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2009年3月 8日 (日)

「雑誌廃刊」についての覚え書き

 大きなところでは「読売ウィークリー」「月刊現代」「論座」「ロードショー」「週刊ヤングサンデー」「Cawaii!」「月刊PLAYBOY」「SEVEN SEAS」「Esquire」など、雑誌休刊・廃刊が相次いでいます。休刊を謳ったものでも、それは雑誌コード保持のためでしょうから、実質廃刊に近いのだろうと思います。

 部数減少と広告収入の鈍化が理由として挙げられています。部数減少と広告収入の鈍化は、関連もあるし、その一方では別々の問題であり、それぞれの廃刊が同じ原因であるとはいいにくいのだろうとは思います。それに、雑誌の廃刊数と創刊数は、今だに創刊数が若干上回る状況にあり(今年は下回りそうな気もしますが)、流行や世相に左右されがちな雑誌媒体の新陳代謝、つまりいつもの風景とも言えそうな気もします。

 なんとなく思うのは、広告収益が大部分を占める「SEVEN SEAS」型、主な流通経路である街の書店の現象とコンビニの台頭を原因にする「月刊現代」型は、今を映すものでしょうね。「ダイアモンド」や「日経ビジネス」などの週刊ビジネス誌の広告はそれなりに好調なようですし、早くからコンビニで売られていた「文藝春秋」も好調。つまり、金融バブル期に創刊された広告モデル系雑誌と、旧来型の購入経路を前提にしていた書店売り系雑誌が淘汰されているような気がします。

 私はわりと雑誌が好きな人間ですし、仕事柄、広告の掲載誌を手にすることも多く、たくさんの雑誌を読むほうですが、そういう広告収入前提、既存流通前提の雑誌は、ここ最近は内容が劣化していたような気がします。執筆陣も貧弱だったし、内容も浅かったです。どこかで慢心が見えていたというか。ここ最近の経済悪化で、有料雑誌としての存立条件の限界を超えて、突然クラッシュというのが本当のところかなと思います。つまり淘汰ですね。もちろん、流通を含めた構造の変化というのは、それはそれで大問題ではありますが。

 つまりは、既存のビジネスモデルの破綻っぽい事態ではありますが、このジビネスモデルの本格的な破綻を示すものではなさそうな感じもしています。あくまで雑誌分野で見ると、という感じですが。これが問われるのは、今、わりと好調で執筆陣、内容ともに濃い雑誌が成り立たなくなるときでしょう。「週刊文春」とか「SPA!」とか「AERA」とか「日経ビジネス」のようなビジネス誌とか、月刊で言えば「文藝春秋」とか。そのあたりの危機感は、新聞のそれとは、少し違うのかもしれません。

 基本的な認識としては、雑誌にしても広告一般にしても、私は、わりと景気悪化による市場の縮小と根本的なビジネスモデルの破綻を別のものとして考えています。なんとなく、そうした区別がないと、中長期的には道を誤りそうな気がしていて、「極論はネタというかエンターテイメントとしては面白いけれど、それは違うんじゃないか」ということがこのところの問題意識です。もちろん、市場自体が縮小すれば、仕事が少なくなったり、退場させられるかもしれない一個人や一企業としては、どちらも同じことなのかもしれませんが、情を優先させたところで理は変わらないとも思うし、個人メディアの書き手としても、そのあたりを意識し続けながら書いていきたいと思います。

 そういう意味では、このブログのタイトルにある「愚痴」は「愚痴」として書くようにしなきゃな、なんて思います。でも、人間は個人の思いを一般化したがるものだろうし、実際はなかなか難しいのでしょうけど。では、残り少ないですが、みなさまよい日曜日を。

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コメント

>>「極論はネタというかエンターテイメントとしては面白いけれど、それは違うんじゃないか」

僕も同感です。特に、『ネタとしての』極論が問題だと思います。


『売れればいい』という視点の雑誌は、ぐらぐらゆらゆらしていて、なんだか飲み込むにはあやうい、釣り針のついたミミズみたいだなと感じます。


個人的には、極論の立場を明確に表明した雑誌というのも、好きなんですけどね。特に、若者向けファッション雑誌には、そういう戦略がないですよね。若者の性質も少し変わっていると思うんですが。今の若者としては。

投稿: beardbear | 2009年3月 8日 (日) 21:30

あ、ちょっと誤解があったかもです。
極論は「雑誌の廃刊が続いているよね。雑誌というビジネスはもう終わった。これからはネット。」みたいな意味で使っています。わかりにくい書き方ですみません。
でもまあ、確かに雑誌は極論担当みたいなところもありますね。それも曲がり角みたいです。光文社は「FRASH EX」を廃刊にして、本誌も止めたがっているとのことですし。
ファッション誌も今は難しくなっているかもですね。棲み分けが難しくなっているというか、もうかつてのようにムーブメントは起こしにくいでしょうね。

投稿: mb101bold | 2009年3月 8日 (日) 22:53

ご無沙汰しております。なんか、リアル書店にSBMをねじ込んだら(ご採用いただいたら)ブックマークが120以上つくという以上自体になり、はてなってすごいなとびっくりしております。http://d.hatena.ne.jp/reikon/20090309/p1
やっぱりはてなは広告の可能性を広げるのでしょうか?と妄想していますが、そうとうに面白いものがはてなにはあるなとやっと感じてきました。

投稿: beralus | 2009年3月10日 (火) 01:16

べらるーしさん、お久しぶりです。
SBMはソーシャルなものですから、リアルの展開としては、こういう感じはありですね。ねじ込むという業界用語っぽいニュアンスはともかくとして(笑)、naoyaさんの講演が縁という採用の経緯も「人力のはてな」っぽくって、とってもいいんじゃないでしょうか。

投稿: mb101bold | 2009年3月10日 (火) 15:01

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