カテゴリー「W-ZERO3[es]」の20件の記事

2010年6月 7日 (月)

あの頃、僕らは確かに

Wzero3

 なんとなくオフコース風味のタイトルですが、カテゴリーは「オフコース」ではなく、「W-ZERO3[es]」。そう、ウィルコムのスマートフォン、W-ZERO3[es]の話です。

 えっ、知らないですか。一昔前は、iPhoneみたいな最先端デジタルガジェットだったんですよ。QWERTYキーボードをガシャッと出すと、みんなが振り返ったんですよ。ほんとなんだから。

 「何、何、それ何。うわっ、すごーい。もう一回やってみて。」

 そんな感じでモテモテだったんですよ。Operaを立ち上げて、asahi.comとかを表示して、

 「ほら、PCみたいでしょ。フルブラウザ搭載。いいでしょ。でも、これがはじめてじゃなくて、京ポンが最初。」
 「京ポンって?」
 「京セラ製のウィルコム端末。なぜポンなのかは、忘れちゃったけど。」

 で、ひとしきりウィルコムの先進性を語った後、おもむろにTCPMP(Windows Mobile用のメディアプレイヤー)を立ち上げ動画を見せたりしてね、あの頃、ウィルコムユーザー、W-ZERO3[es]ユーザーは確かに最先端だったんです。(ただし、ある分野では、ですけど。)

 今思えば、メモリもCPUも貧弱だったし、相当無理をして動かしていたので、もっさりした動きでしたし、当時は速く感じていた通信速度も、Wi-Fiや3Gが当たり前になった今となってはね。

 でも、それでも僕らは満足していたし、テンキーや前面や側面のそこかしこに付けられた物理式ボタンにいろいろなアプリを割り当てたり、OSやソフトをカスタマイズしたりして楽しく使っていました。

 スマートフォン。

 この分野は、なかなか難しいのではないか、と言われていたんですよね。欧米ではBlackBerryの成功があったけど、日本ではどのメーカーも消極的。そこに果敢に挑んだのが、ウィルコム+シャープだったんです。iPhoneに比べると微々たるものですが、それでも、それなりにヒットして、ユーザーが増えて、街でもときたま見かけるようになって、そんな状況はちょっと誇らしくもありました。

 それも今は昔。街には、iPhone、iPhone、iPhone、Xperia、そして、iPhone。時代とか、テクノロジーの成熟とか、マーケティングとか、そんなこんなで分析はできますけど、でもねえ、正直言えばやっぱり、ただただくやしくてね。iPhoneがそんなにいいですか。そうですね。よさそうですよね。きっといいんでしょうね。すみません、よさそうに見えます。うらやましいです。

 そこにきて、iPadですよ。CMで革命とか言ってますよね。確かにね、見方によっては革命かもしれん。でもね、でもね、でもですね、W-ZERO3[es]だって革命だったんですよ。あの当時は。電子書籍ですか。W-ZERO3[es]にも、ブンコビューワーがついていて、一足お先に電子読書してたんですよ。僕たちは。

 それにね、調子に乗って言いますけど、モバイル通信という意味では、AIR-EDGEというかAir H"なんか、えらい革命だったんです。なんせ、PCにつなげば、喫茶店でネットが見られるんですよ。ワードで原稿書いて、メールで送れるんですよ。すごい、これでオフィスはいらないよね、という感じだったんですよ。

 とまあ、思う存分愚痴ってみたものの、状況は変わりはしないので、やっぱり今となっては、ちょっと不便なんですよね。ちなみに、今、私が持っているのは、W-ZERO3[es]の後継機のWillcom03なんですけど、この前、とあるお店の電話番号を探してて、目的の情報にたどり着くまでの時間が、普通のケータイに比べて倍以上かかるんですよね。愕然としました。通信速度が遅いのと、Operaが重いのと、フルブラウザで、無駄に表示面積が広いのとが重なって、とっても使いにくいのです。それに、iPodを買ってしまった今、TCPMPは立ち上げることさえなくなりましたし。

 でもね、ウィルコムには期待はしているんです。好きだから。

 先駆者だったのに、いろいろ不運だったなあ、という気もするし、一消費者としては、そこまで義理立てする理由もないし、たかが商品なんだから乗り換えればいいちゃいいんだけど、たかが商品だからこそ、不便でも好きだから使い続けるという選択だってできるんですよね。理屈を超えたものが消費だ、とも言えるわけだし。

 とりあえず、これからウィルコムが盛り返す姿を見たいし、W-ZERRO3[es]が出たときみたいにもう一度驚きたいと思うから、これからも使い続けるとは思うんですよね。DDI Pocket時代からのユーザーだし、通話の品質もいいわけだし。それに、そもそもは電話なんだしさ。

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2009年10月 6日 (火)

PHSの歴史を見ると、いかにコミュニケーションの基礎設計が重要かがよくわかります。

 ウィルコムが事業再生ADRにより事業再生を目指すとのことです。私は、DDIポケット時代からのウィルコムユーザーなので、ウィルコムには愛着がありますし、ひとりのユーザーとしてはさしたる不満もないので、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。

 いちおうはウィルコムファンでもあるので、せっかくなんでこのあたりで、ファンとして言いたいことを言っておきましょうかね。

 今のiPhoneなんかのスマートフォンブームのきっかけをつくったのは、じつはウィルコムなんですよね。キーボードなしのハンドヘルドPCのカタチをしたWindows Mobile搭載端末のW-ZERO3や、ケータイライクなテンキーを搭載したW-ZERO3[es]がヒットしたことで、日本にスマートフォン市場ができたのは確実に言えると思います。また、その前には、Operaのフルブラウザを搭載した、通称「京ポン」という機種もありました。

 そのバックボーンには、64kbpsの高速通信がありましたし、何よりも定額制が、これら端末を成立させるキーポイントになっていました。だからこその、スマートフォンでした。それは、当時としてはケータイには真似できにくいことで、私はW-ZERO3[es]を持つことが少しうれしくもあり、電車の中で[es]のユーザーさんを見つけると、なんとなく仲間意識を持ったりもしました。

