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2011年5月 8日 (日)

5月6日「浜岡原発停止要請」菅直人首相会見について新聞記事を中心にまとめてみました

 5月6日夜、菅直人首相の会見が行われ、中部電力へ浜岡原発の停止を要請。この模様はテレビのニュースでも生中継されました。新聞各社は、会見から7日の朝刊が届くまでの間にも、多くの重要な記事を各社のポータルサイトに即時配信しました。その記事を逐一眺めていて思ったことがありました。

 起こった出来事としては、菅直人首相の会見だけです。その後に配信された多くの記事は、このひとつの出来事に対しての、様々な人たちの反応や、これから予測される事態について書かれた記事です。そこに書かれている大部分は、たったひとつの停止要請という事実についての、人々が感じた敬意、賛意、驚き、戸惑いです。

 だからこそ、これからの浜岡原発停止措置や原発政策について、それほど原発問題について詳しくない個々人が考えていくうえで、6日夜から7日までに配信された記事は大いに参考になるのではないかと思ったのです。さらに正直に言えば、この問題について詳しく知らない私自身が、このことを考えるうえですごく役に立ったんですね。

 そのひとつひとつを追っていくのは無理にしても、軸としてつなげていくことができれば、よりわかりやすくこの重要な事柄を理解できるようになるのではないか。そんなふうに思ってまとめエントリをつくりました。少し長いですが、リンク先も含めて30分ほどで読めるかと思います。

■立地条件と背景

 NHK科学文化部による図説入りの解説です。

 静岡県御前崎市にある中部電力の浜岡原子力発電所は、地震の規模が、最大でマグニチュード8クラスで、「いつ起きてもおかしくない」と指摘されている東海地震の想定震源域のほぼ真ん中に位置していることから、全国の原発の中でも「地震対策」という面で特に注目を集めてきました。
【ミニ解説・浜岡原発 運転停止要請の背景は】- NHK「かぶん」ブログ

■これまでの流れ

 浜岡原発3号機は、定期検査で運転を停止していました。震災前までは3月中に運転再開の予定が4月上旬になり、それをさらに一時見合わせるという状況でした。

 中部電力は29日、定期検査で運転を停止している浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)3号機について、早ければ4月上旬とみられた運転再開を一時見合わせる方針を明らかにした。海江田万里経済産業相が25日の閣議後記者会見で、定検で停止中の原発を再開するための安全基準のガイドラインを今週をめどにまとめると表明したことに対応する。
浜岡原発3号機、再開見合わせ 国の安全指針策定で - 日本経済新 2011/3/30

 その後、浜岡原発に関して、2013年までに地震・津波対策を完成させる方針を決定。

 中部電力は20日、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)で新たに実施する地震・津波対策の費用が総額で約300億円に達する見通しであることを明らかにした。地震や津波で電源や冷却機能を失っても炉心や使用済み燃料の損傷を防ぎ、冷却機能を回復させる体制を2013年度までに完了させる方針。
浜岡原発の地震・津波対策費に300億円 中部電力 - 日本経済新聞 2011/4/21

 以前より浜岡原発の停止を主張していた毎日新聞では、こんな記事も配信されていました。

 4月28日朝、首相と関係閣僚が顔をそろえる「経済情勢に関する検討会合」で、出席者の一人が「浜岡原発(中部電力)は止めるべきだ」と発言した。電気事業を所管する経済産業相は反論を避けた。その他の出席者も、不意の問題提起に応答をためらい、沈黙をまもった。議論は回避されたが、政府要人による浜岡原発停止要求は、この問題に敏感な霞が関と電力業界に強い衝撃を与えた。
風知草:再び「浜岡原発」を問う=山田孝男 - 毎日新聞 2011/5/2

 5月5日、海江田万里経済産業相が視察。

海江田経産相は記者団に対し、「(地震や津波に対する)訓練など疑問のある点を指摘した」と述べ、中部電の対策に不十分な点があるとの認識を示した。視察や地元の意見を踏まえて、5月上旬に安全対策に対する評価を示す方針を明らかにした。
経産相:中部電浜岡原発を視察 対策に不十分な点を指摘 - 毎日新聞 2011/5/5

