸の内口を出てすぐのOAZOというビルに入っていますよ。あそこの喫茶店のハヤシライス、おすすめです。

投稿: mb101bold | 2009年3月12日 (木) 16:04

この新しいカバー、日本橋店限定のデザインで
ほかの店では今でも旧デザインのままかもしれないです。

私も初めてこのカバーをつけてもらったとき、すごく気に入って
「今度から本は丸善で買うぞ!」と思ったのに
近くのオアゾ店で買い物をしたら、前と同じカバーをつけられて
ひどくがっかりしたことがあります。
(ちょっと前の話なので、今はどうだかわからないです)

日本橋店は、わざわざ行こうと思わないと立ち寄れない場所なのですが
それでも、あのカバーをつけてもらうために行きたいと思えるほど
好きなカバーです。
ほんといい感じですよね。
カバーが掛かっている本も、思わず大切に扱ってしまいます。

投稿: mio | 2009年3月14日 (土) 18:37

mioさん、こんばんは。

>この新しいカバー、日本橋店限定のデザインでほかの店では今でも旧デザインのままかもしれないです。

なるほど、その可能性はあるかもですね。確かに、紙がいいし、つくりも丁寧。つまり、お金がかかっていそうで、もしかするとリニューアル限定キャンペーンかもしれません。

このカバー、デザインだけでなく、手触りもいいし、繰り返し使ってしまいそうなくらい私も好きです。

投稿: mb101bold | 2009年3月14日 (土) 19:27

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