 でも、そのあと、猛烈な勢いでケータイに追いつかれ、追い越されてしまうのは、もうみなさんご存知のところだと思います。今、私はWILLCOM 03を持っていますが、なんか肩身が狭いです。まあ、今後に期待しています。

 で、ここからが本題。

 PHSって、音質もいいし、医療現場で使われているように、低電磁波特性にも優れているし、ひところ言われていた移動体通信の問題もわりとすぐにほぼ解決という感じになったし、ケータイとくらべても遜色はないどころか、当時では優位点もたくさんあったわけです。それに、基地局の設置が簡単なので、アジアでは固定電話のかわりとして活躍しているとも聞きます。

 でも、このPHS、最初から躓くんですよね。それは、技術ではなくてコミュニケーションの基礎設計の部分で。まあ、行政とか含めたものですから、企業の、というわけではないのですが。

 まずは、このPHS、最初はPHPだったそうです。Personal Handy Phoneの略。それが、PHP研究所と紛らわしいことで、PHS、Personal Handy-phone Systemに変更されます。このこと自体はあまり重要ではないですが、それを法令上で「簡易型携帯電話」としてしまうんですね。

 もともと、コードレス電話の技術が盛り込まれているし、ケータイの技術よりも後発の技術だし、ケータイよりシステムを簡易に、というのがあったのでしょう。でも、これはコミュニケーションではあまりよくなかったように、今から見れば思います。

 ウィルコムの前身であるDDIポケットも、ポケットと言ってしまって、ケータイよりも簡易というイメージを植え付けてしまいましたし、今はもうないNTTパーソナルの「みんなを電話にする会社」というコピー、アステルは「おでかけ電話は、ルルルのル」というコピーを打ち出していました。みんな、行政が言うところの「簡易型」というコンセプトに乗っかってしまったんですよね。

 これは電話に対しての「携帯電話」とは訳が違います。「携帯電話」は新ジャンルですが、あえて「携帯」を無視して「簡易型電話」と考えても、電話に対して新ジャンルにはならないのですよね。ましてや、携帯電話に対しては言うまでもないでしょう。

 要するに、このとき、もう少し先を見通して考えるべきだったのだろうと思います。まあ、今の時点から過去を俯瞰するという特権的な立場で言っているので、私がその現場にいたときにそれができるかどうかはわかりませんが。

 そのあと、携帯電話はケータイと呼ばれ、新しい電話のカタチになりますが、初期設定でつまずいたPHSは、自らの存在を定義するのをあきらめて、技術用語のPHSのままになり、それを人々はピッチと呼びました。この時点で、ケータイに対するオモチャ的位置づけが決定してしまいます。

 そして、今、PHSの業者がかつてのDDIポケット、つまりウィルコムだけになり、やっとここに来て、ピッチではなく、きちんとウィルコムと呼ばれるようになりました。それは、社名変更の影響も大きいと思いますが、少しばかり先に行きすぎてついていけないところもありましたが、これまでの独創的な開発力もあったと思います。

 あとは、ケータイに対する通信性能の差別性がいかに持てるかだけなんですよね。だけなんですよね、って、それが重要なんじゃ、という声も聞こえてきそうな気がしますが、とにかくユーザーとしてはもう一花咲かせてほしいなあと思うんですよね。専門家的には、どうなんでしょうかねえ。やはり技術的には厳しいのでしょうか。でも、コミュニケーション的には、時間がかかったけれど、やっと過去の呪縛から解き放たれた感じだと思いますし、ここからがスタートという気もしていたので、なんとな頑張ってほしいなあと思います。

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2008年12月28日 (日)

WILLCOM 03は案外いいかもしれない

Wzero3es_2  今月の中頃、ついにW-ZERO3[es]が故障してしまいました。どうやらハードの問題。液晶タッチパネルの反応にズレが発生。スタイラスでの操作に支障が出て来て、ハードリセット。すると、OS起動の途中にある「画面の補正」でエンドレス状態になり、OS起動不能状態に。こうなるともう、電話としても使用できず機種変更することになりました。

 W-ZERO3[es]は、たいへん優れたモバイルガジェットでした。この機種は、きっとこの先、モバイルガジェットの流れを変えた名器として、モバイルの歴史の中で評価されていくのではないでしょうか。どの部分が優れているのかというと、私はここだと思います。

 ケータイライクな片手操作でのPC並みの機能性の実現

 このコンセプトをはじめて実現したのは、初代のW-ZERO3ではなく、この2代目のW-ZERO3[es]だったと思います。このコンセプトは、Blackberryをはじめとする欧米のスマートフォンにもないものでした。それらはすべて、本体ボタン及びスタイラスでの操作(もしくは両手でのボタン操作)が基本になっていて、つまりは、両手で使うことが前提になっていました。iPhoneも基本的には両手使いが前提になっています。

 けれども、W-ZERO3[es]は片手使いが基本になっていて、そのために、片手で操作できるぎりぎりのサイズの筐体に、全面と左側面に物理式のボタンが数多く設置されていました。この配置がよく考えられていて、使い慣れてくると非常によい感じなんですね。もちろん、相当の慣れとカスタマイズが必要ではありますが、そのへんの初心者への敷居の高さを除くと、これ以外の機種ではありえないベネフィットをもたらしてくれました。

Willcom03_2  そんな感じだったので、WILLCOM 03の機種変更には躊躇しました。物理式のボタンではなく、液晶のタッチセンサーに変更され、筐体のさらなるダウンサイジング(ほぼケータイと同様の大きさと軽さになりました)のために、十字キーと10キーが切り替え式になってしまいました。なんとなく、ケータイ並みのコンパクトさの実現のために、上記のコンセプトが犠牲にされてしまっているのかもしれないな、と思ったんですね。

