フィー制というのはもともと
1960年にオグルビー社が、それまでの15%のコミッションというアメリカ広告業界の報酬に関する商慣習をやぶって固定フィーにしたことがはじまりなんですね。会計が明朗なこと、そして、コスト削減にもなることから、この固定フィーは好意的に受け止められて、オグルビー社躍進のトリガーになりました。
一般的に、「コミッションからフィーへ」というとき、逆の見られ方をする場合が多いですが、それは歴史的に言えば違います。広告業界の場合、まずは、広告主側に割安感がある固定フィーからはじまって、そのあと、広告会社側のコスト的な限界から、弁護士やコンサルタントの報酬制度に近い時間フィーへと移行していきます。そして、その反作用の意味合いで、大規模マスプロダクト企業を中心に、広告主側の要請で成功報酬への移行が定期的に検討される、というのがここ10年くらいの流れ。
この流れで言えば、そこには景気動向が作用していて、いつも原資の最適配分に関する駆け引きがあり、日本の場合は、フィー制への移行があまり進まず、コミッション率を中心にその駆け引きが行われてきた、という感じかも。その歴史的な流れには、その国、その国の文化的な事情が作用してて、一概にこれが正しいとは言えない、というのがいろいろ考えてきた上での感想です。
フィーについては、このブログで断片的にいろいろ書いて来ていますが、興味のある方はこちらからどうぞ。では。
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コメント
こんばんは。
フィー制度への移行は以前から言われていましたが、日本ではまだ難しそうですね。
マクドナルドはフィー制度を廃止してバリューベース(ペイ・フォー・パフォーマンス)にするという話らしいですね。
以前に増して、費用対効果を問われるようになって、なかなか厳しい状況になってきているなぁと思います。
投稿: mt | 2009年8月25日 (火) 20:28
ほう、マクドナルドらしいネーミングですね。費用対効果を問われるのは、やはりネットの影響はあるのでしょうね。ますます厳しきなりそうですが、ほんとはマスのアドバタイジングとは原理が異なるので、一緒にするのはしんどいとは思います。でも、これが理解されるには、もう少し時間がかかりそうで、その間には多少の痛みは伴いそうです。
投稿: mb101bold | 2009年8月26日 (水) 00:26