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2010年9月 6日 (月)

iPadをさわっているほうが、ヘタな広告本を読むよりいいかもしれない

 会社でiPadを触る機会があって、いろいろといじってみて、こりゃすごいもんだよなあ、それまでにもタブレットPCという名前で同じようなものはあったけれど、こんなに見事ではなかったよなあ、と感心しました。ちょっと見事すぎて、逆に買う気がうせるというか、以前、某社のタブレットPCの広告に携わっていたこともあって、少し涙目になるんですよねえ。はい。要するに、嫉妬です、嫉妬。

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 まず何がすごいかっていうと、単純だけど、ウェブの表示がきれい。

 今のウェブサイトのサイズは、Yahoo! JAPANの横幅サイズがひとつの基準だと思いますが、縦表示でも、そのサイズでつくられたウェブサイトが無駄なくぴったり表示されるんですな。仕事でiPadでの表示を見据えてウェブサイトをつくってて、それがどんなふうに表示されるかを試すためにさわっていたんですが、液晶の美しさもさることながら、このどんぴしゃの表示がまあ、とってもいい感じなんです。

 縦表示だから、スクロールなしで表示される部分が多くて、もしかすると、横幅が広いデスクトップPCやノートPCよりもいいかもしれません。

 で、iPadを横に傾けると、センサーが働いて、ウェブも横向きに。表示はもちろん、横幅いっぱいに表示されます。つまり、大きく表示されるわけです。ほんと、気がきいてます。

 私、自分ではiPadを所有していないので、ほとんどはじめて触る感じなのですが、操作がほんと簡単で、これなら、今まで1回もPCを触ったことがない人でも、十分に使いこなせるでしょうね。

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 なぜ、今まで、先行したタブレットPCにこれができなかったんでしょうか。センサーやPC関連のテクノロジーが未発達だったから?ウェブや通信のインフラも整備されてなかったから?それはそうでしょうけど、でも、やっぱりそれは言い訳だと思います。

 タブレットPCって、既存のPCにタブレット使いのための機能をプラスしただけだったんですよね。これまでのPCのように何でもできます。そのうえ、タブレットの便利な機能をプラス。ね、お得でしょ、みたいな感じ。だから、PCの難しさに、さらにタブレットの機能が加わって、結果としては、すごく重くて難しいものができあがってしまった。

 時代というのはあるとは思うんですが、決定的に違うのは、ターゲティングなんでしょう。iPadはターゲティングがすごくしっかりしてて、タブレットPCには迷いがあった。そんな感じがします。

 iPadは、完全に、これまでPCを使ったことがない人を対象にしているんでしょうね。つまり、テレビのようにiPadを使う人。難しいことはよくわからないけど、さわっていたら、こんなことができた、あんなことができた、みたいな感じで使う人。

 そういう人たちに受け入れられるために、動作がびっくりするほど機敏だし、ソフトを立ち上げるのは、ボタンをタッチだけにしちゃっているし。そのかわり、PCみたいに、内部の深い階層へのアクセスやカスタマイズは切り捨ててしまっているし、OSだって簡略化してしまっています。ソフトウェアの選択肢もMac以上にないし。

 Flashを切り捨てたのは、きっと、Flashによってリッチコンテンツが見られることと、Flashによって、ウェブの表示が遅くなったり、時にはクラッシュしたりすることを天秤にかけて、使う人が、iPadっていらつくなあ、と思うのは後者だな、と思っての決断なんでしょうね。もちろん、政治的な部分もあるんでしょうけど。

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 つまり、iPadにあるのは、新しい顧客に対しての、見事なまでの最適化なんです。その最適化に、デバイス側の都合、言い換えれば、言い訳が一切ないんです。もちろん、Flashを使えたほうがいいとは思いますよ。でも、現状、新しい顧客への最適化を考えたら、そこは切り捨てよう、みたいな部分も含めて、最適化が行き届いています。

 これ、そのまま広告にもあてはまるんですよね。広告って、その設計の部分で言えば、顧客に対しての、「コミュニケーションの最適化」なんですね。まずは、顧客は誰かを見極めて、その顧客に対して、一切の妥協や自己都合、言い訳を排して、徹底してコミュニケーションを最適化する。それが、広告なんです。

 だから、広告は効くんです。当たり前ですよね。だって、ものすごい想像力で、コミュニケーションを最適化するわけですから、ほかのコミュニケーションに比べて効かないわけがないんです。本当は。広告が効かなくなった、みたいなのって、要するに、その最適化がうまくいっていないだけ。むしろ広告って駄目じゃん、無駄じゃん、みたいなことって、本質的に、広告はコミュニケーションの最適化であるにもかかわらず、その最適化が、結果として違う方向を向いてしまっているから。最適化が本分なのに、根本で間違えると、そりゃマイナスになります。

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 ほんと、iPadをさわっていると、広告についてたくさんのヒントがもらえます。ヘタな広告本を読むよりいいかもしれません。

 前の「広告表現とターゲティング感覚」というエントリでも書きましたが、最初の部分のターゲティング設定が難しくなってきている現状もあるし、それができなかったら、コミュニケーションの最適化もへったくれもないんですが、でもまあ、こんな時代でも、iPadは見事にやってのけているわけだし、それに、PCというプロダクトを取り巻く状況だって、広告をとりまく状況と似たようなもんだしね。

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コメント

mb101boldさん、こにゃにゃちわ(^^)
iPad購入しました。(^0^)
で、ちょっと思ったのがメモリの管理とかは必要ないのかな?ってこと。でもクラウドだからダイジョブなのかな。ウィルスとかも。クラウドってすごいなぁ。やっぱFlashuもiPad型の機器に対応すべきじゃんね。と思っちゃう。エクセルもワードもパワポも使わないパンピーユーザーの私にはまるっきり違和感ないもの。要するにめんどくさいことが何にもないんですよね。ダウンロードしたアプリを削除するのも超簡単だし。

投稿: ggg123 | 2010年9月 6日 (月) 12:11

イイネ!
mb101boldさんも、買いましょう。さあ!

投稿: tom-kuri | 2010年9月 6日 (月) 14:50

>ggg123さん

おおっ、そうですか。メモリの管理って、そう言えば、MacBookでも気にしなくなりましたね。Windows 98を使っていた時は、メモリをものすごく気にしてたのに。それにメモリ、安くなりましたよねえ。Flashはわりと不便かもですが、iPadくらいの洗練されたデバイスだと、逆にFlashを使っているサイトが時代遅れみたいに見えてくるんでしょうね。ジョブズさんの思うつぼでしょうけどね。

>tom-kuriさん

うーん、まだ保留かなあ。だって、MacBookでこと足りてるし。うーん。でもなあ、ちょっとほしい気持ちもあるんですよねえ。

投稿: mb101bold | 2010年9月 6日 (月) 23:01

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