MacBook Air+外部モニターがとってもいい感じ、というか、こういうのがモバイラーの夢だったんだよなあ、というお話。
私はモバイラー(この言葉、懐かしいですね)だったりするので、これまでたくさんのモバイルPCを持ち歩いてきました。最初がNECの文豪ARDATA。その次が富士通のIntertop 310。で、東芝のLibretto L3、PowerBook G4、MacBookと来て、現在のMacBook Air 11inchに至ります。
いろんな機種の使い心地には一長一短があって、ARDATAはワープロ文豪ベースだけに起動も速くて文字もサクサク打てて、そのうえバッテリーの持ちもよかったのですが、やはりあの頃のモバイル機はPCとは違うのでプリンタとかファイルの管理とか、いろいろ困ったこともたくさんありました。ただ、あの頃はメールなんかもあまり普及してなかったし、それはそれでよかったりしたのですが。そういえば、このモバイルマシン、ワープロの文章がそのままプリントアウトみたいな感じでファックスで送れたんですよね。これは便利だったなあ。
Intertop 310はとてもよいマシンでした。Windows CE機で、ハンドヘルドPCと呼ばれるカテゴリーの機種でした。代表的には、NECのMobileGearとかHPのJornadaとかですね。両者は横長の液晶ディスプレーでしたが、Intertopはちゃんと4:3の画面でした。見た目は、ちいさなノートPCで、そんなところも気に入っていました。だだ、これも基本はWindows PCの母艦が必要だったりするのですよね。ソフトを新しく入れるのも、ファイルの移動もすべて母艦とシリアルケーブルで接続しなくちゃいけませんでした。それに、CEだから、Wordもシンプルな文書作成しかできないし、Power Pointに至っては閲覧しかできないんです。
で、はじめてのWindows機、Librettoですが、これはちょっと駄目でした。Crusoe(このCPUを開発しているトランスメタにはリナックスのリーナスさんがおられました)というCPUを積んでいましたが、これが非力でした。それに、液晶ディスプレーが横長。この横長って、便利なように思えて、使ってみると案外不便なんですよね。文章を書いてて、少しの行しか確認できなかったり、Power Pointで企画書をつくっているときも、ちっちゃすぎてうまく編集できなかったり。それに、すぐに充電池が駄目になりました。この頃は、PC環境が外に持ち出せるということだけでも結構うれしかったんですが、まあ、あまり使いませんでした。
Macユーザーになり、しばらくはPowerBook G4やMacBookを持ち歩いたりしていた、というか、正しくは、持ち歩くこともあったのですが、これは、うーん、一言で言えば、重い。すごく重い。ま、これはモバイルではなくて、持ち歩いてもそこそこいけるノートPCというカテゴリーなんでしょうけどね。
そこに登場したのがMacBook Airで、Windowsにはネットブックというジャンルがあって、そのネットブックを「何もちゃんとできない」と強烈にジョブスがdisった(前に書いた「キャズムの超え方」というエントリにこのエピソードを書いています。モバイル関連の話なのであわせて読むと面白いかもです)あとに満を持して世に送り出したモバイルマシンだけあって、すべてにおいて素晴らしかったんです。なんというか、サイズも性能も、そんでもって価格も、そうそう、こういうのが欲しかったんだよって感じ。今、この文章を書いているのもMacBook Airだし、仕事も、プライベートも、みんなこれ。大満足です。以上。
という感じだったのですよ、今までは。でも、またまた強烈にほめたくなってしまったんです。それは、こういうことをするようになったから。
外部モニターとつなぐようになったんです。MacBook Airと外部モニターのつなぎ方には、MacBook Airの液晶ディスプレーが外部モニターと別の空間として使えるデュアルディスプレイモード、MacBook Airの液晶ディスプレーをそのまま表示するミラーリングモード、MacBook Airを閉じていても使えるクラムシェルモードの3種類があるのですが、私はご覧の通りデュアルディスプレイモードで使っています。
つなぎ方は、とても簡単。
MacBook AirはMini Displayportなので、変換アダプタをつなげて、EDMIコードを外部モニターにつなぐだけ。こんな感じです。
ちなみに、この変換アダプタ、一時期はAppleの純正しかありませんでしたが、今はサードパーティーからいろいろ出ています。上のアダプタの写真をクリックするとAmazonに飛びますが、探せばほかにもいろいろあります。私はビッグカメラでモニターを買うときに一緒に買いました。
ずいぶん前の記憶ですが、外部モニターをつなぐとき、手順があったし、解像度の調整とかもうまくいかなかったり、いろいろと面倒くさかったのに、今は、ほとんど自動なんですよねえ。つないだらすぐ使える状態になります。試しに画面が映っている状態で抜いたり差したりてみたのですが、マシンに怒られることもありませんし、これはビジネスでも十分に使えそうです。
それと、これは便利だなあと思ったのが、これ。
文字通りデュアルディスプレーで使えるんです。MacBook Air、特に11inchは解像度が高く、大きな外部モニター並み表示面積が広いかわりに文字が小さく表示されてしまいます。だからこそ長時間使うときには外部モニターが必要になるんですが、それを逆手にとるんですね。
私は、文章を書くのが仕事でもありますので、Wordやらエディタをよく使います。そのワードやエディタの文字表示を大きめに設定して、MacBook Airの画面に表示します。ものを書くのは、この目線がちょうどよくて、しかもまわりに何もない状態なので気分的にも文章作成に集中できるんです。
一方の外部モニターにはブラウザやPower Pointなどを開いて、そこを行き来しながら作業をします。このやり方、すごく快適なんですよね。うまく文章で伝わるかどうかはわかりませんが、文章作成は目線は落とし気味で、液晶との距離は本を読んだりノートを書いたりするのと同じくらいになります。そして、ブラウザやPower Pointなんかは、少し目線をすこし上げた状態で、液晶との距離は街の掲示板やポスターをじっくり見るくらいの距離になるんです。このバランスは、ほんとちょうどいい塩梅。何よりも、疲れないんです。
解像度とか距離関係とかは、ブラウザを2つのディスプレーをまたいで表示したこの写真がわかりやすいかもしれません。
MacBook Airは、このデュアルディスプレーの設定をいろいろ変えられます。上下左右につなげたり、メニューバーも2つのどちらのディスプレーにも移動できます。デフォルトは、こんな感じ。
で、私の使っている設定は、こう。
私は、この設定を断然おすすめします。使い道によっていろいろあると思いますが、文書作成はこれがいいように思いますね。それに、2つのディスプレーのリアルな位置関係とデュアルディスプレーの設定上の位置関係がほぼ同期してるので、ポインタを動かすとき、戸惑いがありません。で、その同期関係があるので、メニューバーは外部モニターに設定をしました。
それにしても、こういうのって、モバイラーの夢だったんだよなあ。モバイラーって、モバイルそのものがうれしかったりするんですが、でも心のどこかで、たかだかPC環境を外に持ち出すために、高級なOSやマシンを何個も所有して、みたいな気持ちがあったんです。えー、俺はないよ、という方もいるかもですが、いやいや、きっとあったでしょ。もったいねえなあ、みたいな。同じことしかできないのに、みたいな。えっ、ないですか。まあ、とりあえず私にはありましたです。
それがついに解消されたんだよなあ、なんてちょっとしみじみ。まあ、もちろん、文書作成がメインだからできることではあって、映像関係とかではまだそこまではできないでしょうけど(というか、少し重くなるけどMacBook Proではできるのかな)、でも、ほんといい時代になったなあ、なんて思います。さあ、仕事、仕事。
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