 でも、それは杞憂でしたね。まあ、ダウンサイジングのために犠牲になっている部分もあるにはあるけれど、[es]は片手操作ではまだサイズが大きかったのも事実でしょうし、ちょっと感動したのは、液晶のタッチセンサー式のボタンが、ほんと片手操作の利便性のためにうまく作られているんですよね。やっぱり、W-ZERO3[es]の良さは引き継がれていました。機種変更に躊躇している方、案外悪くないですよ。

  私はなんとなくiPhoneについては、世間で言われるほどの注目はしていなくて、それは、OSの作りこみと各種センサの応用による動作の見事さはあるけれど、基本的にはこれまでの両手使いのモバイルガジェットだと捉えています。ただ、ひとつ優れた点があるとすれば、ディスプレイを、スタイラスではなく「指」で操作するという割り切りです。

 後発であるWILLCOM 03は、このディスプレイの「指」での直接操作の考え方を転用しています。WILLCOM 03用にカスタマイズされたOperaにこの片鱗が見られますが、残念ながら、操作性では、現時点ではかなり無理があり、逆にそのために、本体液晶ボタンでの操作が難しくなっていて、このへんはバージョンアップに期待です。(ただ、現状のOperaは使いにくいけれど、片手で操作できるようにという努力の片鱗が、いたるところにあって、それはそれで評価はしたいなあ、とは思います。)

 また、Windows Mobileのアンダーバー左右のリンクは、デフォルトのままのリンクの大きさにもかかわらず、直接「指」で操作するような仕様になっていますが、これはちょっと過渡期的な操作感かもしれません。そんなに悪くはないけれど、これはベストではないだろうな、みたいな感じです。この部分は、本体全面左右の物理式ボタンで操作する[es]のほうが圧倒的に良かったです。

 このW-ZERO3[es]が提示した「片手操作のPC」というコンセプトを実現しているのは、3つあって、それは、ハードウェア、Windows MobileというOS、フリー・シェアウェアを含めた様々なソフトウェアだと思います。その中で、これからこのモバイルガジェットのネックになってくるのがWindows Mobileなんだろうな、と思います。OSが、このコンセプトで作られていないところに、微妙な無理が見えるんですね。

 Windows Mobile for WILLCOM 03みたいなカスタマイズができれば、このモバイルガジェットはもっとよくなるんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか、マイクロソフトさん。今のところ、この流れはニッチだとは思いますし、日本独自のガラパゴス的進化だとは思いますが、私には、この進化は世界に広がるような普遍性があると思うんですが。まあ、日本の一ブロガーの感想なんで、真偽のほどはわかりませんが、10年後、けっこういい先行投資だったな、と思えると思うんですよね。

 というわけで、来年からは、W-ZERO3[es]のカテゴリーは、このWILLCOM 03のことを書いていきたいと思っております。では、モバイル好きのみなさま、ウィルコムユーザのみなさま、ひとまずは、よいお年を。

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2008年4月 2日 (水)

いま、スマートフォンを買おうとしている人にウィルコムのW-ZERO3[es]をすすめる理由がなくなりつつあります。

 このブログを書き始めた頃は、せっせとW-ZERO3[es]関連のエントリを書いていたのですが、ちょっと困った状況になってきましたね。コストではまだウィルコムに若干のメリットがあるものの、Softbankでも同等以上の機能を持つ端末が出てきましたし、E-MOBILEでついに通話できるPDAが登場したことで、もうほとんどあえてウィルコムを選ぶ理由がなくなってきました。

 私もモバイルモデムはすでにE-MOBILEに変えましたし(でもまだモデムの契約は解除せず、親用の通話端末にするつもり)、ときどきウィルコムから送られてくる広告DMには値下げした料金とエリアをアピールしているものの、私が東京で暮らし、他に使うとしても大阪くらいしかない事情を考えると、ピンときません。料金にしても、これまでずっとそれ以上の料金を払い続けてきましたので(ネット25で超過料金を含めると1万円近く)、いまさらの値下げは、私の場合は心理的なメリットにはなりにくいです。それにスピードが違い過ぎ。

 私個人は仕事でのからみは一切ありませんので、純粋なウィルコムファンとして、悔しくもあり、しかしながら、やはり一消費者としては、ファンだからとメリットがなくても使い続けるという選択肢はないので、これはどうしようもありません。

 W-ZERO3[es]に関しては、非常に手になじんできていますし、通話に関しては受信が多いので価格の安さも気に入っていますので、実家の親専用の端末ができることで、東京大阪の通話が無料になるので、しばらくは変えることはないと思います。しかし、ウィルコムのブランドのコアは、AIR-EDGEのモバイルデータ通信であるはずなんですよね。そのイメージがあったから、W-ZERO3[es]が日本のスマートフォンの先駆者たり得たのだとも思うし。

 去年は申し込んだにも関わらず行けなかったけれど、ウィルコムフォーラムにあれだけ人が集まるのも、そんな先進イメージがあったからだと思います。最高20Mbpsの次世代PHSが現実になってくると話は別でしょうが、今のままではかなりしんどいような気がします。法人需要や、医療機関向けは健闘しているようで、可能性も大きいような気もしますが、そのスケールがどんなものかわからないので何とも言えません。

 こういう状況をひっくり返す力は、残念ながら広告にはないと思うんですね。この状況を広告でひっくり返せるとしたら、その広告は何かしらの嘘や熱狂に頼るしかなく、それはファシズム的な何かなんだろうと思いますし。「人口カバー率99%」という広告コピーを見るたびに、そのメッセージに嘘がないだけに、なんかせつないです。ウィルコムは、がんばってほしいです。どうがんばるのかは、単なるユーザである私には見当もつかないけど。

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2007年11月11日 (日)

おもろうて やがて悲しき スマートフォン

 やっぱりまた歴史は繰り返すのかなあ。mixiの「W-ZERO3[es]手放しました」というトピを読みながらそんなことを思いました。Palmも、Zaurusも、Mobile Gearも、CLIEも、歴史の法則に逆らえませんでした。そうそう、Newtonというのもありましたね。

