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2009年7月27日 (月)

中野サンプラザが好きになってきた

R0010009  中野に住んでない人でも名前だけは知っていると思います。中野サンプラザ。東京の中野駅北口すぐにある20階建てのビル。1階から4階はコンサートホールになっていて、有名アーチストが度々コンサートを開くホールです。

 最近では、モーニング娘。の聖地とも言われています。また、北島三郎さんや、小林幸子さんなどの演歌の大御所もリサイタルを開くことが多いです。

 爆風スランプのサンプラザ中野くん(サンプラザ中野から改名されたそうです)という芸名もこのコンサートホールにちなんで付けられたそうです。当時から、バンドにとっては憧れの地だったということです。というか、中野サンプラザを全国的に有名にしたのは、サンプラザ中野くんさん(言いにくいですね)ですね。

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R0010050_2 このビル、カタチが独特。ルパン三世の五ェ門が斬鉄剣で斜めに切ったようなカタチをしています。横から見ると三角形なので、三角の白いビルと形容されることもあるようです。

 じつは、私、このビルのカタチがあまり好きではありませんでした。確かに、建築物としては斬新で面白いのですが、なんとなく建築家のエゴが垣間見えるというか。

 でも、この手の実験的なフォルムの建築物の場合、建築として有名である場合が多いのに、この中野サンプラザだけは、そうした話を聞いたことがなく、それはなぜなのかな、とずっと思ってきました。ということは、なんらかの必然があって、あの独特のカタチにしたはずで、ならばその必然は何かな、と思いますし、建築物の合理性としては、このカタチはまったく駄目なはずです。ビルは高層になればなるほどエレベーターや階段を多く設置しなければならず、そうなると、使える面積の割合が減ってしまいます。

 私がプランナー時代ににわか勉強で覚えた知識で言えば、スレンダー比(面積に対しての高さの比)が高くなればなるほど、法律的な問題からレンタブル比(総面積と収益性を生む面積の比)が下がるとのことで、この建物の場合、言わば、まったく経済合理性の逆をいくカタチであるわけです。

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 で、こういときはウィキペディア(ブロガーの駄目なクセですね)かな、と思って見ても、関連の記述はありませんでした。ひとつだけ見つけたのが、関心空間。そういえばあったなあ、関心空間、という感慨はさておき、こんな記述。

追記:中野サンプラザの、あの独特の三角サンドイッチのような建築構造は、地域住民に対する日照権の問題から設計された形状だったと記憶しています。
中野サンプラザ - 関心空間

 「だったと記憶しています。」とお書きになっていますから、リテラシーのある方々は話半分に読んでいただいて、という前提で書きますが、私は、ほお、なるほどねえ、と思いました。この近辺に住んでいて、このあたりが通勤のルートなので、日当りに関しては、そういえばそうだな、と思うところもあります。

R0010042  その近辺には意外と昔からの民家が多くて、しかも緑が多いんですね。歩くと、とっても気持ちのいい場所なんです。例えば、右の写真のような感じ。この写真は早稲田通りから撮影しましたので、少し中野サンプラザから離れていますが、ここからJRの高架まで並木道が続いています。

R0010049  並木道を通ると、木陰で少し暗いのですが、上を見上げると、葉っぱに燦々と太陽が当たっています。ちなみにこちらの写真は、中野サンプラザのわりと近くです。

 もちろん、中野サンプラザや近くのNTT中野ビルの陰になる部分はあるにはあるのですが、実感としては、わりと少なめな感じにはなっている印象はありますね。

R0010053  中野サンプラザ裏の中野区役所にある緑の小道を撮影してみました。夕方頃ですが、中野サンプラザの陰と日向の境界線はこんな感じ。1973年に出来たそうですが、かなり綿密に計算してつくったカタチなのかな、と思ったりします。(でもまあ、穿った見方をすれば、だったら低層にすればいいじゃない、とは思いますが、当時は、中野のランドマークとして「高層」というのは外せなかったんでしょうね。)

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 一頃、中野区で、このあたりの再開発の話があって、この中野サンプラザも取り壊しの話が出ていました。その時にも、理由として出て来たのは、施設の老朽化と使い勝手の悪さ(きっとレンタブル比の低さでしょうね)でした。でも、最近は経営が変わって、経営も順調だと言いますし、景気が悪くなって来たのもあって、このまま残りそうな感じです。

 緑に囲まれた道から中野サンプラザを見上げながら、「まあ、そういう理由があったんだったら、あのカタチもいいもんだよなあ」なんて思いだしてきました。中野区民にも親しまれているようですし、中野サンプラザさんにおかれましては、ますますご清栄でいてほしいもんだな、と思っております。

■Google Mapの航空写真です。(時間の問題でエントリの話とは陰が逆になってますが。)

大きな地図で見る

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コメント

mb101boldさん、こんばんは。

私ももと中野区民なのでサンプラザを見て懐かしくなりました。
(懐かしくなるということは立派にランドマークの役割を果たしているということでしょうね)
設計は確か業界最大手の日建設計だったと思います。
おっしゃる通り北側が傾斜しているので、近隣の日照に配慮した形だと思いますが、ひねくれた言い方をすれば「モニュメンタルな形」がまずありきで、日照権確保の前提条件を上手く逆手にとったのかもしれませんね。(確証はありませんが)

写真はGRで撮られたものかと思いますが、実は私も購入を検討しています。
でも最近は同じリコーのGX200もいいかなぁなんて思ったりしてますが(笑)

投稿: mitsu7716 | 2009年7月28日 (火) 00:24

中野で生まれ育って、今も住んでますがおっしゃるとおり「日照」に配慮したと聞きました。
小3の社会科の教科書の表紙は中野駅周辺の空中写真でしたけれど、ここは空き地でしたね。
この建物は「勤労青少年会館」で旧労働省の管轄でした。当時レンタブルという発想はなかったでしょうね~。
ちなみに、この建物ができて困ったことは「ビル風」です。これは建ってから分かったのです。これは当時ニュースにも取り上げられたので「ビル風」の走りだと思います。
太陽に配慮したら、北風がつむじを曲げた?というのでは何のオチにもなっていませんが。

投稿: 山本直人 | 2009年7月28日 (火) 21:42

>mitsu7716さま

まあ、「モニュメンタルな形」ありきはそんなとこでしょうね。やっぱり、建築家という生き物は個性のある建物をつくりたいでしょうしね。でも、きちんとそこに理由があるところは、ちょっと広告に似ているだなんて思います。

写真はGRで撮影したものです。結構いいですよ。ただ、ズームを使いたいなあと思うシチュエーションもあるにはありますね。その点ではGX200というのは魅力的。それと手ぶれ防止と可動式ファインダーも。

違いはやっぱりGRはF2.4の明るいGRレンズですね。その違いに意味があると思うかどうかですね。
そう言えば、GRD3が出ましたね。新しいGRレンズはF1.9だそうです。

>山本直人さま

そうですか。やっぱり日照問題なんですね。

ビル風は、中野通りのバス停あたりは強烈ですよね。私もよく傘を裏返してます。ネットで調べると、サンプラザって、高層ビルの走りなんですね。そういう意味では、まさに「太陽に配慮したら、北風がつむじを曲げた」というよう、ビル風はまったく想定外だったのかもしれませんね。

投稿: mb101bold | 2009年7月28日 (火) 23:00

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