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2010年4月 7日 (水)

痛くないはずはないんだけどなあ

 大阪にいる母が股関節を折りました。入院先の病院で転んで尻餅をついたらしいです。高齢者の場合、転んだりすることをきっかけに寝たきりになったりすることもあるので、入院先の病院では、これでもかというほど転倒に気を付けているようでしたが、それでもやっぱり転ぶんですよね。まあ、しゃあないです。

 夜中に父と一緒に病院に行き、母と会いました。骨折した足は紐で引っ張られていて、見た目、かなり痛々しかったのですが、母はまったく痛そうな素振りを見せずにケロッとしていて、転んだのは自分のせいじゃない、みたいなことをしきりに言っていました。骨折していない方の足をバタバタさせて、ほらこんなに動くし、とか言ったりして、こっちが拍子抜けする感じ。

 担当の先生に呼ばれて、ほな行ってくるわな、なんて言いながら、別室に。手術についての丁寧な説明を受けました。レントゲンを見せてもらうと、股関節にある大腿骨頭の根元が完全に折れていました。すぐに手術をして、金属製の人工骨頭を入れることに。全身麻酔、輸血で、太ももを開き、大腿骨の骨髄を掘り出し、ノミで穴をあけて、そこに人工骨頭を挿入するとのこと。

 最近は、インフォームドコンセントの普及からか、データを交えながらリスクを含めて説明してくれます。これは、聞いている方は、かなりきついです。細かい数字は忘れてしまいましたが、この方法は20年前から行われている信頼性のある方法ですが、これまでの20万人の症例の中で、1名の方がショックで亡くなっています、とか言われると、理屈でわかっていても、ああ、なんだか大変なことになっちゃったなあ、なんて思ってしまいます。でも、それでも、こういうことは言ってもらったほうがいいんでしょうけどね。

 先生から質問はありませんか、と言われて、なぜ母は痛がらないんでしょうね、と質問。ちょっとずれた質問だったらしく、先生は妙な表情をしていましたが、先生曰く、麻酔も打っていないし、少しは痛いはずですが、足を紐で引っ張っていて神経に触らないからじゃないですかね、と。でもまあ、我慢もあるんだろうな、なんて思いました。母は母なりに、心配をかけないように、みたいな。

 説明が終わって、もう一度母に会いにいくと、今度は、ほらこんなに元気やし、手術せんでもええな、みたいなことを言うので、手術せな歩かれへんからな、ちょっと我慢してな、と返すと、ちょっと神妙な顔になって、わかった我慢する、と。お茶飲むか、とコップを口もとにもっていくと、手術前は飲んだらあかんから、なんてことを言うんですよね。外科手術だからお茶は飲めるんだけどね。

 病院を後にしたのが、夜の10時を回っていて、地下鉄乗って帰ろうとしたら、父が、ちょっとコーヒーでも飲んでいこか、と珍しく言うので、駅前のファミレスに。父とファミレスに行くとは思わなんだ。で、メニューを広げると、いきなりビールを頼むから、やめとけ、と言うと、今日はええやろ、みたいなことを言うので、しょうがないなあ、今日だけやで、ということで、生中を二杯注文。東京から電話したときは、たいしたことがないので大阪には帰らんでええ、と言ってたくせに、夫婦揃って素直じゃないんだから、なんてことを思いました。

 後日、手術があり、なんの問題もなく成功。父に聞くと、手術直後もまったく痛そうな素振りを見せなかったらしいです。痛いはずなんだけどなあ。今は、足を伸ばしたり動かしたりするリハビリをはじめていて、もうすぐ加重をかけるリハビリがはじまるとのことです。

 まあ、個人的なことでもあるけれど、同じような状況になる方もたくさんいるでしょうから、何かの参考に、ということで、記録として書いてみました。この手の話は、いつもそうしているのですが、今回のエントリも同様に、コメント、トラックバックは閉じておきますね。ご心配なく。事実の間違い等があれば、ご面倒ですがメールにてお知らせくださいませ。メールは、プロフィールにあります。ではでは。

 参考:股関節の骨折(メルクマニュアル医学百科)

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