 OSは、Windows Mobile、Palm OS、Zaurus OS、Linuxなんかがありますけど、OSの処理能力にかかわらず、こうした高機能情報端末は、生まれながらにニッチを運命付けられているというか、使ってみて思うのは、何もかもが中途半端だなあという感じ。例えば、ケータイの場合、電話、メール、インターネットで考えれば、普通のケータイ端末で十分ですよね。ケータイでも十分に普通のインターネットができるようになっていますし、mixiなんかはケータイからのアクセスがPCを抜いたそうです。ココログやはてなもケータイ対応になっているし。ケータイでもOperaブラウザのやつがありますし。

 高機能スケジュラーを使うとか、PCなみのメールとかインターネットとか、PDFやOffice系ファイルの閲覧と編集を求めるとW-ZERO3[es]を始めとするスマートフォンになるのでしょうが、その機能を追求すれば、当然その機能性での不満も出てくるわけで、じゃあ軽量ノートPCにするべか、みたいなことになってしまいます。逆にケータイとしては、やっぱり機能を求める分、安定性や操作性が相当犠牲にされているので、ケータイを使い慣れてた人がW-ZERO3[es]にすると、突然フリーズしたり、不安定になったりするとおろおろしてしまうみたいです。

 mixiのトピなんかでも、フリーズの問題とか、電話やメールといったケータイの基本機能の操作性の悪さが機種変更の上位に挙げられていました。あと、意外に多かったのが、充電池の持ちの短さもありました。

 私なんかは「W-ZERO3[es]礼賛」というエントリを書くくらいですから、このW-ZERO3[es]にかなり肩入れしていますので、mixiのトピの人たちを全員集めて、なんとか思いとどまるように説得したいくらいなんですが、まあそういうわけにもいかず。なに、このおっちゃんみたいなことになるだけですからねえ。という自分も、金曜の深夜に突然W-ZERO3[es]がフリーズ。リセットボタンも効かない状態になってしまったのですが、まあ私の場合、フリーズ上等、かかってこいや、みたいな感じで使ってますので慌てず電池を外して「フルリセット」敢行。でなんとか起動したのですが、Today画面に表示していたスケジュールがなくなっています。あれっ、もしかしてスケジュールデータが消滅?なんてことが頭によぎり、ちょっとあたふたしてしまいました。

 ヘビーユーザな方ならお分かりでしょうが、単純に時計もリセットされてただけなんですけどね。でもねえ、ケータイがフリーズという状況は、ふつうのケータイユーザはかなりしんどい出来事なんでしょうね。

 あと、充電池の持ちの問題ですが、本体のアンテナと電池残量の表示ランプは通常時に切る設定にしておくとか、液晶の照度を半分に設定するとか、こまかな設定をしないと確かに短いです。あと、はっきりと圏外とわかるところで長時間いる時は、電源を切っておくとかね。電波を探すのにけっこう電力を使うんですよね。そんなこんなで、思いっきり使っても1日は十分に持つんですけどねえ。でも、ふつうの人たちはデフォルトで使うでしょうし、気に入らなかったらすぐ機種変更が当たり前だしねえ。そもそも、ユーザに気を使わせる製品って、どうなん?という気もしないでもないです。

 Windows CEの頃から使っているユーザとしては、今のOSの進化や充電池の性能向上はすごいなあと思います。けれども、OSが進化しても、充電池がもっと持つようになっても、このスマートフォンという分野は、この分野のニッチ性みたいなことが壁になるんでしょうね。こういう分野は、海外のブラックベリーみたいに法人契約みたいな感じでいくしかないのでしょうか。

 広告であれもできるこれもできるとさんざん煽って、頭の中で期待がどんどん広がって、買って使ってみて、なんじゃこりゃ。このブログだって、大きなマス空間の中では屁の突っ張りほどの影響力もないでしょうが、W-ZERO3[es]の良さをいっぱい書いているから、煽りの一部にもなってるでしょうし。この悪循環を断ち切る方法はなんかないもんかなあ。私はあいかわらず便利に楽しくW-ZERO3[es]に付き合っていますし、これからも付き合っていくつもりですが、なんとなく、休日だし、時間もあるし、この素晴らしい端末の将来のことをぼんやりと考えてしまいました。

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2007年10月24日 (水)

ところで、iPhoneはどうなんだろう。

F12ae2f81   私はW-ZERO3[es]ユーザなので、どうしてもW-ZERO3[es]をひいき目に見てしまうのですが、やっぱりiPhoneは気になります。アメリカでの販売の時は、ちょっとしたニュースになりましたよね。Apple的には久しぶりだったんじゃないでしょうか。

 まったく旬の話題ではないけど、iPhoneブームも沈静化してきたので、このあたりで感想など。デザインは、やっぱり抜群ですね。ものすごく惹かれます。あのデザインが[es]にあればなあ、と思います。やっぱり、[es]もアドエスも無骨ですよね。あれはあれでThink Pad的で嫌いではないですけどね。この部分は、[es]の完敗ですね。残念ながら。それと、すごいなあと思ったのは、横にしたら画面が横になるとか、2本の指で画面を開くようなジェスチャーをすると、画面が拡大される、みたいなギミックはキャッチーでしたね。技術的には、最新のセンサとか、これまでの技術でなんとかなりそうな技術ではあるのでしょうが、あれはインパクトがあったなあ。ああいうマーケティングセンスは、やっぱりAppleの独壇場でしょうね。

 ただ、思うに、ああいうギミックって、実際に使ってみて、本当に便利なのかどうかは微妙だなあと思います。画面を横にしたいときって、必ずしも実機を物理的に横に傾けて持つとは限りませんし、液晶画面のタッチセンサーによる指ジェスチャーにしても、せっかくの液晶が指の脂でギトギトになるんじゃないかなあ、なんて余計なことを考えてしまいます。

Wzero31_2Iphoneeatupmartha1  [es]を使ってみてわかるのですが、あの手のスマートフォンって、ボタンは多い方が使いやすいんですよね。いろいろなアプリを登録できるし、このブログでも言ってますが、[es]がいいなと思うところは、ケータイライクに片手操作でパソコンに近い機能が使えるというところなんですよね。究極、スタイラス不要みたいな。その点では、iPhoneは基本両手を使うような感じに設計されてますよね。あれは、もしかすると、見た目の進歩性とは裏腹に退化ではないかな、なんて思います。どうなんでしょう、そのへん。

