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2009年5月10日 (日)

MIKIKOさんのダンス

 NHKの「パフォー!」という投稿ビデオを通していろいろチャレンジするといった趣向の若者向け番組を見ていたら、振り付け師のMIKIKOさんが出演されていました。Perfumeの振り付けをされている方です。女性4人組ダンスユニットとのコラボということで、MIKIKOさんがアドバイスをして最後に実演するという企画。それがすごくおもしろかったです。

 まずはユニットが踊るんですね。見ていると、それはそれで迫力があって見事なものでした。で、そのダンスを見ていたMIKIKOさんがアドバイス。何と言っていたかは覚えていないのですが、趣旨としては音取りが凡庸みたいなことですね。裏拍とかもっと意識して、というようなアドバイスがありました。ちなみに、裏拍とは、例えばひとつのビートを「ダン」というカタカナで表現すると、「ン」がビートの表拍(アップビート)で、「ダ」(体感的に分かりやすく書くと「ン」)が裏拍(ダウンビート)。

 普通、カラオケなんかでも手拍子は、こう取りますよね。

 ●ー●ー●ー●ー

 それを裏で取ると、こうなります。

 ー○ー○ー○ー○

 ま、ブログではちょっとわかりにくいですが、今度、カラオケでやってみてください。わりと気持ちいいから。MIKIKOさんが言っている裏拍を意識というのは、ジャズやレゲエみたいに後乗りをしろ、みたいなことではなく、音楽のビートに身をまかせるのではなく、裏拍も含めて意識したその広いビート空間の中で、ダンスで独自のリズムを自由に構成しろ、ということですね。それを番組では「個性的な音取り」と言っていました。

 ●ー●ー●ー●ー●ー●ー●ー●ー

 という8つのビートがあったとして、

 ー○ー○●○●ー○ーー○●ーー○

 という取り方をしたらおもしろいじゃない、というようなことです。で、コーナーの最後にダンスユニットの新しいダンスが披露されたのですが、素人目にも、こうも斬新になるもんなんだといった感じで、なんかゾクゾクする感じというか、ほんと見事なもんだなと思いました。

 こういうアプローチは、Perfumeのダンスにも多用されていますよね。そういう視点で、Perfumeのダンスを見たら、もっともっとおもしろくなりますよ。何度も見てきたファンの方でも、うわっ、すごい、このかわいさってそういう秘密があったのか、ってなると思います。

 こういうのって、すごくおもしろいですよね。その道のプロの人の話はおもしろいです。私はダンスなんてまったく縁がなかったのですが、去年、CMでダンスものを作ろうと思って、自分なりに勉強をして、なるほどなあ、ダンス奥深いよなあ、となって、ダンスが好きになりました。といっても、見るのが、ですけどね。

 番組は40分で、その中のワンコーナーだったんですが、このあたりをもっと掘って掘って掘りまくってほしかったです。すごくおもしろくなると思うし、まだまだMIKIKOさんのダンスのヒミツがいっぱいあると思うんですけどね。でも、こういうのを掘ると、視聴率的にはどうなんでしょう。そのへんは、番組づくりのプロじゃないからわかりませんが。

 MIKIKOさんは、CMの世界でも活躍されています。市川準さん演出のセキスイハイムとか。そのあたりの思い出について日記に書かれています。すごく素敵な文章なのでご紹介。

背中と教訓 — Choreo-Director MIKIKO Official Website(2008年9月21日分・リンク先トップの日記です)

 私がCMでご一緒したのは、南流石さんでしたが、MIKIKOさんのダンスはまた違った個性がありますね。南さんも、リズムの取り方は自由自在ですが、もっとプリミティブ。生な感じがします。それに対して、MIKIKOさんはちょっと知的かも。ピアニストに例えるのは適切ではないかもしれませんが、南さんがキース・ジャレットだとすると、MIKIKOさんはチック・コリアみたいな感じ。ジャズファンの人だと、なんとなくわかってもらえるのではないでしょうか。

 関連エントリ:振り付け考(あるいは南流石論) ※2008年1月1日のエントリということもあり、前半は紅白歌合戦関連の長い枕話がありますので、お忙しい人は後半部分からお読みくださいませ。

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コメント

五月九日のライブは凄まじく良かったです!
周りも盛り上がってYEAHとかいって踊ってましたww
本当に、こんなときにボキャブラが足りないのが残念ですが・・・・・超良かったです。

で、話は全然変わるんですけど。
ショートショートとか短編動画のネタにならないかと最近気になっているのが「広告だらけの世界」というものです。
もう世界のスペースというスペースに広告が介在しているんですね。電車とか乗れば座席にも吊革にも、というか車輪にも。人間の視界に移るすべての空いた座標に広告を配置しているって設定なんです。
もちろん現実だったら死にますが、アニメーションとかでコメディータッチで見てみたいです。

「人間は日常生活の中で何%広告が介入してきたら精神的にストレスを感じるか」みたいな調査をどっかの機関とかがしてくれませんかね?
広告が町にあってそれを見るという行動が、実は一番日常的に行われている一種の消費活動なのではないかと・・・

投稿: jim | 2009年5月12日 (火) 01:49

そうですか、すごくよかったですか。私も今度行ってみたいなと思っています。でも、浮くかもなあ。
広告だらけの世界って、ネット系の次世代広告の描く未来ですねえ。
きっとそうなると、人々はテレビを消して、PCの電源を抜き、外に出なくなるんでしょうね。で、家もそうなったら目を閉じて寝るだけに。そうすると、その頃には夢も広告になっていて‥‥みたいな話かなあ。

投稿: mb101bold | 2009年5月12日 (火) 18:07

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