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2010年9月20日 (月)

月見うどん

 大阪にいたときは、月見うどんがきらいでした。

 どうしてかって言うと、せっかくの澄んだ黄金色の昆布出汁のおつゆがにごってしまうから。おつゆに生卵が完全にまざって乳白色になるんですよねえ。あれがええんやんか、と言う方もいらっしゃると思うんですが、私はあれがちょっと苦手です。

 同じような人がいるからなのか、大阪では、立ち食いではなく、ちゃんとしたうどん屋さんには、けいらんうどんというものがあります。けいらんは、漢字にすると鶏卵。片栗粉でとろみのついたおつゆに、生卵をといたものを入れて、かき玉にしたものです。ものすごく熱くて、お口の中の皮がべろべろになるけど、あれは好き。生姜なんかも入っていて、寒い冬はいいんですよね。でも、月見うどんはどうも駄目。

 なのに、東京では月見そば(東京ではなぜかうどんは頼みません)をよく頼みます。それは、なぜか東京の鰹だしの濃いめのおつゆなら、生卵がまざらないからなんです。なんか理屈はあるんでしょうけど、とにかく関東風のおつゆなら混ざらないんです。不思議。月見天ぷらだと、生卵の黄身のとろっとした部分にかき揚げやそばをからめて食べると、満足感が格段に上がります。

 このあいだ、そのことを忘れていて、新大阪の立ち食いうどん屋さんで月見天ぷらを頼んでしまって、一瞬、あっ、失敗した、と思ったんですが、ていねいに食べると大丈夫なんじゃないか、とゆるゆると黄身をやぶると、みるみるおつゆがにごってしまいました。関西風のおつゆの生卵まざり力、おそるべしです。

 生卵と言えば、子供の頃は、ざるそばを頼むと、かならずうずらの生卵がついてきました。ざるそばって、そういうものだと思ってましたが、東京ではそうでもないんですよね。関西、とくに大阪は、そばに対する扱いがぞんざいですよね。最近では、ざるそばにうずらはつかなくなりましたし、おそばもかなりレベルが上がりました。それは、東京でのお好み焼きやたこ焼きのレベルが上がったのと同じですね。一頃は、東京のお好み焼きやたこ焼きは、ホットケーキみたいでしたものねえ。

 話が横道にそれますが、さきほど、ぞんざいとタイプして、漢字に変換されないなあ、と思って調べてみると、いろいろ謎の多い言葉のようですね。お暇なかたは、こことかここを見るとおもしろいかもです。

 生卵。入れる派、入れない派があるようです。関西で食べる月見うどんは苦手だけど、私は、断然入れる派です。カレーに生卵を入れて、醤油をかけて食べますし、納豆にも生卵を入れます。牛丼にも生卵です。温泉卵ではなんかものたりません。牛丼は、生卵をとかずに落とすのも、よくとかして、黄身と白身が完全にまざったものをかけるのも、どちらも好きです。後者は、すごくまろやかな味になります。

 というか、なんでこんなことを書いているんだろ、とは思わなくはないですが、まあ、ブログだし、休日だしねえ。ブログ、万歳。休日、万歳。

 きっと、昼飯に、卵焼き用のフライパンに、鰹だしにおじゃこと青ネギを入れて、火をかけて、煮たってきたらといた生卵をいれて、ぱしゃぱしゃかき混ぜたものをつくって食べたからですね。卵のぱしゃぱしゃと呼んでます。味醂とかお酒を入れると、もっと旨くはなりますが、そうなると、卵のぱしゃぱしゃではなく別の料理になってしまいます。まあ、勝手に定義して、なってしまいます、もあれですけど。親子丼の具のできそこないみたいな簡単な料理ですけど、けっこうおいしいですよ。

 では、引き続き、よい休日を。

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コメント

関西の方は、関東のおつゆは嫌いな方が多いかと思っておりました。

お好み焼きに関しては、昔々は、関東は、お好み焼きより、もんじゃだったのかも…と思います。

暇人ではないけれど、辞書的を超えたことばの面白さが好きで「ここ」とか「ここ」を見てしまいました。

投稿: 小幡万里子 | 2010年9月21日 (火) 02:36

私はそんなに嫌いでもないですが、関西の人は苦手な人は多いですね。鬼の首をとったみたいに、「あんな真っ黒の汁のめるか!」って言うんですよね。でも、まあ食わず嫌いのとこが多いですかね。
そう言えば、関西にもんじゃはまだないですね。

投稿: mb101bold | 2010年9月21日 (火) 08:13

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