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2010年9月19日 (日)

めしがうまけりゃ、なんとかなるさ。

 ということを、よく思います。

 たとえば、なんか、人の問題とか、お金の問題とか、経営状態の問題やらで、やな感じになっているお得意先の仕事なんかで、でも仕事だからやらなくちゃならなくて、みたいなとき。どうやってモチベーションを高めるかというと、ビジネス本に書いてあるようなことではまったく効かないんですよねえ。そんなもの、人間なんだから、やなもんはやなんです。

 そんなとき、意外に効くのは、めし。

 そのお得意先の近くに昼飯がおいしい食べ物屋さんを見つけるんですね。で、それをたのしみにするんです。だから、打ち合わせは、できる限り、朝一にします。普通は、やな仕事だと、気分的に後まわしになるんですが、昼飯のために、あえて朝一にするんです。

 そうなると、その仕事は案外好転するんですよね、なぜなら、と続くと、ライフハックになるんですが、まあ、現実は、あんまりそうはならないです。そんなにうまいこといくわけがないですよねえ。でも、とにかく、とりあえずは、その仕事がつらくてつらくてしょうがない、ということはなくなります。それだけでも、ずいぶん違います。

 勤め人の方、特に外回りの営業の方は、いろんなところに、とっておきの食べもの屋さんを持っているんでしょうね。私は、制作職なので、営業の方ほどあるわけではないですが、それでも、たくさんの得意先の仕事をやってきましたので、それなりにありますです。本日は、それをご紹介したいと思います。

 あっ、べつにこの近辺の得意先がいやだったってわけではありませんからね。大好きな得意先でも、おいしいお店は探しますので。どっちかというと、食通っぽい感じではなくて、気軽に入れて、そんなに高価じゃなくて、ひとりのときでも、さくっと行ける感じのお店を選んでみました。私は東京で仕事をしているので、東京近辺になります。

田町「ホーカーズ

 東京のカレーでは、ここがいちばん好きかも。私はカレー通ではないでの、本場のインドカレーやタイカレーがどんなものかは知りませんし、それに比べてどうか、ということは言えませんが、ここのココナツミルク入りの赤いカレー、サラサラで真っ赤なのチキンカレーは、ほんとおいしいなあ。なんというか、味がシンプルなんですね。いろいろ混ざりあった、複雑な味ではなく、キリッとしたおいしさ。
 ランチは、2種盛りというのがあるんですが、私はいつもこの組み合わせ。価格も良心的です。でも、お昼は落ち着いて食べる感じではないです。あと、とろっとバターが効いたポークカレーもおいしいです。それと、数量限定のカレー炒飯も人気。食べたい人は、早めにいかないとなくなります。


銀座「山形田

 前は京橋にありましたが、ウェブサイトを見たら、銀座に移転とのことです。また、食べにいかないとなあ。山形そばのお店で、いわゆる太めの田舎そばです。東京のそば屋さんと言えば、さっとくぐって、みたいな粋な感じのお店が多いですが、ここのは、かなり食べごたえがあります。そば食ったなあ、という気になります。
 おすすめは、「蔵王地鶏冷やし蕎麦」のおろし付き。これは、ほんとうまいです。そばも鶏も当然うまいんですが、出汁がいいんです。飲み干せる出汁。東京にあるのおそば屋さんでは、ここの「地鶏冷やし」がいちばん好きかも。
 

日本橋「ますたにラーメン

 京都銀閣寺の「ますたに」からのれんわけしたお店です。ラーメンは、人それぞれ好みがありますが、私は、ラーメンではここがいちばん好みです。九条ネギを多めで、無料のごはん付きでいただきます。銀閣寺の「ますたに」にも行ったことがあるんですが、こっちのほうが洗練されてて好きかなあ。
 

新宿「永坂更科布屋太兵衛

 麻布十番の永坂更科ですが、新宿の地下鉄ビルの「メトロ食堂街」にある支店は、立ち食いコーナーがあるんですよね。気軽で、新宿に寄ったときは、よく利用します。かき揚げが豚天なところも働く人の味方という感じです。かけともりがあります。立ち食いだけど、そば湯があるのがうれしいです。
 じつは、このお店、東京ではじめて食べたそばなんです。大学受験のとき、新宿で降りて、私、方向音痴なので、地下で迷って、そこで立ち食いそば屋さんだ、と思って入ったら、すごくおいしかったんですね。びっくりしました。大阪って、そばを大事にしないんですよね。うどんの代用というか、そんな感じ。まずは、そばの角が立っているのに驚いて、腰というか、プリプリしているのにびっくりして、へんな表現ですが、ラーメンみたい、と思っちゃったんです。
 あとから知ったことですが、普通の立ち食いそばは、まあ、麺は大阪と同じなんですよね。「永坂更科」は特別でした。
 

神田「サモサ

 ナンで食べる本格インドカレー。ということだけなら、たくさんありますが、ここはスタンド式で気軽に食べられるんですね。ガード下の入り口から入ると、券売機があるスタンドで、商店街側から入ると、テーブルでゆっくり食べるレストランになっています。その間にキッチンがあって、インド人のシェフがつくっています。つまり、レストランでゆっくり食べるカレーと味が同じなんです。
 

神保町「スヰートポーヅ」

 ここは有名ですよね。老舗だし、わりと有名なので、説明不要かもしれません。あっさりしているので、ときどき食べます。味噌汁がおいしいです。餃子の皮が筒上に巻かれてあるんですよね。つまり、両端が閉じていないんです。肉汁を楽しむ餃子という料理的にはどうなんだろうと思いますが、ま、それがスヰートポーヅという食べ物なので。資料集めのときに、よく行きます。
 

 とまあ、そんなところですかね。おいしいお店はたくさんありますが、あえて、というとこんな感じになりますね。やっぱり、ひとりでも大丈夫な気軽な感じというのが、私にとっては大切な気がしました。だから、立ち食いとかスタンドとかが多くなりますね。このあたりのお店は、いまだに用がなくても行くことがありますね。

 あと、必ずしも味だけじゃないかもです。今はもうないけど、有楽町のマリオンの近くにあったスタンドカレーとか、六本木のばくだんラーメンとか、絶品というにはちょっと足りない感じでも、帰りにあれ食べていこ、という気になります。仕事ではあまり行かないけど、高円寺の「ニューバーグ」なんかは、その代表格ですね。

 最後に、新大阪駅の「浪花そば」という立ち食いうどん。在来線のコンコースにあります。まあ、これといって特別なうどん屋さんではないですが、帰省やら出張やらで、東京から新大阪に立ち寄るときには、いつも利用します。帰って来たなあ、という気になるんですよね。きざみうどんを頼みます。味のついていない薄あげを刻んだのが入っています。いかにも大阪らしく、昆布だし。新大阪で降りるときにも、在来線に入って、うどん食べてから降ります。おすすめです。

 ほんとね、めしがうまけりゃ、なんとかなるさ、です。振り返ってみると、おいしいたべもの屋さんには、ずいぶん助けられたなあ、と思います。

 では、よい休日を。

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