 5月6日夜、菅首相の緊急会見。

 首相として海江田万里経済産業相を通じ、浜岡原発のすべての原子炉の運転停止を中部電力に要請した。国民の安全と安心を考えた結果の判断だ。浜岡原発で重大な事故が発生した場合に、日本社会全体に及ぶ甚大な影響も考慮した。
 文部科学省地震調査研究推進本部の評価では、これから30年以内に浜岡原発の所在地域を震源とするマグニチュード(M)8程度の東海地震が発生する可能性は87%と、極めて切迫している。特別な状況を考慮すれば、東海地震に十分耐えられるよう防潮堤の設置など中長期の対策を確実に実施することが必要だ。対策完成まで、定期検査中で停止中の3号機のみならずすべての原子炉を停止すべきだ。
浜岡原発:菅首相の緊急会見要旨 - 毎日新聞 2011/5/6
菅首相会見全文【浜岡原発関連】 - 静岡新聞 2011/5/6

■会見についての反応

 会見が唐突に行われたこともあって、中部の経済界や地方自治体をはじめ、様々な人から反応がありました。冒頭の記事では、中部電力にも詳しくは知らされていなかったことが語られています。また、その要請の背景や影響について、新聞各社は様々な記事を次々と配信しました。

 突然の菅首相の停止要請に、名古屋市の中部電力本社は、役員らが慌ただしく情報収集に追われるなど騒然とした。
 テレビのニュースで初めて事態を知ったという幹部の一人は、「6日午後に社長に経産相から連絡があったそうだが、それ以外は全く把握できていない」と動揺した様子。
大口電力使用者から、驚きや戸惑いの声…名古屋 - 読売新聞 2011/5/6

 菅直人首相が中部電力浜岡原発の停止要請に踏み切ったのは、東京電力福島第1原発事故が深刻化する中、「非常に高い確率でマグニチュード8程度の地震に見舞われる」(経済産業省幹部)浜岡原発を止めることで、原子力行政を「安全優先」へ転換する姿勢を打ち出すためだ。
浜岡原発:全面停止へ G8前、不信感和らげる狙いも - 毎日新聞 2011/5/6

 続けて記者会見した海江田経済産業相は、中電の水野明久社長に電話で要請し、その際、水野社長からは「最終的返答は保留させていただきたい」との発言があったことを明らかにした。
中部電力社長「返答は保留させていただきたい」 - 読売新聞 2011/5/6

 浜岡原子力発電所の3~5号機が停止することにより、中部電力の電力供給力は、従来計画の2999万キロ・ワットから約2600万キロ・ワット強に低下する見通しだ。
 猛暑だった昨夏の需要ピーク時(2621万キロ・ワット)に比べ余力がほとんどない状態と見られ、夏場に向け、計画停電や節電要請などの需要抑制策を迫られる可能性がある。
浜岡原発、全基停止すると夏場の供給力に不安も - 読売新聞 2011/5/6

 菅首相が中部電力浜岡原子力発電所のすべての原子炉を運転停止する方針を示したことについて、民主党内では「原発に対する国民の不安を意識した、首相の英断だ」(ベテラン議員)と評価する声が上がったが、自民党内では「唐突な発表だ」と戸惑いや反発が広がっており、同党をはじめ、野党は国会で追及する構えだ。
停止要請「英断」「唐突」「党内調整不十分」 - 読売新聞 2011/5/6

 菅首相の突然の記者会見を受けて、浜岡原発の地元自治体は対応に追われた。
 中部電力の安全対策を疑問視する発言をしてきた静岡県の川勝平太知事は午後8時すぎになって「英断に敬意を表します」とコメントを発表。「県としては、省電力、省エネルギー対策にこれまで以上に取り組む」とした。
静岡知事「英断に敬意」 浜岡原発への全炉停止要請 - 朝日新聞 2011/5/6