 なんとなく、Appleのワンボタンマウスを思い出すんですよね。右クリックがあった方がマウスは使いやすいですよね。私はマックユーザですが、ずいぶん昔からマウスはWindows用を使っていて、右クリックにコマンドQを割り当てて使っています。スクロールリングをつけるのもAppleは遅かったし、というか、appleのは小さなチョボですが。ちょっとそういうところ、Appleは意固地なところがあるような気がしますね。デザインはいいんだけど、なんとなく人間の必要の上にデザインが君臨するみたいな感じがします。海原雄山も言ってますよね。美食が人間の上に君臨することは許されない、と。

 それとね、液晶のタッチセンサー。あれはどうなんでしょう。主流になるのでしょうか。QWERTYキーボードも結局はいまだに物理的なフィーリング重視ですよね。押すと、カチッと押した感がある、みたいなね。たまたま電子部品関係のお仕事をお手伝いしてることもあって、スイッチ類のトレンドを知っているのですが、やっぱり小型化、薄型化でも、そこで勝負になるのは、そのサイズで物理的なクリック感をどう出していくか、なんですよね。昔、カード型の電卓がありましたけど、あれがいまいち流行らなかったのは、物理的なクリック感がないと、どうしても操作感が著しく低下するからということに理由があるような。このへんは、物作りの現場の方に聞きたいところです。

Dp2121_2   昔も、J-PHONEで、前面液晶の液晶タッチセンサーのケータイがありましたけど、いまいち主流にはなりませんでしたしね。タブレットPCも、なかなか浸透しないし。テレビのリモコンも、いまだに物理的なボタンであるという事実は、けっこう重いような気がします。

 私がこのブログで[es]のことを書いているのは、使っているうちに、あ、こういうスマートフォンは、ケータイの操作感で多機能を実現みたいなことが本質なんだなあ、という気がしたからなんですね。日本市場では、という保留は付きますが、単に小型化というだけではないんだなあ、と。私は、なんでも本質を外したものはどれだけキャッチーで素晴らしいものでも、普及しないんじゃないかな、と思っているんですよね。それが正しければiPhoneは日本ではしんどい、という気がするんですが、どうなんでしょうね。

 ちょっとタイムマシンに乗って、それを確かめたい気がします。もしかすると、このブログで「iPhone礼賛」というエントリを書いてる私がいて、「お前さあ、前にiPhoneはしんどいって言ってたやんけ」と未来の私にツッコミを入れている私がいるかもしれませんが。どうなんでしょうね。

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2007年10月 2日 (火)

W-ZERO3[es]のフォーマット方法

 私の[es]君が突如不調に。ネットにつながらなくなりました。モデムが認識しなくなってしまったのです。うーん、どうしたもんかということで、原因究明のために、とりあえず電話をかけてみる。つながる。メールを受信。やはりつながらない。ということはモデムが原因か。ということは、W-SIMの不調ではとりあえずなさそう。もしかすると何かの拍子にメールの設定を変更してしまったのかも。で、見てみるも、違ったところはなし。ということは、もう一度オンラインサインアップをすればいいのかもね、ということでポチッと押してみるも、やはりモデム認識せず。

 ということでここらへんで挫折。これはもうフォーマットで工場出荷状態に戻すしかないなあ、と思い、急いで「W03DataBackup」というW-ZERO3データ移行ツールでPIMなどのデータをバックアップ。これを忘れると、せっかく記憶した電話番号やらメールアドレスやらが消滅してしまいます。ちなみに、純正のバックアップソフトは使っているうちにバックアップもリストアもできなくなってしまいます。ネットで調べると、そういう人は多いみたい。なので、データを保護したいひとは、早めに上記ソフトに切り替えるほうがいいですよ。

 それと、このソフトはMiniSDに置いてください。でないと、フォーマットをすると、本体のメモリにあるデータはすべて工場出荷時に戻りますので、ソフトがなくなっているのでリストアできないですから。MiniSDを挿入するとこのソフトが立ち上がる設定にしておくとよいですね。バックアップしておくのは、私はPIMとATOK、お気に入り、Opera関連ファイルだけです。マイドキュメント内のファイルは全部MiniSDに入れていましたし、プログラムファイルは保護されるのはインストーラーを使わなくていいソフトだけなので、あまり意味ないかも。それに、せっかくフォーマットするんですから、メモリをすっきりさせたいですよね。

 ※しかしながら、インストールをMiniSDにすると、今度はフォーマット後、バックアップモードにならないようで、やっぱり本体にインストールすべきなのかも。ちなみに、本体にインストールしなおすとバックアップできるようになりました。基本は、こういう使い方がこのソフトの使い道ではなく、W-ZERO3からW-ZERO3[es]へのデータを移行するためのものなので、そのへんはちょっと私にはわからないところです。上記リンクの説明には「本体exeファイルをクリックするとバックアップモードになります」と書いていました。

 で、MiniSDを外して、電池を外して、蓋を取った裏側右下のリセットボタンをスタイラスで押して、また電池をはめて、QWERTYキーボードの[Fn][F]と本体前面の電話キー=[PWR HLD]の同時長押しで、購入後初のフォーマットを決行。この時、注意することは、くれぐれもAC電源を入れておくこと。電池でやるとどうなるかはやったことがないのでわかりませんが、けっこうめんどくさいことになりそうな。後は、画面の表示に従うだけです。ああ、この画面懐かしいなあ。買ったときのことを思い出しました。

 MiniSDを入れてリストア。うーん気持ちいい。あとは、オンラインサインアップとメールの設定、必要なソフトをインストールするだけです。ソフトは使う頻度が高いソフトを厳選しました。私の場合、こうですね。

