天気予報で流れてくるあの曲
フュージョンが好き。フュージョンが下火になってさみしいです。フュージョンが流行っていたのは80年代後半。日本だとCasiopeaとか、T-Square(The Squareと名乗っていたけど、海外進出のときにアメリカに同様の名前のバンドがあって名前を変えた)とか、Prismとか、Naniwa Expressとか。クロスオーバーとも言われていました。要は、ジャズロック。ジャズとロックのフュージョンであり、クロスオーバー。
てんで聴かなくなったフュージョンだけど、ときどきテレビやラジオで流れてきます。懐かしい。でも、再評価の兆しとかではなく、天気予報などのバックグランドミュージックとしてですけどね。
フュージョンという音楽は、商業的にはシングルカットでヒットを出すというビジネスモデルではなく、アルバムとライブ中心。だから、アルバムやライブの中休めの曲として、やさしい感じの爽やかな曲が1曲くらい必ず挿入されていて、その曲が今でも天気予報なんかに使われているようです。
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いまは活動休止してしまったCasiopeaの「Sunny Side Feelin’」という曲ですね。これ、ほんとよく流れていますね。音楽の流通が変わって、1曲単位でダウンロードされるようになってくると、この手のいい意味でなんでもない曲はつくられなくなってくるのかもしれませんね。アルバムの途中の1曲としての存在価値みたいな感じですから。
同じくCasiopeaの「Swear」。とってもCasiopeaらしいというか、野呂さんらしい1曲。野呂さんはスーパーギタリストでもあるけれど、きっと野呂さんがCasiopeaでやりたかったことの中心は作曲というか、楽曲づくりだったような気がしています。構成が緻密で、きちんと物語があって、インストだけど歌詞というか言葉が感じられるというか。
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この曲は、一度は聴いたことがあるのではないでしょうか。Prismの「Morning Light」という曲です。リードギターが和田アキラさんで、サイドギターが四人囃子の森園勝敏さん。また、Prismには「TAKE OFF」というキャッチーな名曲もあります。この2つの曲だけ聴くと、ライトな感じのバンドのように思えますが、Prizmのほとんどの楽曲はとってもハードです。ロック好きの人にもファンが多いようです。
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この曲もよく使われますよね。天気予報だけではなくて、さまざまな番組で。The Squareの「All about you」という曲で、アルバム「Adventures」に入っています。きちんとしたテーマが1枚のアルバムに表現されていて、聞く人を拒まないし、すごくいいアルバムです。かなり売れました。日本のフュージョンのひとつの成果でしょうね。
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これは、どちらかと言うと、天気予報というよりも、FMなんかの深夜のミニ番組で使われていますね。「それではおやすみなさい」みたいな。Naniwa Expressの「Meteor」です。前半に清水興さんのMCが入っていますね。ナニワが解散するときに(今は再結成しています)、新聞に「ベースの清水興さんは司会業に専念」とか根も葉もないこと書かれてて、笑いました。MCの上手さでは、東の向谷実、西の清水興という感じでした。
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てなわけで、天気予報的な番組によく使われる日本のフュージョン曲を紹介してきましたが、最後に、カシオペア、スクエア、プリズム、ナニワの「このバンドにこの1曲」というような、それぞれの代表曲を。上の映像では、日本のフュージョンって、こんなに甘い曲ばかりなの、と思われるでしょうが、代表曲はこんな感じ。ライブでトリの曲というか、待ってましたの定番楽曲。まあ、海の向こうのフュージョンと比較すると甘めではありますけどね。日本はメロディ重視の傾向はありました。
上から、Casiopeaの「ASAYAKE」。ポップで、歌ものも含めた日本のポップスの中でも、垢抜けさ加減でひとつ抜きんでたものがあるような気がします。The Squareの「Travelers」。クロスオーバー色が強い、安定感ある演奏が特徴。大人な感じ。Prismの「Karma」。ジャズとハードロックの影響が色濃いバンドサウンド。Naniwa Expressの「Belieavin'」。力哉さんとシミさんの腰に来るリズムが関西らしいでしょ。では、引き続きよい休日を。
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コメント
おはようございます。乱入者です。
待ってました、フュージョン!
カシオペアは5回、スクエアは2回
コンサート行きました。
いやあ好きですね。
神戸であったコンサートで向谷実が
「天気予報でおなじみのこのナンバー
サニーサイドフィーリング!」
言いました。懐かしい。
SWEARは名曲。ライブで、
向谷の即興ソロがありますが、これ最高です。
投稿: 乱入者 | 2009年3月22日 (日) 07:22
全盛期はライブハウスだけでなくて、関西だと厚生年金会館やフェスティバルホールなんかの大きなホールで単独コンサートをやっていたんですよね。
あの頃は、スペクトラムみたいなフュージョンっぽいバンドもあって、音楽が大きかったような気も。
今だと、メジャーシーンでは、スカパラとかPE'Zですね。あとは、上原ひろみが唯一気を吐いている感じかな。それとライブハウスシーンでは、なぜかデキシー系のブラスバンドが流行っているみたいです。
投稿: mb101bold | 2009年3月22日 (日) 16:41
懐かしいですね。
カシオペア派かスクエア派で性格がわかるなんて言っていた時期であったりでいい時代でしたよね。当時はインストにも好意的に受け入れられていた時代で、今ではありえないくらいのCDが売れていた気がしますね。自分の場合はスクエアを機に、洋楽に走ったので、リーリトナー、ハーブアルパート、ラス・フリーマン(スクエアの曲を書いたり)のフュージョンにのめり込んだ高校時代でした。
投稿: daf | 2009年3月23日 (月) 20:33
いい時代でした。カシオペアの「DOWN UP BEAT」とかスクエアの「ADVENTURES」とか、歌ものと遜色ないくらうの売れ行きでしたよね。
私の場合は、そこからパットメセニーグループなんかを経て、ジャズ方面を聴くようになりました。でも、やはり出所がフュージョンなので、ハードバップは合いませんでしたね。どうしてもモードとか、モダンな感じのものを好むようになりました。
フュージョンからジャズに入った人は、エバンスとかキースは案外聴きやすいような気がします。
投稿: mb101bold | 2009年3月23日 (月) 23:29
>私の場合は、そこからパットメセニーグループなんかを経て
物凄く親近感を感じますよ。
しかし当時周りは、JPOP一色で、コンポを買うなら「ケンウッド」、「重低音絶対重視」みたいに足並みが揃っていたので、会話についていけませんでした。
中学校くらいに大半の同級生がお小遣いでドラクエⅡ買っていたのに、自分はハービーハンコックのLPを買ってしまったのがいけなかったのかな。
投稿: daf | 2009年3月24日 (火) 19:40
>しかし当時周りは、JPOP一色で
私の中学生の頃は、まわりはハードロックやヘビメタが多かったです。ヴァンヘイレンやマイケルシェンカーとか。まだフュージョンは全盛ではなく、YMOが人気でした。
そう言えば、最初はYMOはクロスオーバーマーケットで売り出すつもりで、サポートギタリストに渡辺香津美、サポートキーボーディスとが矢野顕子、橋本一子という布陣で、音作りもそれっぽい感じでした。
http://www.youtube.com/watch?v=6Rb8eAOtqrc&feature=related
投稿: mb101bold | 2009年3月24日 (火) 21:27