 中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の原子炉を全て停止するよう菅直人首相が6日、中部電力に要請したことについて、地元住民や自治体、関係者の間には戸惑いと歓迎が交錯した。「唐突で人気取り」「交付金に依存する自治体財政はどうなる」と疑問視する向きがある一方、静岡県の川勝平太知事は「英断に敬意を表する」と評価、危険性を訴えてきた市民団体などからも「当然の判断だ」とする声が上がった。
浜岡原発:全面停止へ 「唐突」「英断」…戸惑う地元 - 毎日新聞 2011/5/6

 西川一誠知事は「全国の原発についての基本的な姿勢を示さないまま、部分的に対応していることは到底、県民や国民の理解が得られるものではない」と述べ、全国の原発で多くの課題を抱えたまま浜岡原発だけ対応を示すことに疑問を投げかけた。
福井に困惑広がる - 産経新聞 2011/5/6

 浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全面停止が避けられない情勢となり、中部電力は、火力発電などへの切り替えに伴う発電コスト上昇で、2011年度の営業利益が赤字転落する可能性が出てきた。
浜岡原発停止なら、中部電力の赤字避けられず - 読売新聞 2011/5/7

 6日夕、突然発表された中部電力浜岡原発の運転停止要請で、これまで環境問題やエネルギー安全保障の面から「化石燃料だけに依存できない」としてきた日本の原子力政策は真っ向から否定され、関係者に衝撃が走った。菅直人首相が自ら原発を捨て去ったことに、監督官庁の経済産業省幹部からも「海外に誤ったメッセージを送りかねない」との声が上がった。
「なぜ今」「海外に誤ったメッセージ」原発放棄、信頼は失墜 - 産経新聞 2011/5/7

■個人ブログ・ソーシャルメディア

 6日夜に突然会見が行われたこともあって、ブログではそれほど多くの記事は投稿されていなかったようです。私もブロガーでもあるのでわかるのですが、この短時間で自分の考えをまとめて記事にするのは並大抵のことではありません。

その「最大限の対策」の具体的な内容を提示すべきではないのか。「浜岡止めろ」というのが具体的な要請である以上、対価もまた具体的でなければ要請された側も困惑するばかりのはずだ。
News - なぜ浜岡? - 404 Blog Not Found 2011/5/6

福島第一の場合も原子炉建屋の屋上に移設しておけば、福島第二と同じように冷温停止になったはずだ(工費は数百万円だろう)。事故原因は特定されているのだから、それを無視してなんとなく「津波対策をするまで危ない」と考えるのは論理的に間違っている。中部電力は法的根拠のない「要請」を拒否し、保安院の説明を求めるべきだ。
浜岡原発の「停止要請」は非科学的だ - 池田信夫blog 2011/5/6

ようやく浜岡原発の停止を政府が要請した。残りの原発に関してもきちんとしたストレステストをすべきだ。そして自民党としても、今回の政府の要請を評価し、後押しをしなければならない。
全ては監査法人次第か - 河野太郎公式ブログ  2011/5/6

 一方、140字という敷居の低さがあるtwitterでは政治家や評論家、有名ブロガーをはじめ、様々な人たちがツイートをしていました。なお、twitterに関しては、全文引用です。私のアカウントのリツイート画面からの抜粋ですので、この他にもいろいろあったのだと思います。

総理が浜岡原発の停止を要請したことを高く評価。東海地震の可能性は30年で87%。耐震基準について保安院の安全だという判断は出ていない。津波対策はない。2基で240万キロワット。中部電力は3264万キロワット出せる。需要は2000万キロワット以下。停めても夏のピーク時も問題ない
福島瑞穂党首が「浜岡原発を停止しても電力の供給に問題がない」と断言。しかしその根拠となる数字があやふやなので無理矢理聞き出してみました。 - Togetterのまとめ

浜岡の原子炉を止めるのは賛成だよ。福井も、なんの対策もせずに動かし続けていいの? →一ヶ月前の関連エントリ) http://ow.ly/4Ozd3

大地震が予想される地域ということと、東名や東海道新幹線への影響を考えると浜岡が一番危ない。一方の福井は、原発の集積度合いが半端じゃないことと、あそこになんかあったら「京都」が死んじゃうというリスクも。。。              