 ・OffisnailDate(予定表ソフトです。このブログでも紹介。)
 ・OffisnailNote(姉妹品の便利ノート。)
 ・TCPMP(定番のムービープレイヤー。WMPより便利で高機能。)
 ・Windows Live(Hotmailの送受信をデフォルトのメールで扱えます。)
 ・YTaskMgr(タスクマネージャ&ランチャ。このブログで紹介。)
 ・ChuSuisoku(ATOKのON/OFF。QWERTYキーボード入力で活躍。)
 ・XnView Pocket(フォトビューア。これも便利。)
 ・jsurfer calendr(Todayにカレンダーを表示。)
 ・Pocketの手(各種設定。これがあるとフォントをなめらかにできる。)
 ・NegiTodayAGENDA(Todayに予定表を表示。)
 ・kawa GSFinder(高機能ファイラー。圧縮解凍も。)
 ・MEGAPLUS(画像が荒くなるけどネットが早くなる。)
 ・Microsoft .NET CF2.0(下記ソフトを動かすのに必要。要WinPC。)
 ・PocketSkyView(青空文庫を受信して閲覧。抜群のソフト。)
 
 結構多いですが、それでも前の環境の3分の1くらいですね。ソフトを少なくすると、内蔵メモリを節約できますので、動作がキビキビします。それに不安定要因が減りますし。あとね、よく言われることですが、Today弄りもほどほどにね。結構、Today関連のトラブルは多いみたいですね。ついつい遊んじゃうんですが、まあ、使えてなんぼの[es]ですからねえ。使えなくなったら、ただの箱です。

 ちなみに、googleでヒットしやすいように、わかりやすいタイトルにしておきました。困ったとき、参考になさってください。この手順さえ踏めば、初心者の方でも、フォーマットはあまり面倒でもなく、怖くもなく、[es]もシェイプアップ&リフレッシュしていいかも、ですよ。アドエスでも同じ手順です(多分)。ではでは。

※最初、タイトルを「フルリセット」としていましたが、調べてみると、この内容は「フォーマット(ハードリセット)」と呼ぶそうです。なので修正しました。リセット方法は3種類。データが消えるのはフォーマット(ハードリセット)のみ。ちなみに、正しくは、リセットの方法は3種類ります。でも、ネットを見ると、私と同じようにフォーマットのことをフルリセットと呼んでいる人が多いみたいですね。

リセット

・QWENTYキーボードの[Fn]キー上のリセットボタンをスタイラスで押す。
・作業中のデータは失われるが、設定は保護されたまま。メモリを解放。

フルリセット

・本体背面の蓋を取り、充電池を外す。
・充電池をはずしたまま15秒以上待つ。
・蓋をはめ、電源を入れる。
・もしくは、蓋を外したとき右下にあるリセットボタンをスタイラスで押す。
・[PWR HLD]キー長押しで電源を入れる。
・時計がリセットされているので、再設定する。

フォーマット(ハードリセット)

・本体背面の蓋を取り、充電池を外す。
・充電池をはずしたまま15秒以上待つ。
・蓋をはめ、電源を入れる。
・もしくは、蓋を外したとき右下にあるリセットボタンをスタイラスで押す。
・QWERTYキーボードの[Fn][F]と[PWR HLD]長押しで電源を入れる。
・フォーマット確認の画面が出るので、「OK」で実行する。
・工場出荷状態に戻る。

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2007年9月16日 (日)

W-ZERO3[es]礼賛(7)

 新型のAdvenced W-ZERO3[es]が出てずいぶん経ちましたが、私はまだ初代[es]ユーザーです。アドエスは黒はちょっと格好いいなと思いましたが、売れ行きはどうなんでしょう。電車の中とかでも、まだ私は一度も見かけたことはありませんし、CMで売れてますという時は、まああれなんで、ちょっと心配。

C3_image_11Img_20070116t2026283481   個人的な意見ですが、新型を出すなら、がんばってワンセグを実装すべきだったのになあ、なんて思います。この手のニッチ製品は、あらゆる点で最新のケータイ端末より機能が上でないといけないのに、ケータイでワンセグの時代に、ワンセグが別売りなのは非常に残念。その1点で、やっぱり所詮はPHS端末のイメージがついてしまうかも。私は、旧[es]のワンセグチューナー(参照)を持っていますが、あれは大きすぎるし、感度が悪くてもうひとつでした。

 さて、しばらく更新が滞っていた『W-ZERO3[es]礼賛』ですが、再開です。今回は、スケジュラー(予定表ソフト)についてです。私が使っているスケジュラーは、Offisnailさん作の『OffisnailDate』。私がスケジュラーに求めるほぼすべてが『OffisnailDate』は持っていて、何かと重宝しています。
 このスケジュラーという分野は、PalmやZaurus、WindowsCE(WindowsMobile)では、中心的なソフトウェアで、それこそ様々なソフトウェアが作られていますよね。それぞれ、ソフト作者さんたちの考え方が盛り込まれてどれも個性的。だから、どれがいちばんなんて本当は言えないのです。それこそ、ユーザーがスケジュラーに何を求めるかによって評価が違ってきます。
 でも、ただひとつ言えることは、WindowsMobile純正のスケジュラー(Pocket Outlook)は駄目。あれは、何なんでしょう。好意的に考えれば、Microsoftがあえてしょぼく作って、フリーソフト文化を育てようみたいな上から目線の配慮かもしれませんが、本気ならちょっとなあ。Outlookとの同期以外は、しょぼすぎます。これを使い続けると、ストレスがたまるだけ。絶対に慣れることはありません。なので、[es]を買った人は、ぜひスケジュラーソフトの導入をおすすめします。
 
