« どうでもいい話 | トップページ | 「大衆の原像」をどこに置くか »

2010年6月 7日 (月)

あの頃、僕らは確かに

Wzero3

 なんとなくオフコース風味のタイトルですが、カテゴリーは「オフコース」ではなく、「W-ZERO3[es]」。そう、ウィルコムのスマートフォン、W-ZERO3[es]の話です。

 えっ、知らないですか。一昔前は、iPhoneみたいな最先端デジタルガジェットだったんですよ。QWERTYキーボードをガシャッと出すと、みんなが振り返ったんですよ。ほんとなんだから。

 「何、何、それ何。うわっ、すごーい。もう一回やってみて。」

 そんな感じでモテモテだったんですよ。Operaを立ち上げて、asahi.comとかを表示して、

 「ほら、PCみたいでしょ。フルブラウザ搭載。いいでしょ。でも、これがはじめてじゃなくて、京ポンが最初。」
 「京ポンって?」
 「京セラ製のウィルコム端末。なぜポンなのかは、忘れちゃったけど。」

 で、ひとしきりウィルコムの先進性を語った後、おもむろにTCPMP(Windows Mobile用のメディアプレイヤー)を立ち上げ動画を見せたりしてね、あの頃、ウィルコムユーザー、W-ZERO3[es]ユーザーは確かに最先端だったんです。(ただし、ある分野では、ですけど。)

 今思えば、メモリもCPUも貧弱だったし、相当無理をして動かしていたので、もっさりした動きでしたし、当時は速く感じていた通信速度も、Wi-Fiや3Gが当たり前になった今となってはね。

 でも、それでも僕らは満足していたし、テンキーや前面や側面のそこかしこに付けられた物理式ボタンにいろいろなアプリを割り当てたり、OSやソフトをカスタマイズしたりして楽しく使っていました。

 スマートフォン。

 この分野は、なかなか難しいのではないか、と言われていたんですよね。欧米ではBlackBerryの成功があったけど、日本ではどのメーカーも消極的。そこに果敢に挑んだのが、ウィルコム+シャープだったんです。iPhoneに比べると微々たるものですが、それでも、それなりにヒットして、ユーザーが増えて、街でもときたま見かけるようになって、そんな状況はちょっと誇らしくもありました。

 それも今は昔。街には、iPhone、iPhone、iPhone、Xperia、そして、iPhone。時代とか、テクノロジーの成熟とか、マーケティングとか、そんなこんなで分析はできますけど、でもねえ、正直言えばやっぱり、ただただくやしくてね。iPhoneがそんなにいいですか。そうですね。よさそうですよね。きっといいんでしょうね。すみません、よさそうに見えます。うらやましいです。

 そこにきて、iPadですよ。CMで革命とか言ってますよね。確かにね、見方によっては革命かもしれん。でもね、でもね、でもですね、W-ZERO3[es]だって革命だったんですよ。あの当時は。電子書籍ですか。W-ZERO3[es]にも、ブンコビューワーがついていて、一足お先に電子読書してたんですよ。僕たちは。

 それにね、調子に乗って言いますけど、モバイル通信という意味では、AIR-EDGEというかAir H"なんか、えらい革命だったんです。なんせ、PCにつなげば、喫茶店でネットが見られるんですよ。ワードで原稿書いて、メールで送れるんですよ。すごい、これでオフィスはいらないよね、という感じだったんですよ。

 とまあ、思う存分愚痴ってみたものの、状況は変わりはしないので、やっぱり今となっては、ちょっと不便なんですよね。ちなみに、今、私が持っているのは、W-ZERO3[es]の後継機のWillcom03なんですけど、この前、とあるお店の電話番号を探してて、目的の情報にたどり着くまでの時間が、普通のケータイに比べて倍以上かかるんですよね。愕然としました。通信速度が遅いのと、Operaが重いのと、フルブラウザで、無駄に表示面積が広いのとが重なって、とっても使いにくいのです。それに、iPodを買ってしまった今、TCPMPは立ち上げることさえなくなりましたし。

 でもね、ウィルコムには期待はしているんです。好きだから。

 先駆者だったのに、いろいろ不運だったなあ、という気もするし、一消費者としては、そこまで義理立てする理由もないし、たかが商品なんだから乗り換えればいいちゃいいんだけど、たかが商品だからこそ、不便でも好きだから使い続けるという選択だってできるんですよね。理屈を超えたものが消費だ、とも言えるわけだし。

 とりあえず、これからウィルコムが盛り返す姿を見たいし、W-ZERRO3[es]が出たときみたいにもう一度驚きたいと思うから、これからも使い続けるとは思うんですよね。DDI Pocket時代からのユーザーだし、通話の品質もいいわけだし。それに、そもそもは電話なんだしさ。

|

« どうでもいい話 | トップページ | 「大衆の原像」をどこに置くか »