浜岡の停止要請については賛否両論あるとは思いますが、まずは菅政権がなにかひとつでも「決断をした」という事実に祝意を表したいです。任期中になにかいっこくらいは決めたりしないとねえ。

己惚れ諸君、野次馬諸君、内弁慶諸君、穴隠れ諸君。手探りながらも、この大災難と共に居てくれた自国のリーダーを祝福せよ。

フクシマがこの以上悪化しなくて世界はホッとしている。「保安院はメンバーも集まらなかった」、「水素爆発の可能性を指摘する専門家が一人も居なかった」などの事実が判明した後、私は日本のリーダーはよくやったと思い始めた。菅さんはイライラを露にするのは当然と思った。

今回の首相判断について、「政府内で十分に検討された形跡はなく、支持率低迷に苦しむ政権が反転攻勢のために繰り出した苦肉の策との見方」(読売)も示されているが、国民が評価するのは「動機」ではなく「結果」だ。少なくとも、私は評価する。次回の世論調査で大いに支持率アップすればいい。(続く

続) 国民の安全を最優先にして結果を出すことが国民に評価される、ということを菅首相にも実感してもらえる。安全性が確認できないものはとりあえず止めるようにし、当面の電力不足を最小限にする方策を早急にまとめ、エネルギー政策について「政府内で十分な検討」をして欲しい。

政府には、今後のエネルギー対策と合わせて、雇用の問題を同時並行的に考えてもらう必要がある。原発立地自治体では、原発によって雇用が確保され、地域の経済や人々の生活もかなりの部分原発に依存している。その人たちの生活も考えなければ。

■5月7日付け各紙社説

 各紙、大筋で菅直人首相の停止要請を許容していますが、その先の主張は各紙ともかなり異なっています。しかしながら、方向性が異なっても、その先の説明を政府に求めるという部分は一致しているようです。

 浜岡が全面停止に至れば、全国にあと五十一基ある原発への影響は必至でもある。だがこれを脱原発の始まりと見るのは早い。中電の場合、仮に原発を止めても、供給力に余裕があるとの試算がある。しかし、風力や太陽光など、自然エネルギーによる代替網はまだ確立されていない。産業や市民生活への影響は少なくない。
 これからの電力をどうするか、電気とどう付き合うか。それは、経済活動のあり方や私たち自身のライフスタイルをどう変えていくかということだ。
 私たちは国民的議論のスタートラインに立っている。
「浜岡」停止要請 国民的議論を始めよう - 中日新聞

 東京電力の福島第一原発が想定外の惨事を引き起こした以上、危険性がより具体的に指摘され、「最も危ない」とされている浜岡を動かし続けるのは、国際的にも説明が難しい。日本周辺の地殻変動が活発化しているとの懸念もある。中部電は、発電量に占める原発の割合も低い。首相の停止要請の判断は妥当だ。中部電は速やかに要請を受け入れるべきだ。
浜岡原発―「危ないなら止める」へ - 朝日新聞

 電力不足は震災から立ち直りを目指す産業界に厳しい制約を課す。東海地方は日本のモノづくりの中核的な地域だ。社会や産業への影響を最小限にとどめられるのか。政府は電力需給の実情を踏まえた上で、国民にきちんと説明する責任がある。
浜岡原発停止は丁寧な説明が要る - 日本経済新聞

 政府は、中部電力と協力して対策に万全を期すことが求められる。無論、巨大地震が想定されていない他の地域の原発についても、安全確認が必要だ。
 政府と、電力各社の作業が遅れれば、浜岡原発に限らず各地で原発停止が広がるかもしれない。そうならないよう、政府と電力各社は、対応を急がねばならない。
浜岡原発停止へ 地震と津波対策に万全尽くせ - 読売新聞

 中部電力は東日本大震災を受け、防潮堤の設置など複数の津波対策を計画している。しかし、その対策が終わる前に、東海地震に襲われる恐れは否定できない。南海、東南海地震と連動して起きる恐れもある。
 防潮堤の設置など中長期の対策が終わるまで停止するよう要請したのは妥当な判断だ。首相の決断を評価したい。中部電力も要請に従わざるを得ないのではないか。
浜岡停止要請 首相の決断を評価する - 毎日新聞