■私が予定表に求めるもの、それはシンプル

 スケジュラーソフトのうんぬんを語る前に、まず紙の予定表について。いわゆる「手帳」のことですね。年末になると文具屋さんや本屋さんに手帳が並びますよね。システム手帳用もあったり、いろいろ選べます。だけど、なかなかこれが、私にとっていい感じの手帳がないのです。
 私は「週間スケジュールがぱっと見てすぐわかる」ということがいちばん大事だと思っています。それは、私が1日のスケジュールを分刻みでこなすみたいなエグゼクティブでもないし、長期にわたるソフトウェア開発など様々なメンバーの進捗を複合的に管理する必要もないからかも知れません。複雑な機能性は求めないのです。
2007y09m18d_145824955  ですから、1週間が見開きで見渡せるタイプがベストで、ほとんどがビジネス用途なので、土日は平日とは同じ面積である必要はありません。結局、左ページに(月)(火)(水)。右ページに(木)(金)(土・日)。そういうレイアウトが必然的にベストになるのです。左の図のような感じですね。これが簡単に見えて、なかなかないんです。
 1週間分を見開き2ページにレイアウトする際に、割り切れずに余った空間に新しい機能を盛り込んでしまうんです。いわゆる差別化というやつですね。ToDoチェックリストやら、豆知識やら、月カレンダーとかね。紙の手帳でさえ、ベーシックなものがなかなか見つからないんです。

Honohiyori  また、このビジネス用とはまったく逆の手帳もあります。ご存知『ほぼ日手帳』です。(写真は「ほぼ日」より)1日1ページたっぷり書けて、土日も平等。これはもう予定表ではなく「日記帳」ですよね。私も2年前に使いましたが、左の写真にあるようなコンセプト通りの理想的な使い方はできませんでした。話のネタにはずいぶんさせてもらいましたが。
 リア充という言葉が流行っているみたいですが、リア充できないつまんない自分をこの手帳に思い知らされて、私には向きませんでした。それに、ビジネスでは見開き一週間がメインになってたほうが使いいい。ちなみに、2008年版は週間予定がまさに前述のように変化してて、そのへんの進化の仕方はさすが「ほぼ日」だと思いました。

 そんなことを手帳に求める私ですので、[es]というモバイルギアに入れたい手帳も、そういうリアル手帳に近いものなんですね。多くのスケジューラーを試してみると、だいたい2通りに分類できるような気がします。ひとつは、リアル手帳をデジタル化したもの。そして、もうひとつはデジタルから発想したもの。デジタルの特性から発想したスケジュラーは、名作も多いのですが、私にはどうも向きませんでした。進捗管理をメイン機能にしたものが多くて、いまひとつその便利さを実感できませんでした。

■手帳と同じ感覚で、手帳より便利な『OffisnailDate』

Photo で、いよいよ『OffisnailDate』です。これは、もう私の不満を一気に解消してくれたみたいなスケジューラーでして、感心しきりです。まずは、週間予定画面。ね、完璧でしょ。色づかいもいいですよね。こういう毎日使うソフトは、小さな工夫が決め手になるような気がします。まずは[es]の小さな画面を最大限に使っていますよね。余白を排して、広く表示しています。罫線も細く、シャドウや立体処理もなく、非常にシンプル。また、この画面はほぼ手書きの紙手帳と同じ感覚です。そこがすごく私にとってはいいのです。
 基本となる週間予定画面がこれだけきちんと作り込まれていれば、そこから先は、もうデジタルスケジュラーの独壇場です。右ソフトキーをポチッと押すだけで、日画面、月画面、年画面へと変化します。これは、紙の予定表にはないデジタルの良さです。紙だと、もう一度書き直さないといけないですからね。

Photo_2Photo_3Photo_4 日画面もシンプルです。写真でもわかるとおり、20時間分が表示されていますので、少し後の予定でもにスクロールせずに見ることができます。これは、こういうモバイルギアでは非常に重要なことだと思います。これは、[es]本体の基本操作でも言えることですが、1つ操作が増えるだけで、一気に使いにくくなってしまいます。
 月画面も、わかりやすいです。週画面では土日は平日の半分の面積ですが、ここでは同じです。これもいいんです。月画面の主な役割は、予定日と予定日のあいだに何日あるかの確認です。プレゼンまでもう3日しかない、やばい、という感じですね。だから、ここは土日は平日と同じであってほしいんです。年画面もきれいに整理されています。字間の取り方も絶妙です。
 
■私は『OffisnailDate』で手帳がいらなくなりました

 私は、モバイルノートPCを持ち歩いていた時期があって、一時期、スケジュールをPCで管理しようとしたことがあったのですが、すぐに紙に戻ってしまいました。でも、この『OffisnailDate』を使い出してから、紙の手帳がいらなくなってしまったんですね。詳しくは、他のレビュー記事を参照していただくとして、予定の入力も簡単で、ほとんどストレスは感じません。
 また、このソフトはスタンドアローンなスケジュラーではなく、Pocket Outlookと完全連動していますので、OSに組み込まれたPocket Outlookの機能がほぼ使えて、PCとの同期も完全にできるのです。それに、そのことが影響しているのでしょうが、非常に軽いのです。メモリもあまり食わないし、操作感もサクサクという形容がぴったりな感じです。
 プログラミングのことはまったくわからないのですが、これだけのソフトをこれだけ軽快につくるのって難しいと思うんです。Offisnailさんおご努力は大変なものだったと思います。私はβ版から使っていたのですが、試用して小さな不具合やバグ等を報告されていた人たちとの気持ちのいいやりとりは、見ていてうらやましかったくらいです。私はあまりソフトのこととか詳しくないので、その情報を参考にすることしかできなかったのですが。

 少し前に、W-ZERO3のソフトウェアコンテストがありましたが、その部門賞を、Offisnailさんの『OffisnailDate』が見事受賞したとき(参照)、PCの前で、なぜか自分のことのようにうれしかったことを覚えています。このソフトを使っている人は、みんなそんな気持ちだったんじゃないかな、と思います。派手さはないけど、使うほどに、じわじわその良さを実感できるソフトなんですよね。なんか書いているうちに私が作ったソフトのような気持ちになってきましたが、ぜひ、みなさんもよかったら使ってみてください。

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2007年9月 5日 (水)