W-ZERO3[es]」カテゴリの記事

コメント

iPhone以前の多くのスマートフォンは、Windows系OSを採用したのが敗因ですね、我が国のメーカーは、使い勝手、とか、ユーザーインターフェースのカッコ良さの研究を捨て、ハードの開発だけに走っちゃった。
appleは、自社資源は「カッコ良く、使いやすいユーザーインターフェースだ」と言うことに気がついて居て、最大限アピールして成功したわけですからね。
また日本のユーザーは賢くて器用だから、沢山有る操作ボタン、複雑な操作が好き(と思ってる)なんですよね。
で、メーカーもカッコよいガジェットは操作ボタンが沢山付いてる必要が有る、と思ってる見たい。
それは、コミュニケーションの為のメディアとコミュニケーションの本質を取り違えた事から来るんですよ。
Xperiaも頑張ってるけど、まだユーザーが何がしたいか?、ではなく、このハードはこんな事が出来ますよ、と言う主張が強い様に感じます。
そして、DoCoMoショップに行き、Xperiaを触って使い勝手を確かめて見よう、と思ってもダミーしか置いていない、なんて事だと売るほうも、携帯電話のハードは売るけど、コミュニケーションメディアを売ってる事に気がついて居ない、って事ですね。


をたくな講師こと、ををつか

投稿: をたくな講師 | 2010年6月 7日 (月) 08:02

僕はいまだにメインは「W-ZERO3[es]」です。
最近は違う意味で「何、何、それ何!?」です(笑)
移動体通信の流れは、これからskype他のIPケータイになっていきそうですが、
ドコモですらどうするんでしょうね。
というか、そのときはPHSの立場は一体?

投稿: o | 2010年6月 7日 (月) 13:19

>をたくな講師さん

まるでラジカセみたいですね。
まあ、W-ZERO3[es]の場合、Windowsとほぼ同じことができる=スマートフォンだったので、仕方がないかなとは思います。OSの独自開発ができない以上、Palmくらいしか選択肢がないし、LinuxやらSymbianやらをカスタマイズするという手もあるけど、まあ、それでもiPhoneOSみたいなものを開発するのは無理だったでしょうね。日本市場だけで考えるとコスト的にしんどい、ということですね。
ユーザーが何をしたいか、ということで言えば、ガラパコスケータイのほうがうまくやっているように思います。絵文字とか、デコメールとか。

>oさん

私の[es]は画面の補正が無限ループしてしまい復旧できず、しかたなく機種変更となりました。
IPケータイの流れは、iPhoneで進行中ですね。どうするんでしょう。PHSは、と考えると、うーん、という感じですね。ほんと、かなり厳しいでしょうね。

投稿: mb101bold | 2010年6月 7日 (月) 22:45

蛇足ですが、日本がソフト開発をないがしろにしていたかというとそうでもなくて
TRONがありましたし、TRONは今でも組み込み型コンピュータOSで世界最大シェアみたいです。
それが一般のPCやケータイに使われなかったのは、政治絡みみたいですけども。
http://bit.ly/bY999R
ただ、どちらにしてもデザイン<機能という日本のメーカーのクセは
今も根本的に変わってないとは思います。
デザインも機能の一部なんですけどねぇ。

投稿: o | 2010年6月 8日 (火) 10:58

>ユーザーが何をしたいか、ということで言え
>ば、ガラパコスケータイのほうがうまくやって
>いるように思います。絵文字とか、デコメールとか。

う~~ん、これはどうでしょうか。
メーカーが出来る事を作りこんで
ユーザーが使ってる、って図式とも
いえます。

当初iPhoneも、絵文字が無い、でこメール出来ない
お財布機能が無い、などあれもこれも出来ないから
日本国内では物好きしか買わないなんていわれて
いました、それがいまやベストセラーです。

ほんとに必要なものって、ユーザもメーカーも判
らないのかもしれません。

投稿: をたくな講師 | 2010年6月 8日 (火) 14:26

>oさん

μITRONは今でも業界標準のようですね。少し前に組み込み用のDSP、アナログの広告を担当していて、そのあたりの話はよくオリエンで聞いたりしていました。B-TRONでは、超漢字がありますが、当時から「実身/仮身」という概念がちょっと取っ付きにくかったなあ、という記憶があります。でも、学者さんとかには根強い人気があるようですね。

>をたくな講師さん

Appleは、というかジョブズは、時代の読む力が圧倒的だったということなんでしょうね。今日はネットではiPhone祭りでしたね。

投稿: mb101bold | 2010年6月 9日 (水) 00:04

どうも!高校入学時にこの携帯を購入していたものです。この記事を読ませていただき、大変懐かしく思いました。
当時、私の周りの人たちにはこの携帯の素晴らしさが理解してくれる人は少なかったです。なのでスマホを平然と使われるのが少し悔しいです!汗
今年からは研究室に配属されますが、この携帯電話の体験を活かした研究が出来たらなと少し思っています!笑

投稿: WAXMAN | 2012年11月 8日 (木) 10:23

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/214429/48564243

この記事へのトラックバック一覧です: あの頃、僕らは確かに:

« どうでもいい話 | トップページ | 「大衆の原像」をどこに置くか »