 浜岡原発を止めることによる電力供給減対策も、説明は不十分だ。住民らの節電で電力不足を乗り切りたいとしたが、運転停止の期間や再開の見通しなど具体的な説明は聞かれなかった。これでは、国民は国のエネルギー政策そのものを信頼できなくなる。
浜岡停止要請 原発否定につながらぬか - 産経新聞

■現在(5月7日)

 朝日新聞の朝刊の1面では「浜岡原発 全停止へ」という大きな見出しが立ち、「首相の要請受け入れ」と書かれていましたが、受け入れるという方針は決めたものの、最終判断は8日以降に持ち越しとなりました。

中部電は受け入れる方向。停止期間は、中部電が2~3年後の完成を目指す防潮堤新設までとなる見通しだ。
浜岡原発の全原子炉停止へ 首相の要請受け入れ - 朝日新聞  2011/5/7

石原市長は「国が原子力を危険・不安と思うのであれば、浜岡原発だけではなく、全ての原発を見直すべきだ」と述べ、政府の判断を改めて批判した。
「意見聞いていたのか」御前崎市長、突然の発表を批判 浜岡原発の地元 政府の停止要請受け - 日本経済新聞  2011/5/7

 現在、定期検査や東日本大震災の影響で止まっている原発については、運転再開に地元の了解が必要。唐突ともいえる浜岡原発の停止要請の影響は大きく、全国の原発立地地域で再開に慎重な判断を求める声が強まるのは必至だ。
全体像みえぬ電力政策 停止中原発32基、再稼働難航も 首相、浜岡に全面停止要請 - 日本経済新聞   2011/5/7

 中部電力は7日、浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の全3基の停止を求めた菅直人首相の要請を受け入れる方針を固めた。この日午後に名古屋市の本店で臨時取締役会を開き、停止に向けた協議に入った。最終的な判断は8日以降に持ち越した。
中部電、浜岡原発停止向け協議入り 結論は持ち越し - 朝日新聞  2011/5/7

 中部電が同日発表した声明は以下の通り。
 「経済産業大臣より、昨日(6日)19時に、浜岡原子力発電所の運転停止に関する要請を受けました」
 「本日、臨時取締役会を開催し、浜岡原子力発電所全号機が停止した場合の当社の対応について議論を行いました。具体的には、夏場の供給力、燃料調達の見通し、収支、津波対策への対応など全号機停止による影響を幅広く議論いたしました。しかしながら、検討内容が極めて重要な事項であり、多岐にわたっていること、お客さま、立地地域の皆さま、株主の皆さまをはじめ多くの皆さまへ多大な影響を与えることなどから、継続審議といたしました」
 「当社としては、要請内容について迅速に検討してまいります」
「供給力や津波対策、議論したが…」中部電、結論先送り 浜岡原発の停止要請 取締役会後に声明 - 日本経済新聞  2011/5/7

 すべての新聞記事をリストしたわけではありませんので、もしかすると重要な記事を取りこぼしているかもしれませんが、できる限り細かく、厳密に、ということにこだわってしまうと、この問題についてあまり詳しくない方は、ああ、こういうことなのか、と全体を把握することができなくなってしまいますので、できるだけいろいろな立場の人のリアルな反応を幅広く、という感じでつくりました。

 この時点のいろんな記事のまとめは、今後、事態が進んでいったときにも、きっと役立つと思いますので、あえて6日夜から7日にかけてネットに配信された記事に限定しています。この問題に関して詳しい方や、明確な意見を持っている方からは、ものたりなさや不満はあるかと思いますが、そのあたりはご理解いただければと思っております。

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コメント

「そういえばあの時Kさん具体的には何て言ってたかな?」と思い検索してこちらにたどり着きました。貴重な資料を残して下さり本当にありがとうございます。(以下愚痴ごめん)自分なりに調べた結果おそらく県は再稼働前提で動いていると思います。それを隠して来夏の知事選が闘われるかもしれません。選挙の時点で選択肢がない事態も考えられます。恐ろしくなってきました。私はどうすべきなんでしょうね。思いつかないです。