私のW-ZERO3[es]君は、あいかわらず元気ですよ。

Es  もう1ヶ月以上もW-ZERO3[es]ネタを書いていませんが、あいかわらず私のW-ZERO3[es]君は元気に働いてくれています。次回は、Officenailさん(参照)作のスケジュラー『OfficenailDate』参照)の素晴らしさをブログにたっぷり書きたいなあと思いつつ、なかなか忙しくて書けないのですが、しばらくお待ちくださいませって、誰もまってないか。でもねえ、この『OfficenailDate』、いいんですよ。特に、アナログ(?)の手帳を使ってた人にはすごくおすすめ。

 私は、去年の12月5日から使い始めたんですが、ネットなどで言われているほど不安定にもならず、けっこう快調に動き続けてくれています。フルリセットは一度もなしです。充電地も今のところ劣化している気配もありません。ブログを始めてからOperaを頻繁に使用するようになったのですが、それでも、ほぼ1日まるごと使えますね。

 変わったことと言えば、シャープ製の純正ソフトケースをなくしてしまったことくらいですね。いろいろソフトケースを探してみたものの、まあなくていいかな、という気になってしまい、ポケットにじかに入れてます。そのためか、太陽の下で液晶を斜めに見ると、小さな傷がたくさん付いていました。でも、普通に使用する分には、傷は分からないので問題はないんですが。液晶のハードコート、思ったより傷に強い印象ですね。

Ades  Advanced W-ZERO3[es]が出ましたが、デザイン的には旧[es]の方が私は好きです。このW-ZERO3シリーズって、アドエスを含め、あまりデザインは頑張ってないと思うんですね。主観ですけど。他の携帯って、今、プロダクトデザインとして非常に美しいですよね。携帯って、さすが時代の最先端プロダクトだけあって、デザインは群を抜いて質が高いと思うんです。だけど、このW-ZERO3シリーズは、ちょっと例外。まだまだ、デザインが機能に負けてますよね。

 そういう意味では、この手のジャンルとして歴史が浅い製品にはデザインはまだ期待しCase_3ていないんですね。旧[es]はそんな中でも、なんとなくエレクトリックギターのハードケース(左の写真)みたいで好きなんですね。それは、使い込むほどそう思うようになりました。なんとなく、昔のIBM ThinkPadに似た愛着を持ってしまいます。

 それと、前と言ってることが違うじゃんか、と言われるかもしれませんが、ブログをやるようになってから、QWERTYキーボードをよく使うようになりました。自宅のPCでは、OS9ということもあって、自分のブログのコメントができないんです。ココログだけの現象ですけど、文字化けするんです。で、しかたがなく[es]で書き込み。慣れるとけっこうサクサクいけます。そのときは、星羽さん(参照)作の『ChgSuisoku』(参照)というATOKの切り替えをしてくれるユーティリティソフトが必須です。キーボードで文字入力をしているときに、推測変換の候補が出ないようにできるんですね。これがないとすごく鬱陶しいです。

 ソフトウェアはいろいろ入れているけど、最近、使うものが決まってきましたね。そういうこともあって、私の[es]は安定しているのかもしれません。でも、たまに固まることはあるけどね。こういう困った面もあるから、フリーズしても、それはしゃあないなあ、という大きな心で許せてしまう人じゃないと、やっぱりこのW-ZERO3[es]は使えないですね。そんな携帯電話、今どきほとんどないからねえ。

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2007年7月20日 (金)

そろそろOS9は限界かもね。

さきほど更新した『ストリート生まれのシューズです。』が、なかなかうまくアップできずにすごく手間取ってしまいました。はじめにアップしたときは、改行がなくなっていて、それをココログの管理ページの記事作成画面で修正しても全く駄目で、テキストをコピーして、アップしたエントリーを削除し、コピーしたテキストを、テキストエディタのJditに貼り付けて、改行を一度解いて、もう一度改行し、改めて新規作成画面でテキストを貼り付けて、画像をアップして、やっとこさうまくいきました。

なんとなく気持ちわるくて、寝付きが悪くなりそうだったので、これ書いてます。それにしても、もうそろそろMac OS9は限界かな。インターネット環境では、今や、ウィルコム端末のW-ZERO3[es]の方が優秀なんだよな。OS9のIE5.1では、スタイルシートって言うんですか、文字を太くしたりすることもできないし、文字を選択してリンクを貼ったりといったこともできないんです。[es]は余裕でできるのに。ちなみに、[es]ではOpera8.6を使ってます。IEはほとんど使わなくなってしまいました。

[es]のOperaは起動が遅いけど、使い出すと結構便利ですね。起動さえしてしまえば、あとは結構サクサク動くし。それに、ほとんど片手で操作できるのがグッドです。左右のソフトキーと十字キーでなんとかなるんですね。アドエスはソフトキーがなくなったけど、そのへんどうなってるんでしょうね。あの左右キーは大事なのに。なにかのキーで代用してるのかしら。

Operaは、「画面幅で表示」というモードで見ると、レイアウトは崩れるけど、ほぼ情報が画面の中に網羅されるので便利ですね。最初は、あの崩れたレイアウトに違和感があったけど、慣れるとわりとなんともなくなります。でも、慣れるまでけっこう時間がかかるから、せっかくの定額ですし、意識的にネットを見るようにするといいですよ。そうすると、[es]でネットを見る便利さが実感できます。

ほんと、これから[es]を買う人は、だまされたと思ってネットを無理して見るようにしてみてください。Operaで。[es]の真価は、そういうとこにあると思うから。つまりね、ケータイのように、PCに近い環境を持ち歩くっていう感じの便利さ。PCでいちばんよく使うのって、ウェブブラウザでしょ。だから、[es]でネット、というのに慣れると、[es]が大好きになります。

前に、ランチャ&タスクマネージャの「YTaskMgr」のお話をしましたが、あと日常使いで大事なのが、案外スケジュラーのような気がします。この分野は、人の好みが出る分野だからいろいろ好みが分かれるところですね。この手のCE端末では「ROSE」と「さいすけ」が定番ですが、いろいろなソフト作者さんがツボを得たソフトを作ってらっしゃいます。スケジュラーの話は、また別の機会にさせていただきますね。では、おやすみなさい。

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