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2010年1月 6日 (水)

昔話のようでもあり、同時に未来の話のようでもある

 

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 カメラマンの森善之さん主宰の「七雲」が編集・制作する『JAPANGRAPH(ジャパングラフ)』というグラフ誌があります。「暮らしの中にある47の日本」という副題の通り、日本の47都道府県をひとつずつ、「七雲」のカメラマンたちが丁寧に取材し1冊にまとめるという趣向です。第1回目の滋賀県が出来上がりました。

 ジュンク堂などの書店に並んでいます(恵文社一乗店では通販でも扱っているようです。1万円以上で送料無料。他の本と合わせていかがですか)。B5変形サイズ、オールカラー108ページ。価格は、税込みで800円です。「七雲」のカメラマン秋山さんのブログからも購入できるそうです。
 

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 滋賀県は琵琶湖を中心とした水の国です。湖西の街、新旭町には湧き水を利用した川端(かばた)と呼ばれる水場があり、そこで野菜やお米を洗い、食器や鍋や釜も洗うそうです。言わば、公共の台所です。その水場には、鯉も住んでいて、食器についた米粒を食べたりするそうです。

 その川端を訪れた森さんは、こう書いています。

上流に住む人は下流の人を思いやり、人だけではないという感性をも育ていていく。そういう人々の意識がなければ、かばたの文化や、水とともにあるこの土地の暮らしは成り立たないのだ。昔話のようでもあり、同時に未来の話のようでもある不思議さを感じていた。

 そこには過去のような今があって、けれども、それは決してノスタルジーではなくて、まぎれもない現在の人の暮らしであることを、「七雲」のカメラマンたちの銀塩フィルムは定着していました。

 過去のようであるけれども、それは現在であり、過去のようであるがゆえに、それは未来を指し示しているのだろうと思います。

 『JAPANGRAPH』という試み。私も応援したいと思っています。

 追記(1月8日):

 森さんよりお電話で「明日の朝に、次号に特集される岩手県に入ります」と連絡がありました。「七雲」の若いカメラマンたちも、それぞれ岩手県の各所に向かうそうです。次号は春に発売予定、とのことでした。

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コメント

今も息づいている昔からの風習や思いがたくさんつまっている感じがして、とても興味を持ちました。人だけではなく、自然と環境と共に暮らす姿。手に入れて味わいたいと思います。

投稿: しばはな | 2010年1月 6日 (水) 16:49

ぜひ。少し地味だけど、そのぶん味わい深いいい雑誌ですよ。

投稿: mb101bold | 2010年1月 6日 (水) 21:47

買いました。新宿の紀伊国屋にも売ってます。
ゆっくり読みます。

投稿: denkihanabi | 2010年1月16日 (土) 19:07

紀伊国屋さんも置いてくれているんですね。また、森さんを囲んでゆっくり話したいですね。

投稿: mb101bold | 2010年1月16日 (土) 21:21

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昔話のようでもあり、同時に未来の話のようでもある 上流に住む人は下流の人を思いやり、人だけではないという感性をも育ていていく。 最近の、エコだとか福祉だとかに今ひとつ移入できないのは、それらが謳っている「思いやり」が点と点を結ぶ直線のようで、自身を含んだ包... [続きを読む]

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