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2009年9月20日 (日)

広告って

 広告とは何かとか、これからの広告はどうあるべきなのかとか、そんなむずかしい話じゃなくて、単純に、なぜ私は広告の仕事が好きなのかなあ、なぜなんだろうなあ、という感じのやわらかめのお話です。

 私は、社会人になってから、ということはもう20年ですが、広告をつくるという仕事以外したことがありません。役職的には最初はCIプランナーも経験していますが、まあ、おおざっぱに言えば、これも広告をつくる仕事と言えるのではないかな。

 それに、私は営業という仕事もしたことがありません。広告会社にとっての商品は、広告です。その広告を売るのが営業の仕事だとすると、私は社会人になってから自らを売るという仕事をしたことがないのですね。

 私がずっとやってきたのは、相手がいて、その人の思いに応えるという仕事。つまり、そこに主体がないわけです。だから、相手によって自分はどんどん変わるし、変わるべきだと思うし、というような、ちょっと倒錯ぎみの心持ちで仕事をしてきたような気がします。あるコピーライターさんが、「自分のコピーっていうのはないんです。でも、相手のために書いてきたさまざまなコピーをずらっと並べて、どうしようもなくにじみ出る共通のニュアンスが、クリエイターであるあなたの自分らしさってことではないかな」と言っていましたが、ほんとそう思います。

 かれこれ10年ほど前の仕事ですが、ある百貨店のバレンタインデーキャンペーンの広告コピーを書いたことがありました。

 「うれしいあなたが、うれしい私です。」

 つまりは、そういうこと。広告をつくる仕事っていうのは、そういう仕事なんだと思います。よく言えば、いい人で、わるく言えばおせっかい。それが、広告をつくるということ。それは、弁護士とかお医者さんの仕事に似ています。もしかすると対極にあるのが芸術家なのかもしれません。広告をつくる仕事は、絵とか映像とか言葉とかの芸術的素養をつかってする仕事だから、ややこしい部分もあるのですが。

 今にはじまったことではないけれど、広告をつくる側の利益のための提案というのがあるにはあって、それがここ最近の不景気で目立ってきました。広告をやらしたい、みたいなことですね。ひとつの基準は、今は広告的な施策は必要がないんじゃないか、と提案できるかどうか、もしくは、その方針に心から同意できるかどうか、なんでしょうね。

 でも、そういうことが外部にいるとできにくくなっている構造的な問題がでてきて、そういう広告をつくる人たちがどんどん中の人になっていく潮流も出てきました。無印良品なんかもそうだし、ユニクロも半ばそう。ソフトバンクの一連の仕事も、実質的にはそんな感じなんだと思います。私の感覚だけかもしれませんが、今、いいな、機能しているな、と思う広告は、みんなそういう構造で仕事をされているような気がします。

 それはきっと、広告という仕事のシステムがどんどん複雑になってきて、外の人のままでは、経営者もしくは責任者とがっぷりよつの話ができにくくなってきた、ということなんでしょうね。

 私は、広告を「自分のことをまったく知らない人に自分のことを知らせること」と定義しています。つまり、不特定多数に向けて、ということが広告の条件で、ゆえに、広告は、広告を見る人の立場で言えば、受動性がその特徴です。そういう意味で言えば、「自分」と「自分をまったく知らない人」のあいだに広告をつくる人がいて、そういう独特のポジションから見えるものをつかって、その両者をうまくつなぐのが広告にできることであり、広告にしかできないことだろうと思います。

 そういう独特の思考のあり方が、私はすごく好きなのだろうと思います。だから、広告の仕事が私は大好きなんですね。で、やはり私の専門性というのは、どうやらそこあると思いますし、世の中に向かって、正面切って自信があります、と言えるのはやっぱりそれだろうと思います。

 まあこのブログは、商売でもないですし、それほそ根性を入れて精密に書いているわけではなく、自分の書きたいように書くゆるい場所ではあるんですが、このブログで言えば、自分の専門外について書くときのスタンスでもあるのでしょうね。

 広告のことを書く時は、当事者というかプロとしての意識があって、そういう意味では、このブログの広告エントリというのは、広告的でもなんでもない書き物ですが、専門外についての書き物はどこか広告的なんでしょうね。まあ、でもアクセス数を見るぶんには、社会的なニーズは広告系エントリに分があるようですが、例えば音楽については、私は挫折した人だし、これはすごいなあという憧憬みたいなものを、なんとか違うコードで表したいという感じになるのかもしれません。ふと、そんなことをふと思いました。

 ●    ●

 土曜日から長いお休みをとる方も多いのではないでしょうか。私も、ずいぶん久しぶりの長い休暇です。ここ最近は、ほんといろいろきつかったので、しばらくゆっくり休みたいと思っています。やっぱり、休みって必要ですよね。なんか身にしみて思いました。でも、休み中もブログは書くかもですけどね。みなさまよいシルバーウィークを。ではでは。

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コメント

相手に何かを伝える仕事をしているのなら
文章力をもう少しつけたほうがよいかな、と思いました。

例えば指示代名詞が多すぎて読みづらい。
「そういう」を何回使ってました?

読む人は「そういう」と書かれるたびに
前の文章に立ち返らなければならないのです。

「そういう」って「どういうだっけ?」
ってな具合に。


うれしいあなたが、うれしい私です。

なんて糸井さん、仲畑さんの三番煎じで
ギャラもらう、というのも同業者として
プロとして理解に苦しみます。

そのデパートは西武や丸井のパクリコピーで
いったいどんな差別化、コミュニケーションが
はかれたのでしょうか?


投稿: 同業者 | 2009年9月20日 (日) 16:53

ご批判はご批判として受け止めます。コメントありがとうございました。

投稿: mb101bold | 2009年9月20日 (日) 17:14

私もブログやってますが、その文章、
「同業者」さんにはボロクソに言われるんでしょうね。

うまく言えないけど、ブログは、
ノーギャラだし、仕事じゃないですからね。笑

投稿: もう一人の同業者 | 2009年9月24日 (木) 17:05

そですね。頼まれもしないのに、好きで書いているわけですしね。
コメント、ありがとうございます。

投稿: mb101bold | 2009年9月24日 (木) 23:03

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