投稿: | 2012年8月10日 (金) 00:07

どういう国策を取るにせよ、きちんとした論議の上で決定されるべきだと私は思っています。既成事実の積み上げで事実上の国策、というのはやはり駄目だと思うのですよね。
今回の事故から学べることは、その部分だと思っています。

投稿: mb101bold | 2012年8月10日 (金) 18:46

レスありがとうございます。コメントいただけると思っておりませんでした。自分は静岡県がとんでもないことになっているというショックから立ち直れていません。滋賀県のホームページの防災関係の資料の中に「計画人災」という言葉を見つけたのですが、静岡県は計画人災に陥る可能性がある。それは知事がこだわった人事の影響ですね、おそらくは。闇は知れば知るほど深いです。
今できることは調べること、知ることでしょうか、外からできることといったら。どうしたら内で頑張っている人たちを支えられるでしょうか。

投稿: kk | 2012年8月10日 (金) 22:41

以前、『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』という本を読んだのですが、この問題は相当に複雑なことがわかりました。
絶対に避けなければいけないと思うのは既成事実の積み上げによる推定で、事実上の国策が決定されたかのように動くことで、そのプロセスだけはこれだけの事故が起きた以上は認めてはいけないのだろうと思います。
であるならば、暫定的に停止された原発は法定のプロセスを経た上で手続きにのっとって稼働させることも、現行の国策では認めなければならない、という立場を私はとっています。
事故により暫定的に停止されたからこの事実を持って全原発が止まったとみなすという立場は、結局、今までと同じように既成事実の積み上げでなし崩し的に正しい戦略なしに動いてきた原発行政と逆ベクトルで同じことになると思うのです。
難しくて微妙な問題ですし、私の能力の限界を超えることでもありますので、私が言えることはここまでかもしれません。状況に左右されずに国策策定に向けて丁寧に論議して、しかるべき手続きで決定した上で進む。それが大事だと思っています。
なので、私が危惧するのは、積極推進と絶対反対のグラデーションの中で、その部分がなし崩しに向かうことです。

投稿: mb101bold | 2012年8月11日 (土) 16:27

レスありがとうございます。8月10日のレスについては全面的に同意いたします。8月11日のレスについては私の国語の基礎学力不足でおっしゃっている意味が十分理解できないところがあるのですが、私が理解できる部分については同意いたします。私の明らかな勉強不足のままレスを付けたことをお詫びいたします。8月11日のレスについては私の中に不穏なものを感じられたから付けられたのではないかと思います。もし必要と判断されるのならば削除願います。

