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2012年3月11日 (日)

前を見る

 前途洋々、前向き。そのとき、前が意味するところは、未来。けれども、以前、1年前の出来事、というように、前という言葉を過去の意味で使われることもあります。

 前は未来か過去か。そんな疑問を持ったことって、ありませんか。

 「まえ」という言葉は、目を意味する「ま」と、方や辺を意味する「へ」が合わさってできたそうです。つまり、顔の目がついている方、目線が向いている方向が「まえ」というのが、前です。前という言葉は、本来は過去や未来を表す言葉ではなく、人の身体の前後左右を規定する言葉。主体はあくまでも人なんですよね。

 道を歩いている人をイメージすると、とてもわかりやすいです。道を歩いている時、その人の目に映っているものは、まだその人が歩いたことのない道や、訪れたことのない場所の風景です。立ち止まって道を振り返ると、目の前に広がっているものは、今まで自分が歩いて来た道や風景。道を時間に置き換えれば、前という言葉がなぜ未来と過去という、まったく逆の意味を持つ双方の意味に使われるのかがわかるような気がします。

 これは、ただのレトリックに過ぎないかもしれませんが、目がついている方、目線が向いている方向という、前という言葉が持つもともとの意味に忠実に考えるなら、頭の後ろに目がついていない限り、人は、前しか見ることしかできない生き物です。前向きであろうと、後ろ向きであろうと、人は、人である限り、前を見ている。そして、前を見るということは、未来ばかりでなく、過去を見つめるということもちゃんと意味してる。

 前という日本語って、しみじみいい言葉だよなあ、とあらためて思いました。

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