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2010年10月10日 (日)

ラーメンの話

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 最近は、涼しくなってきて、ようやく、ラーメンでも食べよっかなという気になってきました。とはいいつつ、それほど頻繁に食べているわけではないですが、それでも新しい店ができたら、一度は食べてみる、みたいな感じですから、一応はラーメン好きとは言えるのかなあ。でも、私がラーメン好きだと、世の中のほとんどの人がラーメン好きになってしまいそうですし、当然、小麦のどうのこうの、無化調のどうのこうのはあまり語れませんし。

 ま、そんな普通のラーメン好きのラーメンの話です。

 それにしても、この夏は暑かったから、ラーメン屋さんはしんどかったでしょうね。さずがに、ああも暑いとラーメンはいいやってなりますものねえ。秋冬ものが振るわずで、ユニクロ減益、といったことはニュースになるけれど、ラーメン屋が減益というのはニュースになりにくいので、そのあたりはよくわかりませんが。

 なんの気なしに中野の街を歩いていると、ラーメン屋さんがたくさんオープンしているんですよね。ここ数ヶ月で一気に増えた感じがします。中野は「青葉」の成功もあって、すっかりラーメンの街になってきて、若いラーメン職人さんは中野を目指す、みたいなことになっているのでしょうか。それとも、賃料が下がって、若い人でも借りられるようになったからなのでしょうか。

 隣町の高円寺でもラーメン屋さんが増えた気がします。そのぶん減ったのは、パチンコ屋さん。高円寺は等価交換ではなかったので、いまの状況ではきつかったのかもですね。中野にくらべて高円寺はそのぶん設定や釘が甘い印象がありましたが、もう、こうも景気が悪いと、そんな方針ではやっていけないということなのかな。なくなったのは、独立系ばかりで、そのあたりも時代を反映している気もします。

 ラーメンは、バリエーションがあるから、若者を惹き付けるのでしょうね。よし、一発ラーメンで勝負、みたいなことが成り立つのは、バリエーションがあってこその話。どこかに自分の立ち位置を見つけられそうな気がするし。味噌あり、醤油あり、豚骨あり、魚介あり。家系、二郎系、大勝軒系などなど、流派もいろいろですし。

 これは、ラーメンに限らず、いろいろな業界に言えることでしょうね。バリエーションの豊かさがなくなってきたら、若い人はそこに入りようがないですから。このあいだ、テレビのドキュメンタリーを見ていたら、ある女性が立ち上げた農業ベンチャーに新卒で入社した女の子がこんなことを言っていました。

 「ここなら、商社的なことができるかもしれないから。」

 その女の子は、商社志望で、商社中心に就職活動をしていたそうです。でも、このご時勢、商社は全滅。それよりなにより就職だってままならない。悪戦苦闘の末、縁あって、その農業ベンチャーに入社することになったそうです。商社的なことができるかも、と言う言葉がとても印象的でした。こういう発想の転換、いいですね。とってもいいです。

 中野や高円寺にできたラーメン屋さんの若い店長さんたちにも、そんな発想の転換があったのかもしれないですね。和食やイタリアンをやっていて、ラーメンに転身なんて人も多いんでしょうね。

 ラーメンには夢があるのでしょう。きっと。

 可能性と言い換えてもいいかもしれませんが、まだ誰も手をつけていない領域がそこにありそうな感じがラーメンにはあります。そばにもうどんにも、もうないですよね。でも、ラーメンにはある。ありそうな気がする。ほんとにあるかどうかはわかりませんが、とりあえずは、ありそうな気がするっていうことは大事な気がします。

 これは、どこかIT業界と似ている気がします。今だとモバイルがそんな感じなんでしょうね。GREEには希望がある。モバゲーには希望がある。そんな感じ。実際にあるかどうかはわかりませんが。

 その希望感、ほんと大切ですよね。実体はともかく、希望感がなくなったら終わりですから。希望感は、何がつくるのか、というと、これはもう多様性なんでしょうね。硬直化した中でも、なんとかラーメン的なものを見つけられればなあ、と。

 写真は、ラーメンとはまったく関係のない東京青山の空ですが、青山はどうかというと、ラーメン屋さんはあまり増える気配はありません。そのかわり増えたのは、お弁当屋さん。働く人は、今、節約してて、オフィス街ではラーメンは流行らないのかもですね。

 でも、この流れは、ちょっと希望かもな、なんて思ったりもします。

 中野とか高円寺とか、生活の街で天下穫りを目指す、若いラーメン屋店主たち。いいじゃないですか。私は、そんなふうに思います。みんながみんな、銀座や六本木を目指さなくてもいいんですよね。今、中野のサンロードを入った路地は、とってもおもしろい感じになってます。ラーメンに限らず、立ち飲み屋さんや、居酒屋さんなどなど、独立系のお店がしのぎを削っています。

 みんな、お店の内装は質素な感じでがんばってます。これは、ちょっと希望だなあ。ほんと、希望です。

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コメント

こんにちは。以前もコメントさせていただいた元外資コピーライターのatomです。

現在は大阪に住んでいますが、それまで中野に住んでいました。サンロード裏の路地、懐かしいです。毎日のように飲み歩いていました。

GREEやモバゲーからは希望を感じますね。しかしながら今も勤務している広告代理店業界から、少なくとも社内からはあまり希望を感じません。広告業界はもうやばい、が口癖になっていて、GREEなどの企業やそこの社員から感じる「アツさ」のようなものがないように感じます。

中野や高円寺のラーメン屋や飲み屋を立ち上げた人々のようなリスクを背負うアツさで仕事をしていきたいなあと思います。

それにしても中野に帰りたいです笑

投稿: atom | 2010年10月12日 (火) 10:40

そんな時代だからこそ、広告っていうのは何なのかを突き詰めて考えることが大切だと思うんですね。時代が広告を必要としないのだとすれば、それはそれでしょうがないけれど、やはり広告にしかできないことはある気が私はするんですね。
その手応えみたいなものは、ほんのすこしだけ感じたりもしますし、そのほんのすこしの手応えに賭けてみたいな、と。
こんな時代に、こんな分野を専門にしているからこそ、ラーメン屋さん店主たちのような「アツさ」は持てないけれど、どんな状況でも絶望せずに、浮かれずに、考え続けられる、さめた「アツさ」を保ちたいものだと思っています。
中野は、老舗のHARAH'Sとかも元気ですし、新旧入り交じっていい感じですよ。出張の際にでも、ぜひぜひ。

投稿: mb101bold | 2010年10月13日 (水) 01:09

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