投稿: kk | 2012年8月14日 (火) 17:24

いえ、不穏なものは感じませんでしたよ。この問題に関しては私のほうが勉強不足の可能性も大いにありますし。
いずれにせよ、なし崩しは良くない。もう、そういうのはやめたほうがいい、というのは私もあります。
今、浜岡を巡っての静岡の状況で把握している情報がこれくらいで、そういう意味では見える状況では安全性確保の観点から相当に慎重になっているようにも思えます。
http://mainichi.jp/select/news/20120814k0000m010049000c.html
http://www.kyodonews.jp/feature/news05/2012/08/post-6447.html
私は安全性確保が見えた段階での再稼働については(浜岡の場合はハードルは高いでしょうが)現行では特に懸念は持っていなくて、再稼働イコール今後も原発推進とは思ってはいないのです。なので、再稼働に向けて、浜岡特有の状況を考慮しながら全力で安全性確保のために動いていること自体は評価されてもいいのかなとは思っています。
また、現在の地方自治体の長が反原発の意図を持って廃炉に向けて動くということは、やはり国策があり現行法の中で動いている原子力行政の観点からは逸脱するのだろうとも考えます。それはプロセスとして国策の決定があって、それから、というのが正しいあり方だと思っています。
これはすごくじれったいかもしれませんが、このじれったさをかっ飛ばして既成事実の積み重ねで、安全だ、安全ってことになってます、というふうに進んできたのがこの国の原子力行政だったと思うんですね。
これを逆にすると、定期検査で全原発が止まりました、この事実を持って、国策の策定がないままに、一気に原発ゼロへ、というのもやはり同じことだなあと思ってしまうのです。原発推進と即時廃止では結果は逆ですが、論議の中抜きということでは同じですよね。で、そこが同じだと同じだよと思うんです。
そのうえで国民が選択する時に選択肢さえない状況にされつつある、という懸念はわからなくはないんですが、kkさんが直接書かれていないことで申し訳ないですが、私には浜岡の再稼働を反対する動きの中に、再稼働のために安全性確保のために動くという方向性まで認められないという主張は、どうしても認めるわけにはいかないのです。なので、それについて書いたので、逆にkkさんが私の文章の中に不穏なものを感じられたのかもしれません。
またこの問題についてはいろいろな意見があって当然だとも思っています。私は、法治国家である以上、そのプロセスにおいて正しい間違っているはあると思っていますが、意見に対しては、いろいろあって当然だと思っていますし、ここに書き込む方が私の意見に同意である必要もないとも思ってるんですね。同時に、そのコメントの意見に同意する必要も私にはないと思ったりもしていますし。だから、コメント欄を閉じてしまうブログが多い中、あえて今もコメント欄を開けているんですね。
この記事は書いた直後、ものすごく読まれた記事なんです。私は「これからの浜岡原発停止措置や原発政策について、それほど原発問題について詳しくない個々人が考えていくうえで、6日夜から7日までに配信された記事は大いに参考になるのではないかと思ったのです。」って書きました。それでこのエントリを参照して、あれから1年以上経った今、kkさんにコメントを書き込んでいただいたことは、書いた本人としてはすごくうれしいことなんですよ。このエントリは、すごいいきおいで消費されていくネットの中でも、あとあと残って参照してほしいなあっていう思いで書いたものですから。
ちょっと長くなりましたが、そんなことを伝えたいなあと思って書きました。今後ともよろしくお願いします。

投稿: mb101bold | 2012年8月16日 (木) 02:00

レスありがとうございます。
(以下愚痴ごめん)より下は私の甘えから書いたものです。他の方のブログだったら書いていなかったと思います。よくわからないものを丸投げしたわけです。申し訳ありませんでした。
上2つのコメを書いた時にはまだ全体像を把握していませんでした。もちろん今だってわかってるわけではありませんが。

私は正当なプロセスを経ての浜岡再稼働の可能性がないとは限らないと思っていたので具体性のない原子力防災計画に驚いてしまったわけです。
今、県はSPEEDIの計算待ちなのだと思います。平成24年度に、各地域の地域防災計画策定支援として、原子力規制庁及び原子力安全基盤機構が、各原子力発電所における放射性物質の拡散シミュレーションを実施する予定ですが、まだ結果は出ていないようです。SPEEDIを待たず滋賀県は福島第一の推定放出量のMaxを取って議論していますが、これは大飯がもう稼働してしまっているからですね。浜岡は現在のところ津波対策完了が2013年末以降になる見込みなのでシュミレーションを待つ時間があります。注視すべきはSPEEDIによるシュミレーション公開後の県の対応ですね。私が思うに複数の不安要素があるのですが待ちます。

停止要請はきちんとしたプロセスを経なかったことが評価できませんが停止させたという結果だけならば評価できると思いました。停止当時の浜岡の危機対策は素人の私が見ても穴があったと思うからです。

投稿: kk | 2012年8月17日 (金) 11:08

コメント、ありがとうございます。
状況がよく理解できました。

>停止要請はきちんとしたプロセスを経なかったことが評価できませんが停止させたという結果だけならば評価できると思いました。

それは私も思います。
当時のブログではプロセスを経ないでの政権の判断としての停止は歴史に汚点を残すという論もあって、そうかもしれないとは思いましたが、でもあの時は平時ではなく、これまでの安全に対する甘さから見て、やはり穴があったと私も思います。
放射線量に関しても暫定基準が適用されたことと同様に、あの判断は正しかったのだなと考えています。

投稿: mb101bold | 2012年8月17日 (金) 23:04

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